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MATCH試合情報

2015 明治安田生命J2リーグ 第39節 - 東京ヴェルディ vs ジュビロ磐田

マッチレポート

【試合展開】

前節、敵地での栃木SCに勝利して長いトンネルから抜け出したヴェルディ。プレーオフ圏を争うシーズン終盤の残り4試合の相手は、ジュビロ磐田、ジェフユナイテッド千葉、ツエーゲン金沢、セレッソ大阪とプレーオフ圏内を争う難敵ばかり。そして本日は、終盤戦の大一番となるジュビロ磐田との一戦。残るシーズンの行方を占う絶対に落とせない試合には、今シーズンホーム最多となる1万6629人の観衆が詰めかけた。スタジアムの雰囲気は申し分なし。あとは、難敵を相手にホームスタジアムに歓喜を呼び込むだけ。期待が高まるピッチに立った顔ぶれは前節と変わらず、U-22日本代表の遠征に参加して金曜に合流したばかりの三竿健斗も中後雅喜とコンビを組んでスタメンに名を連ねた。

選手たちに気持ちが入っているのは、表情を見ずともそのプレーから十二分に窺えた。球際での寄せで相手を上回り、一度かわされてもすぐに襲い掛かるプレスの二の矢、三の矢を放って、ルーズになったこぼれ球を回収してじっくり攻め込んでいく。相手のターゲットマンであるジェイに対しては、井林章が身長差をものともしない高さで完璧に近い対応でシャットアウトしてみせた。11分には地上戦で強引にドリブルを仕掛けられて中央を割られたが、1対1の場面で佐藤優也がビッグセーブで弾き出した。序盤はミスから逆襲を受ける場面もあったが、時間が経つにつれて相手陣内の深いところへとボールを運べるようになる。そして迎えた24分、ゴール前で崩して高木大輔が押し込むだけのビッグチャンスを迎える。しかし、高木大のシュートは身体を張って立ちふさがった相手DFの腕に当たって弾き返された。判定はハンドでPK。しかも、ハンドをとられたDFは得点機会阻止と判断されて一発退場になった。一気に優位に試合を進めていく絶好機。しかし、キッカーの南秀仁のシュートは相手GKに足でかき出された。ヴェルディの選手たちはここで頭を下げず、逆に数的優位を生かして相手を自陣に押し込む。相手が立て直す前に試合を決めるべく、40分には相手を釣り出す動きを生かして安西幸輝が右サイドのスペースに抜け出す。弾道の低いスピードのあるクロスに高木大が抜群のタイミングで飛び込んで合わせたが、これは枠を捉え切れなかった。

人数のギャップは、サッカーにおいては必ずしもアドバンテージにはならない。冨樫監督もそのことはしっかり認識していた。「前半の戦い方から進化させないと、逆にこちらが苦しくなる」と選手に説き、攻め急ぐことなく攻撃をやり切って先手を取ることを目指した。しかし、攻撃をやり切ることができず、そこから崩れてしまった。49分、自分たちのミスからボールを奪われてカウンター気味にペナルティエリアに侵入されて豪快なシュートを叩き込まれて失点。その直後に高木善朗を投入して立て直しを図ったが、またも攻撃の組み立てで連係がずれて逆襲を受け、61分にアダイウトンにドリブル突破からゴールを奪われた。そのショックが残っていたのか、8分後にはまたもアダイウトンにボールを奪われてカウンターからゴールを決められて一気に試合を決められてしまった。攻撃のリズムを変えるべく、アランや平本一樹を投入したが、一人少なくなったことでやり方が定まった磐田の前に攻め手を失い、終盤は一方的にボールを持って攻め込んだが決定的な場面も決め切れなかった。

シーズン終盤戦で喫した0-3の敗戦。順位も7位へと後退した。しかし、次節には8位のジェフユナイテッド千葉との直接対決が待っている。たとえ打ちのめされそうな現実を突きつけられても、チャンスがある限りは信じて戦い続ける――。試合後、ロッカーへ戻るまで続いたスタンドの鼓舞する声に、チームは心を震わせて気持ちを切り替えている。

 

 

【試合後選手コメント:MF 20 三竿健斗選手】

――ショックの残る敗戦となりましたね。

「相手も10人になった中でもっと優位に試合を進める必要がありましたが、決め切るところで決められなかったことや2列目の選手の飛び出しを捕まえ切れなかったことなど、守備面では目の前の相手に負けて失点したと思っているので、もっと責任感を持ってやりたい」

――アダイウトン選手の対応の仕方についてはいかがでしたか?

「1人が行ってもう1人がカバーするということでしたが、スピードを警戒しすぎてちょっと下がった部分があったので、そこで我慢して止まるというか、ラインを下げないことが必要だったと思います。あとは試合の最初の方とかは球際で勝つことができていましたが、時間が経つに連れて、そこがルーズになってしまっていたので、もったいない試合でした」

――後半序盤にセンターバックに移ってリスクマネジメントを担っていましたが、後ろから見ていてチームの攻撃の進め方に関してどのように感じましたか?

「簡単にハーフウェイラインを越えて押し込めてはいましたが、前半からボールサイドの逆サイドが空いていることが多かったので、そこを全員が理解してもっとそのサイドを有効に突いて、ただクロスを上げずにもう一度揺さぶったり、もっとゴール前でシュートを打っていくことが必要だと思いました」

――数的優位を生かして1失点後も落ち着いてボールを動かすという選択もあったと思いますが。

「失点したので、みんな気持ち的にすぐに取り返そうとなった結果、ああいう形になってしまったので、もっと焦れずに相手を動かして、チャンスは絶対に来るので、そこを我慢することが必要だったのかなと思います」

――2失点目以降、かなりチームとしてバタ付いてしまった印象ですが。

「ミスが増えたり、あとはファーストボールを競った後のセカンドボールへの反応があまり良くなかったと思うので、そこも敗因のひとつだと考えています」

――ご自身はU-22日本代表合宿から戻って来ての試合でしたが。

「合宿でハッキリとした課題が出たので、練習からもそこを意識していました。この試合でもそれを生かそうと思ってプレーしていました」

――再び昇格プレーオフ圏外に落ちて、次節は千葉との難しいアウェイゲームですが、気持ちの切り替えという部分ではいかがですか?

「最終節を終わった時に自分たちがどこにいるかが大事なので、この負けは悔しいですが、早く気持ちを切り替えて次の試合にもっと良い状態で臨めるようにみんな前向きにやっていきたいです」

 

 

【試合後選手コメント:MF 14 澤井直人選手】

――ミスからの失点で難しい試合になってしまいましたね。

「試合前からみんなでミスをカバーし合おうと話していましたが、0-1になったところで相手に2点目が入ってしまったのが、すべてだったと思います。逆に、あそこで追いつけていれば、自分たちがもっと前に行けたと思います。0-1になって下を向く選手はいませんでしたが、結果的に0-2になってしまったことが反省点だと思います」

――数的優位を生かして1失点後も落ち着いてボールを動かすという選択もあったと思いますが。

「サイドから攻めようという話はしていましたし、サイドを起点にもっともっと中にクロスを上げたかったのですが、あまり効果的なボールもあげることができませんでした。今日は中、中となっていたので、サイドで数的優位を作ってやれれば良かったです」

――ジェイ選手から森島選手に代わって少しやり辛い面があったのでしょうか?

「そうですね。ジェイ選手も森島選手もそれぞれの良さがありましたが、ディフェンス陣は本当に頑張ってくれていました。その中で先制点を決めることができなかったのが、こっちの攻撃陣の問題だと思いますし、申し訳なく思っています」

――ここ最近、流れの中で得点がないことがフィニッシュの場面でプレッシャーになっているのでしょうか?

「良い形が作れているといっても、結果ゴールが獲れていないので、やっぱり得点は大事です。監督もよく言っているのですが、一喜一憂しないということが、今の自分たちに当てはまっているので、次の千葉戦で必ず得点を奪えるようにしていきたいです」

 

 

【試合後選手コメント:MF 11 南秀仁選手】

――押し込んだ時間もあって勝つチャンスはあったと思いますが。

「一番は後半の立ち上がりが悪くて、あの時間帯に先制されたことが、今日の試合で良くなかったところです。後半の立ち上がり20分ぐらいを0-0で行けていれば、だんだん押し込んでという形にもなったと思うので、あの立ち上がりが3失点したキーになったのかなと思います」

――2トップ変更後はよりシンプルにクロスを使っていましたが。

「アラン(・ピニェイロ)と(平本)一樹さんだったら早めにクロスを入れても可能性があるので、(高木)大輔と(杉本)竜士の時に比べると、クロスの本数は増えたと思います」

――早い時間帯にジェイ選手から森島選手に代わったことがゲームプランに影響した部分はありますか?

「ジェイが足を痛めていたのか、あまり守備をしていなかったのですが、ウチとしては変わらない方が良かったのかなと思っています。森島選手は守備もしていたので。ただ、相手は10人だったので、そこを剥がせないといけないと感じています」

――冨樫監督はジェイ選手やアダイウトン選手ぐらいのレベルの選手を上回らなければいけないとおっしゃっていましたが。

「守備陣はジェイやアダイウトンを止められないと上に行けないと思いますし、逆に前の選手たちは伊野波さんだったり、宮崎さんという質の高い選手を崩していかないと、J1に上がっても厳しいと思います。そこの精度はもっと高めていかなければならないと思います」

――冨樫監督が結果に一喜一憂しないようにとおっしゃっていましたが、チームの雰囲気はいかがでしょうか?

「今日の敗戦でプレーオフ圏内に行く可能性がなくなったわけではないので、最終戦まで望みがあると思うので、反省して直すところを見つめ直して、また来週の試合に臨みたいと思います。悲観的にならずにやっていきたいです」

 

 

【試合後監督コメント: 冨樫剛一監督】

――試合を振り返ってください。

「たくさんのサポーターに詰めかけていただいた中、本当にお互い攻撃的なサッカーを志向するチーム同士が対戦した中で、自分たちはうまくゲームに入っていけたと思います。特に、前半のところでは彼らのボランチの脇やペナルティエリアの角から自分たちがペナルティエリアの中に入り込む。または、攻撃の種類をテーマにして、サイドを変えながら上手くそこに潜り込んで実際に点になるチャンスは何回か来たのかなと思っています。相手が10人になった中で後半立ち上がりのところで、自分たちが前半よりももっと良い入りをしていかなければという中で、失点をしてしまったことが非常に残念だったこと。また、それでも慌てずにしっかりと90分の中でゲームをしていこう と言ってきましたが、そこの1点からわずかな狂いが大きくなっていってしまいました。だから、相手がより鮮明にカウンターという構図を出してきましたし、自分たちもやはりミスでボールを奪われてカウンターを許してしまったことは非常に残念でした。また、向こうがジェイを早めに見切って森島選手に代えてきたことが、自分たちにとっての狂いの原因になったのかなとも思います。ただ、選手たちにも言いましたが、この4試合一喜一憂せず、このゲーム負けても次のゲームで勝てばいいいですし、もし今日勝ったとしても次負けてしまったら同じだという話はしています。終わった後のサポーターの応援を聞いて何も思わなかった選手、スタッフはいないと思っているので、自分たちは次のゲームでしっかりと勝ってホームに戻ってきて、金沢戦に臨むための準備をしていきたいです。サポーターには本当に勇気をもらいましたし、また1週間しっかりと練習をできる気持ちを持たせてもらい、感謝しています。しっかりと結果を残してホームに帰ってきたいと思います」

――後半立ち上がりに田村選手を交代させた意図について教えてください?

「ンターバックにイエローカードが出たことが、第一の理由です。そして、三竿をセンターバックに下げたのは、センターバッ前半早くにイエローカードをもらってしまい、ああいう形で相手が退場者を出してPKをもらえたこと。自分たちにとってセクのファーストボールをスムーズにリズム良く攻撃に移したいと考えてのことです。また、三竿を下げて高木善朗をボランに入れて球の出所をスムーズにしたかったこともあります。退場者を出して10人対10人にしないこと、ボールの出所という部分で変えました」

――相手のカウンターに対応できなかった要因について教えてください。

「一番は自分たちのボールの失い方の悪さだったと思います。1失点目も自分たちの守備からボールを渡して、たぶん4番から40番と繋がれてゴールという形になりました。3失点目も自分たちが一回触って15番に渡っていますし、2失点目もそれに近い形だったと思います。そこのところで背後に良い動き出しをしている選手、下がって空間で受けている選手の間でもったいないミスがあったと思っています。カウンターを受けるというよりも変なボールの失い方の返しからスピードに乗られてしまったのかなと感じています」

――圧倒的なこの力を持つジェイ選手とアダイウトン選手への対応という部分はいかがでしたか?

「アダイウトンが非常に調子が良いということは自分たちも分かっていました。ただ、自分たちがよりボールを持つゲームを今日はしたかったということ。前半は本当にそういうゲームができていましたし、相手が10人になったとしても自分たちがしっかりとゲームをコントロールしていく。そして、サイドハーフが内側に入った外と2トップがスルーパスを受ける。また、ワンツーで下がってくる。さらに逆サイドの選手の関わりが必要だったので、そこを彼ら(サイドバック)に役割として持たせていたので、失点を最初にしてしまったので、自分たちはリスクをかけて得点を獲りに行って勝ち点3を獲る戦いをしなければならなかったです。ここからの4試合はそうしなければ自分たちの目標にたどり着かないと思ったので、守備よりも攻撃的にという中で、ああいう形になってしまったのかなと思います。自分が選手たちに求めていたこと。ジュビロがやりたかったことをうまく逆に使われてしまったのかなと思います」

――しっかりとしたサッカーをしている中で相手の2人の素晴らしい選手にやられてしまうことに関してどのように捉えていますか?

「もちろん、アダイウトンであったりは、そこでプレーできなければ日本に来ていないと思いますし、そのレベルにあると思います。自分たちとしては、そのレベルにたどり着かなければならないですし、そのレベルの選手を上回らなければならないと思っています。個人的に上回れないのであれば、グループでしっかりと上回らなければならない。そこが自分たちのやっぱり最大限の努力やストロングな部分だったと思うので、強力な選手がいるというのは、次のゲームもそうだと思うので、自分がしっかりと分析して相手のストロングを消していく。また、今日のようにウィークを使いながら自分たちが先手を取って、ゴールを先に獲りたいなと思っています」

 

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