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MATCH試合情報

2016 明治安田生命J2リーグ 第4節 - 東京ヴェルディ vs 徳島ヴォルティス

マッチレポート

【試合展開】

開幕戦で勝利したあと、アウェイでの連戦で連敗という厳しい結果を突き付けられたヴェルディ。指向するサッカーのスタイルにブレはなく、内容の部分ではあと一歩という段階にはあった。だからこそ、ホーム連戦となる今節と次節で内容が伴う勝利で流れを引き戻したいところ。澤井直人に代えてアランをスタメンで起用。2月中旬から負傷離脱していた高木大輔がベンチ入りした。

序盤はなかなかボールが落ち着かず、やや受け身に回る立ち上がり。9分には右サイドを突破されてクロスを入れられると、ファーサイドで完全にフリーの状態でヘディングシュートを打たれる。柴崎貴広がボールに反応したが触れずに後逸したが、ゴールカバーに入っていた田村直也がアクロバットなジャンプでクリアした。ピンチを凌いだことを契機に、ここから試合の主導権はヴェルディが握る。21分にはバイタルエリアで南秀仁のポストプレーから船山祐二が走り込んでワンタッチでシュートを打つがGKの正面へ。試合が進むにつれてヴェルディの支配の色が濃くなっていき、セカンドボールをことごとく拾って相手陣内でボールを動かしていく。アクシデントが起きたのは43分だった。ライン際でルーズボールに反応したドウグラスが遅れて反応した相手に倒されて左足を痛めてしまう。急きょ、Jリーグ通算400試合出場セレモニーを行ったばかりの平本一樹をドウグラスに代えて投入した。

ハーフタイムに冨樫監督が強調したのは、コンパクトな陣形を維持して戦うこと。その上でセカンドボールをことごとく拾って攻撃時にスピードアップすること。攻撃のテコ入れとして、後半の頭からは平本とアランの2トップにシステムを変更した。

後半は序盤からヴェルディの試合に。相手を押し込んで、ボールをワイドに動かしながら縦に仕掛ける機会をうかがう。53分には相手GKの隙を突いて、田村がハーフラインからブレ球ミドルシュートを放つ。これはポストに嫌われたが、こぼれ球にアランがいち早く詰めるなど、後半もセカンドボールへの意識を高く持っていることをうかがわせた。53分にはまたしてもアクシデントで船山が球際の争いで削られて負傷交代。今季初メンバー入りとなった高木大を投入し、高木善をボランチへ下げた。前線からの積極的な守備と果敢に仕掛ける姿勢が持ち味の高木大の投入は、攻撃のテンポに変化を加えて。多少無理なボールでも追いかけて相手にプレッシャーを掛け、ボールを受ければは前を向いて仕掛けていく。そして77分、やっと試合が動く。中盤の左サイドで安在和樹が相手にチェイス。奪ったボールを平本が拾って中央の高木大に預ける。縦に仕掛けた高木大はペナルティエリア手前で左から追走する平本へスルーパス。流れ気味のボールに腰を反転させて合わせ、平本がマイナス方向にクロスを送ると、パスを出した勢いのままゴールニアサイドに走り込んでいた高木大が相手DFとGKを釣り出し、ボールを後ろへスルー。ファーサイドでフリーになっていた高木善が落ち着いてボールをゴールへ流し込んでヴェルディが先制点を手に入れた。その後も攻勢の手を緩めないヴェルディ。81分、左サイドでアランがキープし、中央から顔を出した高木純平へ。高木純は迷わずにバイタルエリアで張った平本へくさびを入れる。平本が落としたボールを拾った高木純はだ時にボールを落ち着かせてマイナス方向へ。これを受けた高木大がワンタッチでクロスを上げると、ファーサイドで高木善が落とし、平本が頭でつなぐと走り込んだ安西幸輝がフリーで合わせたが、ミートできずに追加点には至らなかった。

最後まで攻め手を失わなかったヴェルディ。アディショナルタイムまで含めて、球際での勝負にもきっちりと勝利し、勝ち点3を手に入れた。ホーム連戦となる次節の『東京クラシック』で序盤戦の波にしっかりと乗りたい。

 

【試合後選手コメント:MF 10 高木善朗選手】

――ゴールシーンを振り返ってください。

「(平本)一樹さんが抜けた時点であそこに来ると思っていました」

――ヴェルディ復帰後初めてのホームでのゴールでしたが

「本当に久しぶりに決めることができて良かったです」

――ほとんどの時間押し込んでいる中、いつゴールが入るのかという展開でしたが。

「決定的なシーンはそれほどなかったので、唯一の決定的なシーンを自分が決められて良かったと思います」

――日ごろからご自身が得点に絡むことが勝敗にかかってくるとおっしゃっていましたが。

「そうですね。やっぱり、自分が決めて勝てる試合が増えてくればいいと思いますし、今シーズンまだ得点が獲れていなかったので、前線の選手として4節目で獲れて、内心ホッとしている部分もありますし、こういう試合が増えてくれば、チームも勝ち点を重ねていけると思います」

――負傷者が出た中で、4つのポジションをこなすユーティリティー性が生きた試合になりましたね。

「ボランチはそんなにうまくこなせなかったと自分の中でありますし、そこは自分の中の課題だと思います。でも、最終的に前に行って得点できたことは良かったと思います」

――平本選手のようにドリブルを仕掛けられる選手の存在は大きかったのではないでしょうか?

「やっぱり、タメができるので、僕たちも動き直すことができますし、一樹さんの特長も(高木)大輔の特長もわかりやすいですし、ハッキリしているのでやりやすかったです」

――得点シーンで大輔選手がニアに入ってくれたのは大きかったですか?

「大輔はニアに行くと思っていましたし、一樹さんは練習からあそこまで深くえぐった際には、柔らかいクロスを入れるイメージがあったので、そこは予測通りに来ました」

――試合後に平本選手にお礼を言っていたように見えましたが。

「400試合達成した後の記念の試合だったので、本当は僕がアシストしなければダメだったのですが、僕も一樹さんを狙ってパスも出していた中、逆に獲らせてもらって感謝しています」

――サポーターの方々に向けてメッセージをお願いします。

「J1昇格に向けて全力で頑張るので、応援よろしくお願いします」

 

 

【試合後選手コメント:FW 25 平本一樹選手】

――J通算400試合達成を祝ったゲームでの勝利は、一際嬉しいものですね。

「勝てて本当に良かったと思います」

――アシストの場面を振り返ってください。

「あそこで(高木)大輔が縦にパスを出してくるのが分かっていたので、そこからクロスを上げて(高木)善朗が上手く詰めてくれたので良かったです」

――メモリアルゲームで良い働きができましたね。

「そうですね。まさか自分がプロでこんなに長くやって400試合の時にああやって永井さんから記念品をもらえるなんて、自分の中では全然思っていませんでした。夢のようなセレモニーでしたし、プラス試合にも勝ってアシストできて、嬉しいなと思います。ただ、今日の試合は何よりも前半のタム(田村選手)のプレーが大きかったです。久々に先発で出てああやってチームを救うプレーができますし、普段からもの凄くプロ中のプロのように練習から取り組んでいて、そういうところは見習わなければいけないと思っています。ああやって監督の期待に応えられるというのは、もっと若手が見習うべきだと思いますし、改めてベテランというのは必要なんだなと思いました」

――平本選手の積極的なドリブルがチームを活性化させましたね。

「僕も若いころからあれしかないので、あれが無くなったらサッカー辞めようかなというぐらいに思っています。まあ、出せて良かったと思います」

――アシスト場面では本当に良いクロスを上げましたね。

「元々、サイドバックなのでクロスは得意です(笑)。 シュート決めるよりもクロスの方が得意です」

――クロスを上げた時にファーサイドの高木善朗選手が見えていましたか?

「見えていましたよ。本当は大輔のパスがもう少し内側だったら自分で打とうと考えていました。もしくは善朗にマイナスで出そうかと思っていましたが、パスが伸びてしまったので、ああいう形で出しました。ただ、自分が打つ側でなくて良かったです。自分だったらあそこはふかしてしまったと思います」

――次節は町田との久々の『東京クラシック』ですが。

「また、連勝できるように頑張ります」

――サポーターの方々に向けてメッセージをお願いします

「今日は試合前のセレモニーで本当にカッコイイ旗を見ました。皆さんに時間を割いてあんなに素晴らしいものを作っていただき、本当にありがとうございました」

 

 

【試合後選手コメント:FW 18 高木大輔選手】

――チームの勝利に貢献する良いパフォーマンスでしたね。

「そうですかね。自分にできることだけを考えていました。ハーフタイムに入った時、冨樫さんからいつでも行ける準備をしておいてほしいということと、システムを4-4-2にして相手の背後を狙って、相手をひっくり返すようなプレーをしてほしいと伝えられていました。最初はそれだけを意識しようと思っていましたが、なかなかうまくウチのチームが前向きでボールを持つ場面がなかったので、まずは守備の部分で頑張っていこうと考えていました。それが良かったと判断していただけるならば、頑張って良かったです」

――ゴールの起点になった場面を振り返ってください。

「あの時は感覚的に(平本)一樹さんはワンツーが好きなので、パスをくれた時点で走っているのも見えていました。ただ、試合後に話したら一樹さんは自分でシュートを打つようなボールがほしかったと言っていました。だから、あそこは一樹さんがうまく体勢を変えてくれてクロスを上げてくれてゴールになりました。結果的に良かったですが、そこは今後突き詰めていきたいです。また、今日は一樹さんのセレモニーがあったので、一樹さんに点を獲ってほしい気持ちもありました」

――試合の終わらせ方の部分も含めて、今日は前向きの守備ができていた印象ですが。

「相手には前線に大きいターゲットマンがいましたが、こちらにはイバ君(井林選手)というヘディングが強い選手もいますし、ある程度限定させれば、勝てるという計算はありました。だから、頑張って守備してできるだけ限定して撥ね返せたのは大きかったと思います」

――今シーズンのチームは昨シーズンに比べて前から激しくプレスに行く形が減っていますが、守り方という部分に関してはいかがですか?

「試合が終わった後に、イバ君と話して“あれだけボールを追ってくれるとこっちも読みやすくて助かる”と言われました。逆に、僕は引いた守備をするのが苦手なので、自分が追ってという方が得意なので、それがうまくハマってくれるならいいと思います。僕はそれを意識しています」

――今日は善朗選手のゴールで兄弟アベックゴールの可能性もありましたが。

「今日も来るかと思いましたが、いつか来ると思います。アベック獲れれば、話題にもなりますが、チームが勝つゴールをどちらかが獲れればいいと思います。去年の夏も僕が獲って、善朗が獲って勝っていたのはアベックみたいなものなので、そういう面ではこのままでもいいのかなと思います。ただ、いつか一緒に獲れればいいと思います」

――今季初出場の感想はいかがですか?

「まだまだです。もっと攻撃で頑張りたかったです。もちろん、チームもキツい時間だったので、今日は最低限のことはできたと思います。もっとコンディションを上げてもっともっと数も増やしていけると思うので、頑張っていきたいです」

 

 

【試合後選手コメント:DF 23 田村直也選手】

――今季初先発でしたが、試合を振り返ってください。

「前節の熊本戦で半分ぐらい出られたので、何となくリズムは掴めていました。今週のトレーニングでチーム全体をコンパクトにして、最終ラインをうまくコントロールするということが課題だったので、そのへんはできたと思いますし、本当に無失点で終われてホッとしています」

――試合序盤のピンチで相手のシュートをゴール前でかき出す好守もありました。チームにとって大きなプレーだったのではないでしょうか?

「ここ何試合かは前半に失点してしまい、追う展開になってしまっていたので、非常に大きかったと思いますし、チームにとっても0-0で行ければ、特に前半は無失点でいこうと話していました。(ブロックの場面では)自分を越えていった時に、ゴールカバーに入るか、折り返しに備えるか、迷いましたが結果的に良いプレーになりました」

――高さのある山崎選手とスピードのある渡選手という特長のハッキリしていた2トップに対して、井林選手とどういう役割分担をしていたのでしょうか?

「山崎選手も良い選手ですし、もう1人の渡選手も非常に良い選手ということは去年から見ていて分かっていましたし、リスペクトの気持ちを持って対応しました。今日は相手の特長に対して、上手く対応できたと思います」

――中盤の選手との連係はいかがでしたか?

「高木純平選手も船山選手も非常によくやってくれて、狙いを絞って守ることができました。今日はそういう良いところも出ましたし、とにかく焦れずにやっていこうということは話し合っていました。0-0で行けば、こういうチャンスもあると思っていました」

――意表を突いたロングシュートがポスト直撃という場面もありましたが。

「あれはオマケみたいなものですし、失点ゼロということが一番良かったです。去年も1本打ってバーに当たったことがあったので、個人的に“またか”という気持ちでした」

――アウェイ2連敗と難しい状況での試合でしたが。

「そうですね。徳島が非常に良いチームということは分かっていましたし、巧い選手も多かったので、我慢する時間もあるなと思っていました。それを乗り越えて上手くできましたし、平本選手のそういうメモリアルなゲームを勝って終われたことは良かったです」

――次節は町田との久々の『東京クラシック』ですが。

「町田も鼻息を荒くして来ると思うので、しっかりと自分たちも準備してホームなので、また勝ちたいです」

 

 

【試合後監督コメント: 冨樫剛一監督】

――試合を振り返ってください。

「ホームゲームなので、自分たちを応援してくれるサポーターもいるので、しっかりと勝つゲームをしようという中、今日はちょっと気温も高く、しっかりとゲームに入るようにという話をしました。ただ、前半の特に前半、不安定な中で相手のシュートをゴールの中で、たぶん(田村)直也だったと思いますが、かき出してくれて、あのプレーは本当にチームにとってビッグプレーだったと思います。前半をそういう中でドウグラスを起点に少し時間を作りながら、自分たちのペースにできたのは、すごく大きかったかなと感じています。前半の終盤に少しドウグラスが負傷してしまい、交代を余儀なくされてしまいましたが、交代で入った(平本)一樹であり、後半途中から入った(高木)大輔、また楠美を含めて、交代の選手が、自分たちがゲームの中で何をすべきかを表してくれたゲームだったと思っています。得点を獲った場面ではハーフタイムに少しクロスをシンプルに上げていこうという中で、交代を色々と考えていた中、(高木)善朗をサイドハーフに持って行ったことは、ああいうプレー、予測を持ってセカンドボールを拾えるというところも含めて、期待をして置いたので、結果を出してくれて非常に良かったと思います。ただ、まだ4試合を終えた中で自分たちがもっともっとやらなければならないことはありますし、また次のゲームは少し何人か変えてしまうかもしれないので、しっかりトレーニングから次のゲームに向けて、選手たちとやっていきたいと思います」

――負傷したドウグラス・ヴィエイラ選手と船山選手の状態と、平本選手の投入によってもたらされた影響についても聞かせてください。

「まだ、ケガをしたばかりなので状況やどれぐらいかかるのかは、自分自身まだ判断できていない状況です。これから戻ってチェックを受けることになりますが、あとは患部の腫れとかで、腫れがどこまで引いて診断を受けられるのかというのは自分にも分かっていないので、どれぐらいかはまだ分かりません。一樹が入ったことで、最初はアランと2トップにして、アランを背後に、セカンドボールを拾って一樹の前への推進力を生かして行こうと考えていました。途中で南の仕事量が減ってきていたので、アランが外で良い起点になれそうだと感じていて、大輔が残りの35分にフルでプレーができると思ったので、またその2トップに戻して変化を加えていけるようにしました」

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