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MATCH試合情報

第95回天皇杯全日本サッカー選手権大会 2回戦 - 大宮アルディージャ vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

天皇杯2回戦の相手はリーグで首位を走る大宮アルディージャ。リーグ戦再開後すぐに対戦を控えていることもあって、その前哨戦といえる試合となった。会場は試合前から雨が降り続け、キックオフ直前から雨足が強くなり、ピッチコンディションは非常にスリッピーな状況となった。ヴェルディは前回の天皇杯1回戦から大幅にメンバーを入れ替えた。1トップに平本一樹、2列目にアラン・ピニェイロ、高木善朗、杉本竜士を並べる形。右サイドバックには大木暁を置き、センターバックにウェズレイが戻ってきた。

序盤からお互いにボールに対する執着心をむき出しにし、前線から強めのプレッシャーをかけてディフェンスラインを押し上げ、コンパクトな陣形を保って主導権を争う。サイドを起点に早めに縦方向に出ていく大宮に対して、ヴェルディは中盤を経由しながらテンポよくボールをつなぎ、緩急をつけて要所でスピードアップして攻撃を仕掛ける。ファーストチャンスは8分。右サイドで数的優位を作り、アランからクロスオーバーした大木に渡り、大木のクロスに中後雅喜がニアサイドで頭で合わせる。シュートは枠を捉えたが、相手GKが腕一本でかきだした。その後、一進一退の攻防が続いていた18分、左サイドを泉澤に抜け出されて先制点を許す。しかし、強気な姿勢を崩さなかったヴェルディにチャンスが訪れる。22分にアランが相手DFとGKへスピードを生かして猛チェイス。ブロックに入ったGKとDFをかわすと、無人のゴールに流し込んだ。その後、スリッピーなピッチにお互いに慎重なプレーが続くが、ともに球際での厳しさは失わずに激しい試合を続けた。ただし、チャンスをものにしたのは相手だった。36分、右サイドからのクロスにボールウォッチャーになり、ゴール目前に飛び込んだ渡邉をつかまえ切れずにゴールを許す。

早い段階でビハインドをひっくり返したいヴェルディは、後半の序盤に両サイドを起点にチャンスを作り出す。立ち上がり40秒には右サイドから大木が鋭いクロスをあげて、高木善がニアに突っ込んでダイビングヘッドで合わせる。惜しくもボールは枠から逸れたが、51分にも高木善にチャンスが訪れる。今度は左サイドの安在和樹の山なりのクロスに対して、ゴール中央で長身DFに競り勝って頭で合わせる。これもゴールを横切ってネットを揺らすことはできなかった。ヴェルディが前掛かりに攻め込む形でオープンな展開になってくると、74分にカウンターからまたも泉澤にゴールを許してリードを広げられる。ヴェルディは高木大輔、澤井直人、ブルーノ・コウチーニョと攻撃的なカードを次々と切って前のめりに相手ゴールに迫ったが、ゴールをこじ開けることはできず。78分には澤井のミドルシュートがポストに当たる不運もあり、反撃が実らない。終盤にはミスからカウンターを受けて何度となくピンチを招いたが、守護神佐藤優也が神がかり的なセーブを連発して後方からチームを盛り立てる。守護神の奮闘にゴールで応えたかったが、最後までスコアを動かせずに2点差のままタイムアップを迎えた。

天皇杯の戦いはこれで終わってしまったが、残るリース戦はこれから佳境を迎える。連敗中の流れを止めて、また再浮上のきっかけをつかむためにも、この大宮戦で見せた戦う姿勢とゴールへの執着心を高めていく。

 

 

【試合後選手コメント:FW 9 アラン・ピニェイロ選手】

――今日の結果についてどのように受け止めていますか?

「残念ながら今日は良い結果が出なかったですが、チームは良いサッカーをして、みんなが戦って、自分としても1ゴールを決めることができたのは、すごく嬉しいことですし、この敗戦を引きずることなく、ここから1週間良い準備をして、リーグ戦も再開するのでうまく切り替えていきたいです」

――ご自身にとっては久々のゴールでしたが。

「久しぶりに得点できたということで、とても安心しています。結果は伴わなかったのですが、それでも少しでもチームの助けとなれたことで、自分として安心しています」

――前半はフィジカルの強さを生かして右サイドで起点となるプレーが多かったですね。

「ウチの右サイドで受けて、受けた際には自分でどんどんチャンスを作って行こうと思っていたので、何度かチャンスを作ることができて良かったかなと思っています。それを次の試合でも出せるように良い練習をして準備していきたいです」

――今日の敗戦で天皇杯は終了ですが、リーグ戦に向けてどのように気持ちを切り替えていきたいですか?

「1週間しっかりと練習をして、間違いなく自分たちのチームが勝てる方向に持っていけると思うので、グループ全体で準備して次のリーグ戦に向けて切り替えていきたいです」

――敗戦という結果に終わりましたが、試合後にゴール裏のサポーターから労いの拍手がありました。チームとして闘う部分は見せられたのではないでしょうか?

「敗戦という結果にも関わらず、サポーターから大きな拍手をもらえたことは、自分たちがしっかりと戦ってきた証明になったと感じています。これを継続して良いサッカーをやって、次の試合ではきっちり勝つということが大事だと思っています」

 

 

【試合後選手コメント:DF 15 ウェズレイ選手】

――今日の試合の率直な感想を聞かせてください。

「ちょっと悲しい結果に終わってしまいましたが、いつも自分たちは勝ちにこだわって、どんな試合でも勝ちに行こうと戦っています。結果が出なかったのは残念に思いますが、ここからリーグ戦もすぐに再開されるので、切り替えてやっていきたいです」

――負傷明けの出場でしたが、ご自身のプレーへの評価とコンディションについて聞かせてください。

「残念ながらケガをしてしまって久々の出場でしたが、久しぶりに試合をして自分としては納得のいくパフォーマンスができたのではないかと思っています。コンディションもすごく良いですし、今週はケガが明けてからトレーニングでもインテンシティの高い練習をして、自信も付いてきているので、良い形で試合に臨めたと思っています」

――前回対戦では勝利していますが、J2で首位に立つチームに対して、どんなプランで臨みましたか?

「サイドのところでしっかりと締めて中を守りながらやっていく。そして、チャンスがあれば、もっともっと前に出て攻撃に厚みを加えるというふうに考えていました。ただ、なかなか序盤はミスが出てしまい、失点もしてしまいました。そのため、リズムになかなか乗り切れなかったのが、敗戦の要因だと思っています。そこを改善できれば、勝機はあったのかなと思います」

――来週から再開されるリーグ戦への意気込みを聞かせてください。

「久しぶりに試合をしたので、試合ができる喜びを噛みしめていました。来週末もその先も自分がプレーできるように努力を続けて、この1週間に厳しいトレーニングを積んで、自信を持ちつつ、すぐに再開されるリーグ戦に向けて照準を合わせていきたいです」

――雨の中で最後まで懸命に応援してくれたサポーターに向けてメッセージをお願いします。

「今日は本当に残念な結果に終わってしまいましたが、雨にも関わらず、多くのサポーターがスタジアムに訪れてくれて、自分たちの大きな刺激になりました。そして、戦うモチベーションにもなりました。本当にこういった試合ができるのは、サポーターの方が応援してくれるおかげだと思っているので、これからの1週間しっかりと練習を積んで、またサポーターのみなさんに勝利という喜びを与えたいと思っています」

 

 

【試合後監督コメント: 冨樫剛一監督】

――試合を振り返ってください。

「この天候の悪い中、たくさんのサポーターが詰めかけて、素晴らしい応援をしてくれたのですが、結果を残すことができなくて、すごく申し訳ない気持ちで一杯です。ただ、今日はプレーの強度も高く、連動性を持った戦いが続く中で、本当に少しのプレー精度が勝敗を分けたのかなと思っています。ただ、自分たちにも勝つチャンスはあったと思いますし、すごくそこに差を感じているわけでもないです。自分たちは次のリーグ戦でまた強い大宮さんと当たることもありますし、今年は1勝1敗でもあるので、自分たちは胸を借りるつもりもありませんし、正々堂々とまた戦えるように準備していきたいです。天皇杯での自分たちの冒険はここで終わってしまいましたが、まだまだ自分たちが強くなる要素を感じましたし、まだまだ弱い部分も感じました。そこは監督として、もっともっとチームを強くできるな、という希望を感じています。また、チームは色んなところで発展していく要素がたくさんあるので、また選手たちと共に一生懸命トレーニングして、今度は強いチームを作っていきたいです」

――前半はビハインドを負いながらも優勢に試合を進めていましたが、後半はかなりやられてしまったなという印象です。前半と後半の違いはどこにあると感じていらっしゃいますか?

「自分たちの入り方に、まず一つ問題があったのかなと思っています。本当は自分たちがもっと矢印を戦う部分に集中してピッチの中に向けられたら、もっと展開は変わったというのがひとつです。あとは、オープンな形になった時に対人のところで何人か相手に上回られるところがありました。ただ、そこを自分たちがどういうふうにグループで対処していくのか。または、パスワークのところで、自分たちがもっと攻撃の時間を増やすこともできたのかなと思っています。空間は非常にありましたし、プレッシャーもそれほど感じていなかったので、もっと2人、3人のパスワークで厚みのある攻撃ができれば、相手に上回られることも少なかったのではないかと考えていま す」

――まだまだ自分たちが強くなる要素を感じたとおっしゃっていましたが、具体的な部分を教えてください。

「先ほど話した対人のところで、自分たちはまだまだ身体も心も成長していけること。また、若い選手たちが今日のゲームをどう捉えて、どうトレーニングしていくか、それは生活から含めて自分たちのプロとしての成長が、ピッチの中に繋がっていく。そういう意味では、たくさんの若い選手が自分たちにはいるので、そこで彼らを上回っていくことは可能かなと思っています」

――前回のリーグ戦に比べて、チームの攻守のバランスが改善されたように見えましたが。

「やはり、サッカーは勢いだけではなかなか90分間もたないですし、それだけで相手を上回ることはできないので、自分たちもここから色んな面で、例えばボールの動かし方であったり、守備のところでも緩急を付けたり、どこでボールを奪いに行くのかという戦術的な部分で成長していると感じていますし、今日のところでもそういう部分で大宮さんに対して、トライしていくというようなゲームにしたかったので、前半は特にそういうバランスを含めてやれたのではないかと考えています。これが次に繋がっていかないともったいないので、ここからまた自分たちもプレッシャーを速くしていく部分を失いたくないですし、またそこで攻撃の積極性など、良い意味で自分たちの 思い切りの良さやゲームコントロールという部分を出していければと感じています」

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