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MATCH試合情報

2016 明治安田生命J2リーグ 第22節 - 東京ヴェルディ vs ファジアーノ岡山

マッチレポート

【試合展開】

前半戦の最後を連敗で折り返したヴェルディ。下位との勝ち点差が近づき、後半戦の巻き返しが必至の状況でホームに4位のファジアーノ岡山をホームに迎えた。出場停止の高木善朗に代わり、2列目には移籍後ホームデビューとなる二川孝広をスタメンでトップ下に配置。怪我から戻ってきた南秀仁を左サイドMFに起用し、右サイドバックにはこちらも怪我から完全復活を果たした安西幸輝を置いた。

試合は前半からアクシデントを含めて大きく動く。序盤から二川が積極的にボールに絡んで鋭い縦パスでチャンスを創出すると、それに呼応するようにドウグラスが躍動感を持ってゴールに向かっていく。最初の決定機は9分。二川が右のスペースへ絶妙なスルーパスを通すと、澤井直人が反応して抜け出す。狙いを定めたクロスはゴール前に入ってきたドウグラスの元へ。絶好機で放たれたドウグラスのシュートは相手GKに触られ、詰めた井上潮音のシュートはポストに弾かれる。この場面でドウグラスが背後から相手選手にのしかかられて負傷し、早くも交代を余儀なくされた。その後は中盤での主導権争いが続きピンチを受ける、25分にはサイドからのクロスをどんぴしゃで頭で合わされるが、鈴木椋大が鋭い反応で弾き出した。27分にはコーナーキックのこぼれ球をフリーの状態で押し込まれるが、これは鈴木が正面でキャッチ。ピンチの後に好機あり。28分に井上相手最終ラインの背後に浮き球のパスを送る。これに安西が走り込んでペナルティエリアに侵入。相手と競り合いながら先に身体を入れると、背後から安西が倒されてPKを獲得する。これを中後雅喜がGKの動きを冷静に見極めてゴールに流し込み、ヴェルディが主導権争いに先んじる先制点を手に入れた。その後も決定機が続く。32分には、フリーキックをウェズレイが打点の高いヘディングで合わせるが、ボールはわずかにゴールの上へ外れた。37分にはゴール正面でフリーキックを手に入れるが、安在和樹のシュートは壁に弾かれる。今度は、ヴェルディにとって“好事魔多し”の状況が訪れる。40分に背後からのしかかられた井上が足を痛めて交代を余儀なくされる。先制して波に乗った前半で、キーマンをふたり欠いて試合を折り返した。

ハーフタイムにロッカーに戻ってきた冨樫監督の表情はいつになく険しかった。ラフプレーにより大事な戦力を欠き、それでも自分たちの勇敢な戦いを継続する強い意志。ハーフタイムの指示には、指揮官のその強い気持ちがこもっていた。細かい戦術的な指示もあったが、途中交代で代わった選手たちを含めたピッチ上の選手たちの戦いを認め、その継続を強い言葉で表現して選手たちを鼓舞した。

厳しい状況の中、攻守のポイントをまとめて送り出された選手たちは、勝利への強い意志を持ってピッチに立った。しかし、待っていたのは上位につけるチームの割り切った戦い方だった。立ち上がりから細かくボールをつなぐ岡山に対して、ヴェルディはブロックを敷いて対応。それを打破するために徹底してロングボールを蹴り込んでくる。高さには定評のあるセンターバック陣だが、今回はそのポイントを外され、ギャップに高い選手が入る形でゴール前に押し込まれる。そして59分、ロングボールを起点にペナルティエリアへの侵入を許すと、こぼれ球を押谷に押し込まれて失点。勢いの乗る上位チームは、その後も徹底してロングボールを放り込んでヴェルディゴールに迫ってくる。ゴールこそ許さなかったが、瀬戸際で耐える時間が長く続いた。チーム全体が押し込まれ、マイボールになってからの距離が長く、反撃の機会も後方からのサポートが足りずに単発に終わる。苦しい流れを耐え続けて終盤を迎えると、ヴェルディに絶好の反撃の機会が訪れる。83分、カウンターから南が仕掛けてコーナーキックを手に入れる。二川のコーナーキックは合わなかったが、こぼれ球を澤井が拾い、南を経由して左サイドにボールを運ぶ。キッカーの二川が左サイドに残ったままボールを受けると、南のクロスオーバーを待ちながら、相手DFの身体の前を通すクロスを左足で供給。ニアで高木大とウェズレイが潰れると、流れたボールはゴール正面に入ってきていた井林章の元へ。これを井林が頭で合わせてゴールに流し込んで、苦しんだ試合で待望の決勝点を奪った。この時間帯にリードすると、対応に余裕が出てくるヴェルディ。クローザーとして投入された田村直也もカバーリングやリスクを回避するパスで試合をきっちり締めた。

前半戦の苦しい戦いを経て、後半戦のスタートを幸先の良い形で飾ったヴェルディ。前半戦も上位との試合で善戦して勝利してきたが、今後は順位が近い相手に勝利を収めてひとつずつ順位を上げていく戦いが求められる。まずは次節、敵地に乗り込むV・ファーレン長崎戦で連勝して浮上のきっかけをつかみたい。

 

【試合後選手コメント:MF 32 二川孝広選手】

――ヴェルディの一員として初めて味スタでプレーした感想を聞かせてください。

「ある程度、お客さんも入ってくれたので、頑張るしかないと思っていました。ホームですし、しっかりと戦いました」

――初先発の感想を聞かせてください。

「最初から出る方がやり易い部分もあるので、しっかりと動いてボールに絡んで行こうと思いました」

――攻撃をけん引するプレーを披露できましたね。

「ある程度、チャンスを作れたと思いますが、もう少し精度の高いパスを出してチャンスに繋げたいというところもあります」

――同点に追いつかれてからは押し込まれる時間が続きましたね。

「そうですね。押し込まれる時間が長かったですが、割り切って粘り強く戦えました」

――アシストのシーンを振り返ってください。

「一瞬、何個か判断を迷いましたが、左足で入れようと思いました。クロスは大体あの辺かなという感じで入れたら、井林選手がよく飛び込んでくれたと思いますし、ちょうど良いところに行きました。運がありました(笑)」

――初先発で即結果を出せたことは大きかったですね。

「そうですね。ホッとしました。やっぱり、最初なので結果を出して、そこからは落ち着いて行けると思うので。良い結果に繋がったので嬉しいです」

――ヴェルディの雰囲気はいかがですか?

「苦しい状況は続いていますが、若い選手は元気があるので、これからフレッシュな気持ちで戦いたいと思います」

――コンディションはいかがですか?

「この暑さなので多少のキツさはありますが、やるしかないです。出ている以上はしっかりとしたプレーをしたいと思っていました」

――環境には慣れましたか?

「そうですね。徐々にですけど。ホンマ、みんなが良くしてくれるので。年長ですがチームは引っ張っていませんが(笑)」

――若い選手が多いチームはいかがですか?

「練習から楽しくやれています」

――勝利のラインダンスをやることは知っていましたか?

「今日、聞きました。正直、ウソやんと思いました(笑)」

――これだけ注目されることは選手として嬉しいことではないでしょうか?

「いやいや、嫌ですよ、やっぱり。誰かメインが居てくれる方が良いです(笑)」

――個人的にもっと改善していきたい部分はありますか?

「もう少し、自分たちでボールを持つ時間を増やしていきたいです。なかなかディフェンスに行く時と行かない時の判断ができていないところがあるので、あとはコーチ陣からも言われているように、もっと自分のところにボールを入れるようにしていきたいと思います」

――合流してまだ2週間ほどですが、周囲の動き方に関して把握できていますか?

「ある程度、僕がボールを持つと動いてくれるので、そういうふうに分かり易い動きをしてくれるので、それに合わせている段階です」

――PKを蹴るチャンスもあったと思いますが。

「それは全然。止めてください(笑)。 自信ないですから」

――サポーターへのメッセージをお願いします。

「これからも勝っていけるように頑張りますので、応援をよろしくお願いします」

 

 

【試合後選手コメント:DF 3 井林章選手】

――試合を振り返ってください。

「厳しい戦いでしたが、何とか勝ち切れました。内容はともあれ結果が出せたことが一番だと思いますし、これが次に繋がるようにしていきたいです」

――ゴールシーンを振り返ってください

「非常に良いボールで自分の前でウェズレイと大輔がしっかりと競って潰れてくれたおかげで、僕は合わせるだけでした」

――厳しい状況が続く中、どんな気持ちで試合に臨みましたか?

「不甲斐ない試合が続いているので、今日こそホームでしっかりとみんなで喜びを分かち合いたいというのは、みんな感じていたので、本当に勝ち切れて良かったです」

――今日は幾つかシステム変更し、見慣れない3バックでもプレーしましたが、練習の段階から想定していたことですか?

「いや、あそこまで相手がロングボールを蹴ってくると思いませんでしたが、それでもある程度柔軟に対応できましたし、押し込まれながら要所で抑えることはチームでできました。最終的にゴール前で決定的な仕事をさせなかったことは、良かったです」

――3バックに変更するまでサイドを破られる場面が多かったですね。

「ミスマッチが生まれてしまうので、そこはもう一回見つめ直す必要があります。特に、プレスがハマらないときの対応は反省したいです」

――前節の北九州戦と同じような展開で耐え切れた要因をどう考えていますか?

「今日はみんなが下を向かなかったことが大きいと思います。変なミスはありましたが、前に行こうという意識はみんなにありましたし、苦しい時間を耐えられたことが結果に繋がりました」

――新加入の二川選手の加入の効果をどのように感じていますか?

「常にあそこでパスコースを作ってくれているので、逃げ場が1つ増えるのは大きいです。また、もう一個前で攻撃の起点を作れるのは、ウチの前線にとってもやり易いですし、カウンターの起点になるポジションをいつも取ってくれているので、助かりますね」

――次節はケガ人も出た中で順位の近い長崎相手にアウェイ初勝利と連勝を狙いますが。

「長崎に関してはあまり意識していませんが、相手にはずっと大学から一緒にやっていた先輩の梶川選手が居るので、しっかりと頑張りたいです」

――サポーターにメッセージをお願いします。

「後半の折り返しがまず勝ちでスタートできたので、これを弾みに去年のように連勝できるように一致団結していきましょう」

 

 

【試合後選手コメント:MF 11 南秀仁選手】

――久々の出場でチームも勝利できましたが。

「でも、崩して点を取ったわけでもなく、自分たちのサッカーをやれたかというとそうでもないです。僕自身もそんなにプレーが良かったわけではないです。勝てる時はこういうふうに勝てますが、もっと自分たちの崩しができてゴールを取れて完璧に勝てたら一番良いと思います。ただ、今日のようにどんな形でも勝つことが大事です」

――相手にボールを持たれる展開はプレスがハマらなかった影響が大きいですか?

「そうですね。4-2-3-1で戦っていた時は、相手のフォーメーションとのミスマッチでサイドが空いてしまい、どうしても戻らざるを得ない状況でした。ただ、こっちが3バックにしてからは形がハマったのでやり易かったですけど、ミスマッチがある中でも上手くやらないとダメです。ただ、持たれるのはしょうがないので、そこは割り切って持たせてボールを奪い返せば、カウンターの場面でスペースが空いてチャンスになるので」

――今日はよく走りましたね。

「走らないと点を取られてしまうので、走りましたけど、あれぐらい走ったうえで、最後のところでシュートを決めないと、自分の価値も上がりませんし、あそこで決めていれば、3-1でほぼ勝利という展開だったので、あそこは自分を含めて前線の選手たちの課題です」

――1点リードで迎えた後半の入り方に関してはどんなプランがありましたか?

「あの1点を守り切るというよりか、2点目、3点目を狙いに行こうと話していました。ホームなので勝たなければいけないと思っていましたし、今日に関しては同点に追いつかれても下を向く選手はいなかったですし、イケる雰囲気はありました」

――二川選手と良い関係性が垣間見えましたが。

「たぶん、フタさん(二川)は誰とでも合うと思いますよ。うまいので。その人、その人に合わせてくれますし、相当やり易いです。走れば必ずボールも出てくるので、本当にすごい人です。相当、巧いです」

――繋ぐスタイルのヴェルディにとって、二川選手のプレースタイルはフィットしていますね。

「そうですね。ああいうボールを持ててミスが少ない選手が真ん中に入れくれることで、僕や澤井も、ワンクッションを置いてくれるので、今まで走るだけだったところでボールに触ってリズムに乗れますし、中心になってくれているので、チームとしてプラスしかないです」

――試合勘のない部分もありましたが、コンディション的にはまずまずだったのではないでしょうか?

「先週に復帰してから初めての練習試合に出て、今週の試合でしたが、復帰して初のスタメンで90分間できたのは、良かったと思います。ただ、精度やゴール前での崩し、いつもだったら下を向いていても見えるところが見えないとか、自分の中での感覚的なものは戻ってないので、やっていくうちに戻していきたいです。まだまだ上げていかないとダメです」

 

 

【試合後選手コメント:FW 18 高木大輔選手】

――試合を振り返ってください。

「全体を振り返ると、全然良くなかったですし、僕らが目指している部分ではなかったです。ただ、今の僕らがやらなければいけない部分だと思いますし、この順位であったり、上位に対しては、本当に立ち向かう姿勢や、相手より走るなど、当たり前のことを当たり前にやることが結果に繋がっていくと思います。夏はどのチームもキツいですし、みんながどれだけ頑張れるかなので、そういう意味で今日はチーム全体で戦って勝てたことは収穫だと思います」

――緊急投入でしたが、試合への入りという部分はいかがでしたか?

「正直、身体が一旦、休んだ状態だったので、ほとんど身体が動いていなくて、試合を戦っていく中で状態を上げていこうと思っていました。その中でチームに点が入り、自分の中でも少し落ち着けた感じでした。ただ、もっと前半と後半のキツい時間帯に、前線でタメを作れるプレーができれば、チームとして良かったというか、チームを助けるプレーの1つになるので、そこはもっと頑張りたいと思います」

――前節の北九州戦と同じような展開で耐え切れた要因をどう考えていますか?

「押し込まれた中でも椋大君が身体を張って止めてくれた部分や、チーム全体で身体を当てていたからこそ2点目を決められずに済んだのかなと思います。イバ君のゴールシーンも今週の練習でもっとニアを取っていこうという部分で僕とウェズレイが潰れた先にイバ君がいたので、それが点に繋がりました。前半に潮音とドウグラスの2人がケガで交代してしまいましたが、短い時間でしたが2人の貢献もありました。そうやってチーム全体で戦って勝てたことは、本当に大きな収穫です。これにプラスして内容が伴っていけば、僕たちはもっと上に行けると思います」

――初先発の二川選手が結果を出したことはチームにとっても大きいですね。

「タイプ的に人に生かされるというよりも生かすタイプの選手なので、本当に数多くの経験をしている選手なので、逆に僕らがフタさんのプレーに馴染んでいくというか、フタさんの色に染まっていく形が必要ですね。今日も1本、ちょっと合わなかったですが、良いスルーパスをもらえたので、そういうところを僕たちが合わせていくことで間違いなくゴールに繋がっていくので、これからもっと色んなことを聞いて、色んなことを話していきたいです」

――二川選手にボールが入ると、周りの選手が積極的に動き出す場面が目立っていますが。

「僕は一番生かしてもらえそうなタイプなので、そういう面でフタさんの加入は僕自身嬉しいことですし、もっともっと良いコミュニケーションを取れば、色んなポジションの選手が得点を取れると思うので、もっともっと良くなると思います。それにできることもどんどん増えていくと思います」

――次節の長崎戦で連勝できるか否かはシーズンのターニングポイントになりそうですね。

「連勝することも大事ですが、負けないことも大事です。去年はここからの連戦で3連勝して、5連勝した良いイメージもありますし、そういうイメージを持ってしっかりと戦っていきたいです。今日のような戦い方をベースに、もっと戦う姿勢を見せていき、もっと内容の伴ったゲームができれば、僕らはもっと上に行けると思います」

 

 

【試合後選手コメント:MF 8 中後雅喜選手】

――前半に冨樫監督とピッチサイドで長い話し合いをしていましたが。

「あの時間は相手がボールを持っていましたし、プレッシャーもかからなかったので、ちょっとフォーメーションであったり、練習から準備しているものもあったので、ピッチ内ではこういうふうに感じていると伝えました。監督が決めることですが、システム変更の可能性があるなら伝えてほしいと言いました。中にいる印象というか、あそこでは1点取ることもできましたが、点を取れていなければ、難しい展開だったので、自分の中で思ったことを伝えました」

――PKは狙い通りでしたか?

「決められたので、良かったです。一応、キーパーの動きも見ていますが、今日は動くのが早くて逆を取ることができました」

――二川選手が初先発で結果を残したことは大きいですね。

「そうですね。元々、それぐらいの選手ですし、経験も能力もありますし。ただ、僕らの中でこのヴェルディというクラブで結果を出すというか、アシストもしましたし、攻撃でも良いプレーをしてくれたので、一気に信頼が高まり、グループに入ってきてくれたと感じています。若い選手も良い刺激になりますし、逆に善朗とかは出場停止で今日は出番がなかったですが、南とかも含めて良い刺激になったと思います。色んな選手が学びながら競争していき、この夏場にどんどん今日のように勝っていきたいです。内容はともかく、今日は結果で応えろとサポーターからの意見も出ていましたし、結果を出すこと、内容も大事ですが、今は結果を必要としているので。今は1試合差でどんどん順位も変わっていっているので、ここで踏ん張って上に付いていきたいです。下を見る必要はないので、しっかりと勝って上に付いていき、あくまでもJ1を目指せる可能性もあるので、しっかりと結果を残していきたいです」

 

 

【試合後監督コメント: 冨樫剛一監督】

――試合を振り返ってください。

「折り返し1つ目の試合というか、自分たちが6試合を1クールにしている中で、今節に自分たちがどれぐらいのものを取っていくかという中で、強い岡山に対して、本当に選手たちは、相手のウイークを突く、我慢強いプレーをしていく。そして、スタッフも素晴らしい分析をしてくれた中で、ケガ人が2人早い時間帯に出てしまいましたが、本当によく戦ってくれました。また、戦術的な変更、システムの変更があった中で、その都度ピッチの中で選手たちが本当に前向きに自分たちがしっかりと戦える意見の交換もあり、それをまたピッチの外の自分たちとのやり取りの中で、チームが1つになって戦えたことが、最後の90分まで続いたのではないかと思っています。もちろん、ピンチもたくさんありましたし、バーに助けられた部分もありましたが、この勝ち点3というものは、サポーターも欲していたと思いますし、自分たちも欲しかった勝ち点3なので、いまはすごく選手たちと共にこの勝ち点3を次に生かせるように、という気持ちになっています」

――同点に追いつかれて押し込まれた時間に3バックへの変更を指示しましたが、その狙いを教えてください。

「前半は4-2-3-1の形でスタートしましたが、なかなか2列目の3人の幅で相手のビルドアップを捕らえることができなかったので、どのタイミングで4-1-4-1に変えて4人の幅で守備をしていこうかという部分で、後半の頭から4-1-4-1でスタートしました。しかし、なかなかピッチでハマりきらないところ、また、自分たちがなかなかボールを奪えないところで、セカンドボールの拾い合いになると思い、ミラーゲームにして人にしっかりとマークを付けて、多少クロスを上げられても中のところで跳ね返す。または、セカンドボールを拾い、カウンターに出たところで、自分たちが同数になっているので、そこからの走力で追い越していく形を取れれば、2点目が何とか自分たちのものになると思ったところで、途中からミラーゲームを選択しました」

――トップ下の二川選手と左サイドの南選手と新しい選手を2列目に起用した意図を教えてください。

「彼らに求めているのは、多少のプレッシャーや多少の空間の狭さであったりという部分で、しっかりと敵方向にプレーを選択していくこと。また、パスを受けて出すだけでなく、自分で相手の背後やペナルティエリアの中に侵入していくことを求めて出しました。実際、澤井を含めて4-2-3-1の3人の流動性で、自分たちが前半なんかは相手のプレッシャーをものともせず、ボールを動かすことができたと思っています。やはり、二川のファーストタッチからの次のパスというのは、ボールが入るまでのイメージや景色という部分で、すごく優れていて、本当にレベルが高いとベンチから感じていました」

――二川選手のプレーを見ていてボランチでもすごく良いプレーができそうな印象ですが。

「彼はもちろんボランチもできますし、サイドハーフからも良いボールが出せると思っています。自分たちは彼の良さをチームのストロングにしていきたいですし、そのストロングを生かす動き。ドウグラスであったり、大輔であったり、杉本、渡辺皓太、もうすぐアランも戻ってきます。そして、北脇もいます。彼のパスの出どころとしてのイメージをしっかりと受け手も共有し、トレーニングの中から共有してゴールに結びつけられるようになっていきたいです」

――二川選手は非常に高いモチベーションでチームをけん引してくれるイメージもありますが。

「彼は覚悟を持って自分たちのところに来たと思います。また、本来であれば、ガンバで選手生活を終える形が、ああいう選手には良いと思いますが、その中でヴェルディで力を出して、自分もしっかりと戦っていきたいという部分が、トレーニングから表れています。自分たちが当初から持っている選手も良い刺激になっていますし、もちろん二川もここでしっかりとポジションを確保するための努力をしてくれると思います。それに刺激されてもっとチームが良くなるという自信はあります」

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