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MATCH試合情報

2017 明治安田生命J2リーグ 第26節 - ツエーゲン金沢 vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

前節、ラストワンプレーで失点して敗れたヴェルディ。5試合勝利がない状況で11位まで後退し、アウェー連戦で金沢の地に乗り込んだ。ゴールを奪いながらも失点が止まらない流れが続く中、この試合は前節と同じ顔触れでスタメンを組んだ。敵地で遭遇した難関は、猛暑と高湿度の非常にタフな環境だった。拠点とする東京がやや涼しい日が続いてこともあり、まずは金沢の環境とのギャップにいかに順応するかが問われる。その中で、ヴェルディは序盤から高い位置でのプレスを仕掛け、体力をコントロールするのではなく、あくまで自分たちのスタイルを押し出す姿勢を見せた。

 

前からのプレスは、序盤こそなかなかはまらずにボールを奪い切るところまでは至らないが、徐々に相手のミスを誘って、ショートカウンターで活路を見出す。17分、起点となったカルロスのスルーパスにアランが抜け出して強烈なシュートを放つも、これは相手GKの好セーブに阻まれる。ここから一気に畳み掛けたいところだが、この日はペースを完全に握ることができない。ボールは保持するものの、有効なフィニッシュにつなげられずに時間が過ぎていく。40分には最終ラインのギャップを突かれてフリーで抜け出されるピンチを招くが、思い切りよく飛び出した柴崎貴広が身体を投げ出してプレッシャーをかけ、相手のループ気味のシュートはゴールから逸れた。お互いにミスからマイボールをすぐに失う展開で、どっちつかずの内容のまま前半を終えた。

 

攻守におけるポイントを整理して臨んだ後半だが、前半ローペースだった相手が突如としてペースアップする。前からボールにチェイスし、ヴェルディが中盤を経由してボールを動かそうとするところを狙い、ミスを誘ってボールを奪ってショートカウンターを仕掛けてくる。ヴェルディは奪った直後のボールを再びすぐに失う悪循環にはまり、なかなか反撃に出ることができない。それを尻目に、金沢は猛攻を仕掛けてヴェルディゴールに迫った。50分にはゴール前で密集の中を強引に押し込まれ、61分には柴崎が飛び出してボールを弾いたボールを拾われ無人のゴールへのシュートを井林章が辛うじてゴールカバーでクリアする絶体絶命のピンチを招く。ズルズルと陣形が下がっていくと、プレスが緩くなったところを突かれ、69分には柴崎の手から離れていくアウトスイングのミドルシュートを打たれる。どれも柴崎や守備陣の粘り強い対応で瀬戸際で凌ぐ。反撃の機会はなかなか作り出せないが、途中出場の選手たちのコンビネーションから惜しい場面は作った。78分、ドウグラスのポストプレーから、中央に絞ってボールに絡んだ高木大輔が、おとされたボールを思い切りよく叩いて鋭いシュートを放ったが、相手GKのファインセーブに阻まれた。オープンな展開になった終盤も、ヴェルディは有効な攻め手を見出せず、逆にアディショナルタイムには相手に立て続けにチャンスを作られ、それでもなんとかしのぎ切ってドローで試合を終えた。

 

前節は内容の部分で上回りながらもラストワンプレーに泣いたが、この日は内容の部分で相手に主導権を奪われながらも、なんとか勝ち点1を拾う形になった。この勝ち点1の価値を高められるか、それともこのまま足踏みを余儀なくされるのか。その行方は、次節の戦いと結果に懸っている。

 

 

【試合後選手コメント:MF 8 中後雅喜】

――後半はかなり厳しい展開になりました。ボールを奪ってもすぐに失ってしまう。

「実際、僕のところに前半からきていた部分もあったし、前線にカルロスで収められた部分もあったので、あそこでシンプルにアランも善朗もおさめていたし有効かなと思っていたんですが、フリック気味にとかディフェンスラインとボランチの間に落とすボールを入れてそこでキープすることを狙っていました。ですが、相手もそこを修正してきていました」

――途中で中盤を3人にした際、アンカーは内田選手ですか?その後4-4-2という形になりました。

「そうですね。しっかり中を締めて守備を固めて、守備の部分での対応ですね。あのような展開で失点するともったいないですし、実際に最後はピンチは多かったですが、守って一発というチャンスも狙っていました。前半戦は苦しい展開でも守って最後に1点とってということもあったので、今日もそういう展開にできればよかったですが、なかなか上手くいかなかったです。ただ、ピンチがありながら相手に助けられた部分がありましたけど、久しぶりにゼロで終われたので、それだけは良かったかなと思います」

――セットプレーで中後選手が身体を張っていなければ危ない場面もありました。

「あのようなプレーも大事だし、最近はセットプレーでやられていたところもあったので、修正しながらやっていくことが大事ですね」

 

【試合後監督コメント:ミゲル アンヘル ロティーナ監督】

――試合を振り返ってください。

「前半は拮抗した試合だったと思います。あまり決定機は作れませんでしたが、僕たちも良いプレーができていました。後半は金沢が優勢に進めたと思います。明らかに試合を支配していました。そうした流れを変えるために選手を変えて、システムを変えました。すごく押されていたんですが、(選手とシステムの)変更で流れを変えることができて、相手は終了間際にチャンスを作っていましたが、後半の終盤は拮抗した試合に持っていくことができました。金沢がとても良い試合をしたと思います」

――後半、奪ったボールをすぐに失ってなかなかリズムがとれなかったのは、選手のカウンターの意識が強過ぎたのですか?

「なぜか分からないのですが、それは攻撃が上手くいかなくなった一番の理由だと思います。金沢の狙いでもあったのですが、プレッシャーがとても強くて、そこでボールを失い過ぎました。サッカーでは、相手が良いサッカーをしたというのを知ることも必要です。今日は、その日だったと思います」

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