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MATCH試合情報

2014 Jリーグ ディビジョン2 第5節 - 東京ヴェルディ vs V・ファーレン長崎

マッチレポート

【試合展開】

試合前の荒天が嘘のように、キックオフのタイミングでは晴天に恵まれた。開幕から4試合勝利がないヴェルディは、今シーズン初勝利を誓って味の素スタジアムのピッチに立った。

序盤から流れはV・ファーレン長崎に傾いた。ヴェルディは選手個々の距離が開いてパスワークを発揮することができず、最終ラインから長いボールを多用して、前線で収まらずに再び守りに回る展開を強いられた。丁寧につなごうとしたボールが2本目、3本目でミスになる場面も多く、ボールロストでペースを乱していく。ただし、前半の終盤には個人技から逆襲してミドルシュートでフィニッシュを終える場面も見えてきた。

内容でも押し込んでいくことを目指した後半だが、立ち上がりにセットプレーから失点すると、集中力が切れたように守備が崩れた。8分後にはドリブル突破からフリーでミドルシュートを打たせて豪快に2追加点を許す。2分後にはPKで3失点目。さらに3分後にも守備のギャップを突かれて4失点目。メンタル的にも戦術的にも立ち直る隙も与えられず、一気に畳み掛けられてしまった。70分には平本一樹のポストプレーを起点に高木大輔がスペースへ飛び出し、高木のクロスを常盤がワンタッチで合わせて一矢報いた。ここからできるだけ得点を重ねたいヴェルディだったが、78分にワイドな展開から5失点。これまでの内容で勝った敗戦や引き分けとは違い、自分たちの良さをほとんど出せないまま敗れる結果となった。

衝撃的な敗戦ではあるが、失点を重ねた原因をしっかりと分析し、若い選手が多いチームが勝利に近づくための糧にする必要がある。そのためにも、次節のカターレ富山戦に向けて、気持ちを切り替えてしっかりと準備をしていく。

 

 

【試合後選手コメント:MF 23 田村 直也選手】

――試合を振り返ってください

「内容的にも結果的にも反省すべきところが多く出た試合でした。セカンドボールであったり、相手へのプレッシャーをもっと厳しく行かないと自由にやられてしまうと感じた試合でした」

――後半1失点してから歯止めが効かない形になってしまいましたが

「全体がもっとディフェンスラインから押し上げてコンパクトにしないと、今日みたいにセカンドボールを拾われてから前を向かれてあんなふうに失点してしまいます。もっと全体としてプレスアップとかしなければダメでした」

――チームとしてそういう部分がなかなか徹底できていない印象ですか

「僕は後半頭にケガで交代してしまいましたが、ピッチの中にいれれば、そういう部分を指示したかったです。たとえば、セカンドボールを拾うために、もっと後ろが寄せてほしいとか言いたかったですが、それができなかったのが悔まれます」

――次節の富山戦に向けて一言お願いします

「お互いに苦しい状況にいるチーム同士の対戦となるので、相手も死にもの狂いで来ると思います。その中でうちも、もっと声を出して全力で行きたいです。とにかく、闘志を見せて必ず勝ちたいと思っています」

 

 

【試合後選手コメント:DF 13 畠中 槙之輔選手】

――難しい状況でのデビュー戦となりましたが、試合を振り返ってください

「自分が入っても何も変わらなかったです。だから、もっと自分を出せたかなと思いますし、悔しい気持ちです」

――自分を出せなかったという部分についてもう少し聞かせて頂けますか

「競り合いのところもそうですし、守備的な部分でボールを取るところとかですね。あと、一回入れ替わられたところもありました。練習から指摘されていた部分だったので、そこは修正したいです」

――ピッチに入る前に監督からどんな指示がありましたか

「守備が崩れていたので、ラインの修正とディフェンスの連携や締めをやってほしいと言われました」

――その役割はこなせましたか

「何とも言えないです。点も取られましたし、もっと締めることができたと思います」

――プロデビューの感想を教えてください

「率直に、うれしいという気持ちです。ただ、ヴェルディもまだ勝てていないので、自分が出て勝てるようにベクトルを向けていけたらいいと思います」

――緊張はありましたか

「思っていたより緊張はなかったです。元々、自分は緊張するタイプではないので―。交代メンバーで呼ばれてすんなりと入れました」

 

 

【試合後選手コメント:FW 25 平本 一樹選手】

――試合を振り返ってください

「前半に関しては相手もうちも良いところを出せていたと思います。攻撃に関しても相手のディフェンスラインの緩さのようなものを自分的に感じていたので、いくつかチャンスも作れました。長崎らしくないような形でぽっかりとスペースができていたところも序盤あったので、そこを突いたときにもっとチャンスを作れたかなと思います。もちろん、お互いにチャンスはありましたが―。でも、どちらに転んでもおかしくないゲームだと思っていました」

「ただ、後半に関しては失点場面のコーナーキックはしょうがなかったという感じです。相手もフリーでヘディングしたわけではなく、一人一人マークも付いていました。ただ、マークに付いた一人の責任でもないので、チームとして今後話し合っていきたいです。それよりも2失点目ですね。その前に自分たちに結構チャンスもありました。大輔(高木選手)のとかですね。あそこは大輔らしくなかったですね。普段のあいつであれば、難なく止めて決めるところを、やっぱり若さですかね。それでも、ああいうところにいてああいうチャンスを迎えられるのは、あいつしかできなかったですし、そこはさすがだと思います」

――練習でできていることが出せないなど、全体的に若さが出てしまった試合でしたか

「言ってしまえば、若さということになります。ただ、若さというのは難しい部分で、若い選手は緊張もプレッシャーもありますし。ただ、監督に何十人もいるなかでプレーさせてもらっているわけですから、それに対して恩返しをするではないですが、“せっかく、使ってもらっているから自分のこういうところを出してやる”というようなプレーをもっと出せてもいいのかなとは思います。自分の頃と比べるわけではないですが、もっと若手らしいガツガツしたプレーを見せてほしい気持ちはありますね」

 

 

 

【試合後監督コメント:三浦泰年監督】

――試合を振り返ってください

「前半はうまく、うまくと言うか、目指すサッカーという部分では前半もなかなか出すことができなかった中で、0-0で試合を折り返しました。メンタル的にも戦術的にも勝負は後半だという中で、ロッカールームを出ていく状況で、田村の方からダメだということを聞いていました。ロッカールームを出る寸前だったので、グラウンドに立たせながらボランチを用意しました。そういうときこそ、そういうアクシデントが起きたときこそ、より集中してより点を取られてはいけない中で、セットプレーでやられてしまいました。その後の展開を考えても非常に厳しい展開になったな、と感じていました。また、その状況を跳ね返すことができる強いメンタリティというのが、90分間の試合の中で、まだ付いていな いなという試合になってしまいました。ただ、そういう中で、どう今後メンタルを鍛えていけるかということを考えたときに、この試合は1-5という負けになりましたが、次の試合はまた0-0から始まる、そういう中で、次臨むべき新しい試合を強いメンタリティを持って戦えるかどうかという点は、我々が今後進んでいく道の中で非常に重要な試合になると思います。もう、この試合をどれだけ悔やんでも取り戻すことはできないので、ここで経験したことを強いメンタリティに変えられるか、この悔しさをこういうことが起きたことを変えられるかということが、重要になってくると思います」

「戦術的な部分で考えますと、少し同サイドに偏っていた気がします。逆サイドにうまくボールを展開していくことができなかったという気がします。また、そこに対してのオンタイムでのアプローチも欠けていましたし、どちらかというと攻撃のところは11人で自由に守備のところで規律を重視してという部分で、なかなかマイボール時に良いリズムで自分たちのサッカーができなかった中で、奪われると逆に守備の規律という部分で相手の方が優っていたということが先制点を奪われた後の展開に出てしまったのではないかと思います。今の自分たちが戦う中で、点を奪われて余裕を持った相手に対してのパス回し、それを奪う力という部分であったり、また鍛えられているというか、シーズンをしっかりと 経験しプレーオフまでしっかりとしたチーム作りをしてきた長崎の守備スピード、もしくは守備力に、我々がボールをしっかりと動かすことができなかった、そこは強く感じさせられました。ただ、大事なのは先程も言いましたが、次の試合にどういう気持ちで臨めるか、そこに懸っているのでしっかりとした準備をしていきたいです」

――2枚目の交代カードを切る際、先に準備していた安在選手ではなく畠中選手を入れた意図を教えてください

「どうしてもぽっかりと、ダブルボランチとセンターバックの間であったり、センターバックとサイドバックの間をうまく相手のシャドーに使われて、相手ボールのときに優位に立たれてしまっていたので、舘野のところに安在を入れて、少し攻撃にパワーを出すか、もう一度しっかりと冷静に考えていく中で、センターバックのラインがどうしても不安定になっていたという点からスリーバックにしてみるかなど、色々なオプションを考えました。そういう状況で安在と舘野をシンプルに代えるという準備中にじっくりと考えた結果、センターバックのラインを少し強めにしてセンターバックのジョンピルを左サイドバックに移すことで、相手のシャドーをうまくケアして、そこで奪ったボールをしっかりと つなぐことを意識していました。前線の選手はどちらかというと、攻撃力や前に重心のかかった選手を揃えていたので、そういう選択にしました」

 

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