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MATCH試合情報

2015 明治安田生命J2リーグ 第4節 - V・ファーレン長崎 vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

前節、水戸ホーリーホックを相手にホームで今シーズン初勝利を挙げたヴェルディ。連勝を期す今節は、敵地に乗り込んでV・ファーレン長崎と対戦した。1週間で3試合を戦う過密日程に突入するとあって、勝利して一気に勢いに乗って3連戦を戦い抜きたいところ。天候、ピッチコンディションにも恵まれ、戦う環境が整った中でキックオフを迎えた。ヴェルディは前節でJリーグデビューしながらも退場処分で出場停止のコ・ギョンジュンの代わりに畠中槙之輔をセンターバックで起用。その他は同じ顔触れとなった。

試合は序盤からお互いにボールが落ち着かない展開。自陣深い位置から大きく蹴っては撥ね返され、また大きく蹴り返すようなロングボールの応酬となる。攻撃の糸口が見つからない中で、思わぬ形でゴールへの筋道が開けた。12分、南が相手と上手くスイッチして身体を入れたところで倒されて相手陣内浅い右寄りの位置でフリーキックを手に入れる。お互いの呼吸を合わせた中後雅喜と平本一樹の連係が光る。中後が曲げて落としたボールは、ファーサイドではなく、ゴール中央に走り込んだ平本の元へ。相手マーカーを完全に置き去りにした平本がヘディングで合わせ、ゴール右にボールを叩き込んだ。前節に続いてセットプレーから先制点を挙げ、幸先の良いスタートを切った。ところが、ここから試合の展開を落ち着けることができない。サイドのスペースに蹴ってセンターフォワードを走らせる相手に対して、センターバックが釣り出され、サイドバックも攻撃参加できずに押し込まれる。相手のペースになりかけた時間帯で、今度は中盤での連携ミスからカウンターを食らい、ペナルティエリア内で畠中が相手センターフォワードを倒してPKを与えた。佐藤優也が一度は止めたものの、ゴールライン上に留まっていなかったとしてやり直しとなり、27分にやり直しのPKを決められて同点に追いつかれた。

ハーフタイムに冨樫監督から選手たちには、しっかりとボールを動かして攻撃を組み立てていくように指示が出た。これを機にヴェルディは攻撃姿勢、特に持ち味のパスワークからフィニッシュまでの流れるような攻撃を取り戻す。51分、相手のミスに乗じてカウンターを仕掛けると、平本のスルーパスにブルーノが抜け出してフィニッシュ。GKのファインセーブに防がれたが、ここから流れに乗って畳み掛ける。カウンター、サイドチェンジ、ワンツーから3人目の選手の飛び出しと多彩な形で長崎守備陣を翻弄し、南秀仁、澤井直人、交代で入った中野雅臣、アランがゴール前で決定的な場面を迎えたが、シュートはことごとく枠を捉え切れない。守備ではGKの佐藤を中心に集中力を切らさずに対応し、暑さの中でもパフォーマンスを落とすことなく粘り強い対応を見せた。それだけに『あとは決めるだけ』という場面が少なくとも4回はあったにも関わらず、決め切れなかったことが悔やまれる。結局ゴールは奪えず、1-1のドローで試合を終えた。

次節は中2日で迎えるホームでのギラヴァンツ北九州戦。チャンスを作るところまではできているだけに、後はしっかりと決めて勝ち切れる強さを身に着けていきたい。守備では、未だにセットプレー以外では失点しておらず、このまま堅牢な守備を維持しながら自陣での軽率なファウルを減らしてリスクを回避していきたい。

 

 

 

【試合後選手コメント:FW 25 平本一樹】

「(今シーズン初ゴールは思い通りの形でしたか?)中後が蹴る前に、『一度、俺のところに蹴ってくれ』とちょうど言っていて、蹴ってくれと言ったポイントに狂いなく蹴ってくれたので、もう後は合わせるだけでした。試合全体を振り返ると、チャンスの数も増えてきたし、決められるところを決め切れていればもっと楽に勝てたと思います。後は僕とブルーノのところでの関係性がまだまだ足りないので、そこがもっと深まっていけばさらに多くのチャンスが作れると思います。(カウンターだけでなく流れの中で崩し切れていた印象があるが?)形は見えてきましたけど、繰り返しになりますが僕とブルーノのところでコンビネーションができれば、もっと楽に崩せるようになっていけるはずです。ワンツーまではできるけど、そこからさらにスリーの動きまでコンビネーションが合ってくれば、シンプルに崩せるようになります。そこは試合を重ねていけば良くなっていけると感じています。セットプレーで点をとれたこともそうですが、流れの中で今シーズンはまだ失点していないことは収穫なので、そこを次の試合も続けていけるようにしたいです」

 

【試合後選手コメント:MF 8 中後雅喜】

「前半はお互いに蹴り合いになってしまいました。後半になるとつなげるようになって、自分たちのリズムで試合を進めることができましたが、その展開を前半の早い時間帯からできるようにならないといけません。試合の初めは、どうしても背後に蹴る展開にはなりがちですが、それがずっと前半の終わりまで続いてしまうとキツクなってくるし、そこを修正できればもっと自分たちの形ができるかなと感じています。今日は内容的にも勝てる試合で、チャンスは作れていたと思います(セットプレーでとれたのは大きい?)それは大きいですけど、10分前後で先制して、そこから相手にペースを握られかけて失点したので、ゲーム運びというのは自分たちに優位な方向に進められればベストでした。(フリーキックのアシストは狙い通り?)蹴る前に一樹さんが『前に』という合図を出していたし、練習からあそこのコースにボールが通っていたので、良いコースに蹴れました」

 

【試合後選手コメント:DF 13 畠中槙之輔】

「試合にはすんなり入れたかなと思っていました。ただ、立ち上がりに、ミスというか相手に入れ替わられるシーンがあって、自分の準備してきたものを上手く出せなかったかなと思っています。ただ、後半にイバ君(井林)とポジションを代えてからは、少し落ち着いて周りをみながらプレーできたかなと感じています。(前半は相手の27番に対してナーバスになり過ぎていた?)最初にスライディングした時に入れ替わられて、この選手は足が速いんだと思ってからは裏を警戒し過ぎて、足元を潰しにいくのが持ち味なんですが、そこに厳しくいけませんでした。後半はイバ君と話して、後ろはカバーすると言われたので、自分のところに来たらついていくし、背後に行かれたら行かれたでイバ君がいると信じて、前に潰しにいくことを狙っていきました。(持ち味のフィードは?)今日は、長い距離のフィードは自分のところでは狙っていなくて、自分がボールを持ったら早くサイドバックやサイドMFやボランチにつけて、丁寧につないでいくことを心掛けました。後半だと(福井)諒司君が裏に蹴れるので、そこからチャンスを作れていました。PKを与えた場面は、相手との距離があったのですが自分の中では正当なタックルにいけたと感じていました。ただ、結果としてPKを与えて失点につながってしまったので、そこはしっかりと映像を見返してどうすべきだったのかをもう一度振り返りたいと思います」

 

 

【試合後監督コメント:冨樫剛一監督】

――試合を振り返ってください。

「本当に素晴らしいピッチの中で、アウェーでの長崎戦ということで、自分たちにとって非常に難しいゲームになることは分かっていました。ここから目の前の試合で少しでも多くの勝ち点をとっていきたいという点で言えば、アウェーでの勝ち点1というのは、ゲーム展開を含めても最上級ではないけれども良い結果だったと思います。自分たちがリスタートで点をとれて、その後のPKの追いつかれてしまいました。前半の1-0でリードしている中で自分たちのミスからPKにつながる場面を招いてしまったので、そこは悔いが残ります。前半の戦いに関して言えば、自分の采配でもっと何かできたのではないかなと今は考えています。ただ、後半になって、自分たち主体でボールを動かして、サイドを変えながら3人目の動きや背後に入れことで決定的なチャンスも何本か作ることができました。ここから上の順位に入るチームになるには、あのような場面をしっかり決めていかなければいけないと思いますし、自分たちはそうならなければいけないと強く思います。ただ、選手たちは本当に暑い中で走って戦ってくれましたし、出ている選手だけでなくチーム一丸となって最後までやれたので、そこはすごく感謝しています。また、遠いところまで応援に来てくれたサポーターがいて、ここまで来るのも大変だったと聞いているので、彼らの気持ちにも報いたかった。また次の水曜日がホームゲームなので、そこでしっかりと勝ち点3をとって喜びを分かち合えるように戦いたいと思います」

――前半から後半に入って、ブルーノ選手が前に出てボールに触れるようになりました。監督からは具体的にどのような指示があったのでしょうか?

「スタートからシステムのミスマッチが起きていたので、自分たちがミスマッチになっているということは相手もそうなので、自分たちがそこを有効に使っていけるのかというところで、前半はなかなかグラウンダーのボールが入らなかったので、そこの改善をもう一回したことと、あとサイドチェンジの中で両サイドが高い位置をとれるようにと選手に話をして、選手はサイドでスペースを見つけてよくプレーできていたと思います」

――コ・ギョンジュン選手と安在和樹選手が欠場でしたが、その中で今日の試合での守備の手応えはいかがでしたか?

「自分たちはまだまだ成長しなければいけないチームで、本当にレギュラーとして戦っている選手はまだ数少なく、チャンスを窺っている選手はたくさんいるし、与えられたところで思い切ってやってもらえればいいと思っています。後の起用のところは自分が責任を持っているところです。先週から左サイドバックが福井に代わって、試合を追うごとにパフォーマンスも非常に上がってきているし、守備だけでなく攻撃のところまで彼はやってくれているので、すごく良かったと思います。畠中にしても、レベルの高いセンターフォワードに対して、自分が持っているパフォーマンスを体感してみないと分からない速さや強さがたくさんある中で、90分一生懸命戦っているところは見ていたつもりです。もちろん、もっともっとできると思っているので、しっかりとコンディションを整えて、次の水曜日にはギョンジュンも戻ってきますし、誰を使っていくかはトレーニングを見て決めますが、そのポジション争いがあることは自分たちにとっては非常にいいことだと感じています」

 

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