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MATCH試合情報

2017 明治安田生命J2リーグ 第4節 - レノファ山口FC vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

ホーム連戦で連勝して開幕戦以来となるアウェイゲームに臨んだヴェルディ。今節は、前節の大勝の勢いを生かしながら、今シーズンアウェイ初勝利を狙う一戦となった。布陣は前節と変わらず、3試合続けて同じ選手と配置を選択。サブには、シーズンオフ中の手術で出遅れていた田村直也が復帰した。

 

序盤から積極的な姿勢を見せたのは、ホームで今シーズン初勝利を挙げたいレノファ山口FCだった。細かくパスをつないでリズムを作り、サイドのスペースに素早くボールを入れて仕掛けてくる。奪ったボールが前線で収まらないヴェルディは、背走する形でボールを追う場面が見られた。6分には最初の大きなピンチを招く。左サイドからカウンターを繰り出されると、相手FWの仕掛けを井林章選手が止められず、ペナルティエリア内に侵入される。しかし、1対1の局面で柴崎貴広が身体を寄せてシュートをブロック。頼れる守護神が背後からチームを盛り立てると、徐々にボールが動き始め、出足の鋭い相手を上手くいなしながら反撃の機会を窺う。最初のチャンスは18分、左サイドで前から連動したプレスをかけて相手のボールを奪うと、安在和樹が浮き球のクロスを入れる。ファーサイドでアランが競り合うと、後方からサポートに入った高木大輔の元にボールがこぼれた。これを高木大とアランがワンツーでつなぐと、ワンツーリターンを受けた高木大がバイタルエリアでフリーに。しかし、左足を振り抜いたシュートはゴールの上へ逸れた。直後の19分、同じような形でチャンスを作ると、それが先制点につながる。またも左サイドで崩すと、安在が今度は低いクロスをニアに入れる。ドウグラスが飛び込んで相手にクリアされたものの、コーナーキックを得ると、高木善朗の蹴ったボールをアランがニアで頭ですらし、ファーサイドに流れたところを井林が飛び込んで足の裏で押し込んで均衡を破る。その後は、ボールを持てる場面ではマイボールを保持して、無理をして攻め切らずにじっくりと攻め手を探る内容で相手をいなし、守備ではバイタルエリアに砦を築いてシュートコースを与えずに1点をリードして前半を折り返す。

 

相手をいなし、暑さの中で消耗させて追加点を狙いにいった後半。ここ2試合で後半の立ち上がりに問題があったチームは、立ち上がりの部分で反撃に出たい相手よりも先手を取って攻めに出る。球際で厳しく寄せ、マイボールは素早く大きく動かしてゴールを目指す。ここで決定機を作れずにいると、徐々にペースは相手に傾いていく。ここでチームは割り切って守備の際は人数を掛けてブロックを形成。両ワイドMFと3トップの両サイドも吸収してスペースを消し、なんとか横に揺さぶりながら隙を窺う相手にシュートすら打たせない粘り強い対応を見せた。我慢の時間を耐えると72分にチャンス到来。右サイドの深い位置でスローインのチャンスを得ると、高木大がロングスローをゴール前に供給する。辛うじて相手がクリアしたボールは左サイドへ流れ、ここに飛び込んでいた安在が勢いのまま左足を強振すると、ゴールの隅を捉えたボールは乾いた音とともにポストに弾き出された。ワンチャンスでゴールを陥れる飛び道具を見せたことで相手に焦りが出たのか、徐々に陣形が間延びして、スペースが生まれてくる。そこを上手く使ったのが高木大とアランだった。幾度となく右サイドからスペースを使ってアランが抜け出すと、79分に高木大と途中出場の梶川諒太が絡んでスペースを作り、アランが抜け出して右サイドからペナルティエリアに侵入する。ゴールライン際を突破しようとしたところで相手にファウルで倒され、終盤の大事な時間帯でPKを獲得。これをアランがきっちりゴール右隅に流し込んで、相手の反撃意欲を削ぐのに十分な追加点を手に入れた。

 

ここからは、無理をして前に出ずに試合をコントロールする試合巧者ぶりを見せる。相手に持たれる場面でも、スライドとマークの受け渡しをスムーズに行いながら、ボールホルダーに次から次へとマーカーが寄せていく。特に、厳しい対応を続けていた永田充の技術が光った。自陣ゴール前の密集でボールを奪うと、カウンタープレーを仕掛ける相手を、ボールを浮かしていなしてみせる。かと思えば、簡単にクリアせずに相手をドリブルでかわして局面を打開するなど、周囲の状況を見ながら冷静沈着なプレーで守備を牽引した。

 

このまま危なげなく2-0でタイムアップ。昨シーズンはわずか2勝に終わったアウェイの地で、早くも勝利を挙げて3連勝を達成した。これが勢いではなく、自分たちの成長の証、そして“ロティーナスタイル”の浸透の証であることを示すために、次節ではホームに戻ってFC岐阜を迎え撃つ。

 

 

【試合後選手コメント:DF 3 井林章】

――まずは先制点の場面を振り返ってください。

「練習からセットプレーは、トリックプレーを取り組んでいたので、あれはキッカーのヨシアキやすらしてくれたアランを褒めるべきかなと思います」

――こぼれたボールも角度が厳しく、上手く押し込めたのでは?

「まあ、当てるだけなので(笑)。そこは自分に責任のある場面だったので、触りさえすればオッケーでした」

――今日の試合は、今シーズンで一番押し込まれる時間が長く感じました。

「もともと相手はボールを持つのが上手なチームなので、それはある程度覚悟しながら、その中でも一番大事なところ、ゴール前というのを固めていたので、最後の最後で守り切れたのかなと思います」

――記者会見でロティーナ監督は、「守備でミスがなかったことが勝利の要因」と言っていました。それを受けて、どう感じますか?

「最近の試合は、皆がそれを意識していて、スライディングして入れ替わるのはよくないし、一発でいって入れ替わるのもよくないし、一人ひとりの守備のミスをいかになくすかを上手くできれば失点にはつながらないので、結果としてゼロになったのは、それができていたのかなと思います」

――2試合連続ゴール。しかも、どちらも頭ではありませんでした。

「そういうこともあるので。偶然は重なるものなので(笑)。まあ、また来たら足であれ、頭であれば決めるだけなので」

――次節のFC岐阜戦に向けて意気込みをお願いします。

「やることは変わらないので、毎週のトレーニングをしっかり積んで、連勝したことに満足しないで一戦必勝の気持ちで臨みたいと思います」

 

 

【試合後選手コメント:GK 1 柴崎貴広】

――序盤にいきなりピンチがあり、そこを柴崎選手が防いで流れがきたと思います。

「勢いを持ってくるのは分かっていたので、冷静に対応することができました。角度もないところだったし、最初に点をとられると厳しくなるので、まずは取られなくて良かったです」

――先に動かないようにした?

「危機管理という意味で、イバが止め切れないことも想定して準備をしていたので、焦らずに冷静に対応できました」

――球際では狙われていました。

「でも、楽しくできました。一枚はがせれば楽になるので。激しく来ていたので、危ない場面もありましたけど大丈夫です」

――4試合の中で一番押し込まれる時間が長かった?

「ボールを持たれていたけど、そんなに怖いという場面はなかったので。ゴール前でボールを動かされたり、ワンツーだったりトリッキーなプレーがありましたけど、そこまで。ディフェンスがしっかり良いポジショニングでプレーしていたので、それが守れた要因です。山口はこれから良くなると思うので、早い段階で戦えたのは良かったと思います」

――次節はホームにFC岐阜を迎えます。

「今日の山口と同様に、あまり勝てていないチームですが、監督も代わって昨シーズンとは違うと思いますし、今日は喜んでまた明日から岐阜戦に備えて準備をしていきたいと思います」

 

 

【試合後選手コメント:FW 18 高木大輔】

――難しい展開だったと思います。

「疲れましたね。攻守において。攻撃にパワーを持って出て行けなかったので、そこはスカウティングされるだろうなと思いながらも、それでも何かをしたかったとは思いましたけど、守備は無失点で終われたし、自分のところからではなくても点は取れているので、チームとしてお色々なところで点がとれているのは強みなのかなと思います」

――高木大選手、アラン選手のところでもう少しで崩せそうな場面はありました。

「後半にアランがPKをとったシーンみたいな生かし方を前半からできれば良かったんですが、グラウンドが濡れていなかったりとか、上手くボールが動かなかったりだとか、相手のプレッシャーのかけ方だとか、自分たちのボールの回し方が良くなかった部分とか、そうしう要因から前半はアランを生かせませんでした。アランがPKをもらったシーンは、自分とカジ君が上手くワンツーできて、アランにスペースを作れたと思うので。あのシーンも、前が誰であっても、ドゥグとかアランが前線で身体を張ってくれているので、前向きでもっと思い切ったプレーをさせてあげたいと思いました」

――2試合続けて運動量は多かったですね。

「今日はそこまで攻撃でガンガン行っていたわけではないので、消化不良な部分が多いです。でも、ゼロで連勝できているのがすごく僕にとっても嬉しいことだし、チームにとっても嬉しいことだし、すべてのヴェルディに関わる人にとっても幸せな週末になっていると思うので、これを続けていきたいです。連勝は自分たち次第なので、それが続くことで目標や自分たちの立ち位置が明確に見えてくると思います。しっかりと休んで、またホームでしっかりと勝つ試合をしたいと思います」

 

【試合後選手コメント:MF 20 井上潮音】

――試合を振り返ってください。

「前半は、立ち上がりの時間帯からあまり良くなくて、それでもセットプレーから点がとれたというのはすごく大きかったと思うし、練習からやっていた形なので、それで点がとれるようになったのは非常に重要なことだと思います」

――90分の流れとしては、チームとしてやりたいことはできなかった?

「後半の立ち上がりは、2試合続けて良くなかったので、すごく皆集中して入れましたし、あの時間帯が一番良くて、でもだんだんと疲れてくる中でボールが回らなくなって相手の時間になってしまったので、あまり自分たちのサッカーができる時間は長くなかったですけど、セットプレーから点をとって勝ち切れるのは去年とは違うところかなと思います」

――今日はダブルボランチのところが狙われていましたね。

「4試合目なので、多少はそうなるかなと思っていたし、ここから先はその中で何ができるかだと思うので、自分も生きながら、周りが空いてくるので周りを使って上手くバランスを見ながらプレーしたいです」

――プロとして連勝は初めてだと思いますが、3連勝に伸びました。

「あまり意識していなかったですけど、あれだけサポーターが盛り上がっているのは初めてみたので、それで実感しました」

――次節はホームでFC岐阜戦です。

「山口と似たようなサッカーをしてくるかなという印象があるんですが、ホームであればあまり負ける気がしないというか、その自信がどこから来るかは分からないんですが(笑)、なぜか負ける気はしないです。それでもやっぱり、3連勝している中で気を引き締めて、チーム全体で次の試合にどう向かうかが大事なので、練習からまたやっていきたいです」

 

 

【試合後監督コメント:ミゲル アンヘル ロティーナ監督】

――試合を振り返ってください。

「とてもプレーする相手に勝つことができました。すごく集中して守備をしないといけませんでした。ディフェンスのエラーがなかったこと。それがキーポイントだったと思います。コーナーキックから先制できたことも大きかったです。後半もいくつかチャンスを作ることができましたし、アンカズの惜しいシュートもありました。この相手に勝利を収めるために、選手たちはものすごくハードワークをしました」

――これだけ我慢強く守れるヴェルディを見るのは久しぶりです。監督がこのチームに新しい文化を持ち込んだように、永田選手や内田選手が新しい文化を持ち込んでいると思います。彼らのプレーに対する評価をお願いします。

「まず僕たちはもっと攻撃をしてボールを持ちたかったんですが、相手の良いプレーで守備に回る時間が長くなりました。全体的にディフェンスのエラーがなかったことが重要です。その中で、ミツの経験は非常に重要だというのは事実です。ウッチーは今日もすごく良い守備をしていました。でも、彼はボールを持っても良いプレーをすることができます。そのふたりだけでなく、キーパーのシバだったり、残りのセンターバック、もしくは前の3枚というのはディフェンス面ですごく良い働きをしてくれました。それによって後ろのスペースを相手に与えなくてすみました」

――これだけ守備の時間が長くなるとイメージしていましたか?

「想定していませんでした。相手のプレスが早くて簡単にボールを失ってしまった。それによって守備の時間が思っていた以上に長くなりました」

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