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MATCH試合情報

2016 明治安田生命J2リーグ 第20節 - セレッソ大阪 vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

前々節、ジェフ千葉を相手に0-2のビハインドから同点に追いついて逆転も予感させる試合を見せ、前節は京都サンガF.C.を相手に逆転勝利を果たしたヴェルディ。上位との戦いが続く中で、しっかりと勝ち点を積み重ねてきた。そして迎えるのは2位のセレッソ大阪との一戦。前半戦も残すところあと2試合となり、ここで上位と続く試合を後半戦の巻き返しの弾みにしたい。昨シーズン最終節でプレーオフ進出を断たれた因縁のキンチョウスタジアムに緑の戦士たちが降り立った。出場停止で2試合連続ゴールを記録した澤井直人を欠くチームは、怪我から4試合ぶりに復帰した安西幸輝を右サイドMFに起用。左サイドバックには出場停止明けの安在和樹を戻した。前節、途中出場で攻守に奮闘した杉本竜士は左サイドMFでスタートし、中野雅臣をFWで起用してドウグラスと組ませた。

最初のチャンスはヴェルディ。3分、左からの井上潮音のコーナーキックをゴール正面でドウグラスが頭で捉える。ゴールを襲ったボールはGKに弾かれ、詰めていた中後雅喜がフリーでボレーシュートを放つが、これも相手GKの好守に阻まれた。続けて8分には、安西がバイタルエリア中央で井上からくさびを受けると、ターンして左にドリブルしながらミドルシュート。グラウンダーでゴール左隅を襲ったシュートは、またも相手GKのファインセーブに抑えられた。序盤の勢いは徐々に弱まり、相手にボールを持たれる時間が続く。守備陣は集中を切らさずに対応し、陣形は低いながらも粘り強く対応し続けた。この流れを変えるために、冨樫監督はシステム変更を敢行。田村直也をボランチへ、安西を右サイドバックに下げて、井上をトップ下へとスライドさせた。これが功を奏して、井上が高い位置でボールを収めたことで徐々にボール保持を盛り返していく。逆襲を食らった場面でも、GK鈴木椋大が落ち着いたプレーを見せる。35分には絶妙なコースを狙ったループシュートを下がりながら触ってわずかに軌道を変えてゴールから弾き出した。38分にもマークを外されて完全にフリーの状態で放たれたシュートをセービング。互いに一歩も引かない攻守に迫力のある展開はスコアレスで折り返した。

下がりながら対応したことで押し込まれた前半の反省から、ハーフタイムに冨樫監督は高い位置からファーストディフェンスを素早く決めて前に出る守備を敢行するように指示を出す。そして攻撃では深い位置で起点を作り、相手のラインを下げていくように求めた。すると、思わぬ形で序盤にチャンスが訪れる。48分、最終ラインの背後に流れたボールを鈴木が飛び出して対応。前線の様子を見た鈴木は、ペナルティエリアに流してキャッチせず、そのまま飛び出した勢いのまま前線のスペースへ大きく蹴り込む。これに反応したドウグラスが相手最終ラインを突破した。しかし、これは背後から押されて倒されてフィニッシュまで至らない。逆に53分、バイタルエリアでソウザが粘ったボールがゴール前にループ気味に流れると、前に出ていた鈴木の前でリカルド・サントスが頭で合わせてゴールに流し込んでセレッソ大阪が先制する。3試合続けてリードを許したチームは、ここから圧倒的にボールを支配して猛攻を仕掛ける。失点直後の54分には、ドウグラスが起点となって井上が抜け出してシュートを打つチャンス。しかし、ドライブをかけたシュートはゴールわずか上にそれた。その後も前掛かりに攻めるヴェルディ。高木善朗、高木純平、北脇健慈を次々に投入するが、惜しいところまではボールを運ぶものの、フィニッシュは枠を捉え切れず。相手のカウンターにも決して集中を切らさずに追加点は与えなかったが、追いつくこともできずに4試合ぶりの敗戦となった。

上位との3連戦は1勝1分け1敗という結果になったが、ここで立ち止まるわけにはいかない。前半戦最終戦となる次節は、順位が近いギラヴァンツ北九州との直接対決となる。後半戦に向けた勢いをつけるには、アウェイとはいえ必勝が求められる。押し込みながらゴールを奪い切れなかった今日の一戦をしっかりと糧にし、アウェイ初勝利を狙って次節に向けて万全の準備を整えていく。

 

【試合後選手コメント:MF 2 安西幸輝】

――復帰戦でしたが、自身のパフォーマンスはどうでしたか?

「100パーセントではないのは自分でも分かっていたし、でもいけるところまではいこうと思ってやっていて、前半から飛ばしました。積極的にシュートも打とうと思っていたし、そういう部分ではいいのかなと思いました。でも、やはり細かい部分は全然できていないし、自分の中ではまだ物足りない部分があるし、もっと動けるようにならないといけないです」

――序盤のミドルシュートで、チームに流れが来ると思いました。

「いつものサイドバックから1列前にいったので、ゴールをしっかりと意識したプレーをしたいと思っていたので、機会があればどんどん振りにいくつもりでした。そしたら早い時間からチャンスがきて、あれを決め切れなかったのは申し訳ないです」

――対面の丸橋選手に苦しめられた?

「ポジショニングが上手くて、後半は健勇君がバテたところを竜士君とふたりでいこうかと話していたんですが、その前に交代になりました。それは悔しいなと思いましたし、今日は体力がなかったですし自分の中でも走れていないのは分かっていたので、次の試合までにもっと良いコンディションでスタートできるように準備したいです」

――押し込む時間も長く、非常に悔しい敗戦でしたね。

「リスタートからとられたので、それはミーティングでも言われていたし、すごくもったいないと思いました」

――次は前半戦の最後の試合となります。

「重要性は皆もよく分かっていると思うし、アウェイでもしっかりと勝ち点3をとってこれるように、自分も切り替えて用意したいと思います」

 

 

【試合後選手コメント:MF 20 井上潮音】

――途中で配置が変わり、システムも変わりました。それに対する対応は?

「ボランチの時は変わることはないんですが、トップ下の時にもっと自分のプレーを出していれば、あのシステムだと僕のところが一番鍵かなと思っていたので、あそこでもう少し仕事ができればなとは思いました」

――球際でも強さを見せ、攻守ともに納得いくプレーができた?

「試合を重ねるにつれて自分が成長しているというのは感じます。でも、試合に出るにつれてチームの勝ちに対する気持ちがどんどん強くなってきて、今日も本当に勝ちたかったですし、自分が成長できていても勝てていないので残念ですね」

――出るだけでなく、勝利に貢献したい、と。

「勝ちたいという気持ちが最初とは比べものになりません。勝たないと意味がないのかなと思います。トップ下に入った時は、チュウさんからも言われましたけど、ゴールを獲れと。前にいる以上は狙わないといけないなと思っていました。でもシュートは1本しか打てていなくて、そこも増やさないといけないです。チャンスに絡んでいくのは必要だと思います」

――そのシュート場面ですが、惜しかったですね。

「あまり惜しくないというか…コースはまあまあだったんですが、シュートの威力とかはあれば自分の中では…。点を獲られた直後の時間帯だったので、自分の中では流れを変えたいというかペースをこちらに持ってきたいというのがあり、多少強引にでも打とうという気持ちでした」

――次は順位の近い北九州が相手です。

「まだ自分たちはアウェイで勝てていないですし、前半戦の最後という試合は勝てれば後半戦に勢いを持って入っていけると思うので、とにかく勝ってホームに帰りたいです」

 

 

【試合後監督コメント:冨樫剛一監督】

――試合を振り返ってください。

「昨年の最終戦から自分たちが、今日はアウェイですけど本当に前向きにゲームを進めていこうという中で試合を迎えました。前半は少し自分たちのシステム上の問題なのか、バイタルを使われる状態が多くなってしまったので、少しシステムを変えてバイタルを締めるような形で途中変更しました。しかし、それもなかなか上手くいかず、配置変更で自分たちのリズムを取り戻そうとしました。前半の終わりから少しボールを動かすような形で追われたので、後半はその形の継続とより自分たちがボールを奪ったあとに2列目から出ていくという中で、少し早い時間帯に失点してしまったのは残念でした。ただ、選手たちはその後、粘り強くボールを動かしながらゴール前のシーンを何度も作りだしたんですが、最後のところは合わなかったりしたのは残念でした。自分たちは強いセレッソを相手に、サポーターも選手も堂々と戦ってくれたので、そこに感謝をしているのと負けた責任は自分のところにあると思っています。次のゲームはシーズンの折り返しになるので、勝って後半戦に入れるように1週間を過ごしたいと思います」

――後半に点を獲りにいくところで、どんなところが足りなかったのか?

「ボールを動かして相手の陣内に入っていた後、ボールサイドからどうやってゴール前に入れていくかというところで、逆サイドのサイドMFの厚みであったりとか、内側と外側にどう入っていくかというところで内側に入ってくるサイドの動きが大事だったのかなと思います」

――前半のシステム変更について。井上選手のプレーが要因?

「ダブルボランチが横並びになることでバイタルを使われているように外から見えたので、最初は4-1-4-1で締めていて、以外にボールに引き出されるような形が多かったので、それなら4-4-2のような形でトップ下を置いて、自分たちが奪った後攻撃の起点を失わないようにということでシステムを変えて前に出て行こうと。そこでトップ下に潮音を置きました」

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