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2017 明治安田生命J2リーグ 第34節 - 名古屋グランパス vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

上位陣との直接対決が4試合続く非常に重要な9月も最後の大一番、名古屋グランパスとの一戦となった。ここまで千葉に引き分け、松本に敗れ、横浜FCと引き分けて勝ち点2という結果のヴェルディ。足踏みが続いたこの3試合から巻き返すために、アウェイゲームとはいえ必勝が求められる。そこでメンバー構成に変更が入った。足に違和感がある安在和樹は大事を取って欠場し、左サイドバックには田村直也を配置し、右サイドバックに安西幸輝を下げた。安西が抜けた3トップの右にはカルロスを起用した。

 

序盤から名古屋がボールを持つ展開。これまでと同じように前線からのプレスでボール奪取を狙うヴェルディだが、相手の連動したパスワークを分断できず、いなされて自陣に押し込まれる。ボール奪取後は前線に早めに入れて時間を作りたいが、ドウグラス、カルロス、アランには厳しいマークがついて自由にボールをコントロールさせてもらえず、逆にカウンターで押し込まれる。15分のガブリエルのミドルシュートを皮切りに、次から次へと飛び出してくる相手の選手をつかまえるのに苦しみ、バイタルエリアに危険なボールを入れられる場面が続くが、守備陣が最後の部分で身体を張ってゴールは割らせない。その頑張りは、セットプレーで脆くも崩れる。17分、コーナーキックをニアに作ったスペースで合わされて失点。23分にはガブリエルのフリーキックがポストに当たるピンチ。その流れで迎えたコーナーキックで、1失点目とほとんど変わらない形で、ニアで合わされてあっという間に2点のビハインドを負った。序盤から攻撃の組み立てが上手くいかない上にビハインドを負ったことで、ヴェルディのサッカーはさらに歯車のズレが目立つ。深い位置までボールを持ち込んでも、サイドからのクロスがなかなかピンポイントで合わず、リードを縮められないまま前半を終えた。

 

前半の修正を細かく伝えたロティーナ監督。コーチングスタッフはここからの巻き返しに向けて、「まず1点を返そう。そうすれば、そこから試合を動かせる」と、前向きな言葉で選手たちをピッチに送り出した。一度重い雰囲気をリセットしたチームは、後半の立ち上がりから前への圧力を高めた。名古屋がやや息切れ気味で中盤にスペースができると、渡辺皓太が前を向いてスペースを使い、ようやく攻撃の組み立てが始まる。49分には、浅い位置でボールを奪った渡辺がドリブルで相手選手をかわしながらバイタルエリアに侵入する。FW陣がスペースに流れる動きをしてマークを引き出すと、渡辺が思い切りよく右足を振り抜いた。シュートはわずかに枠を捉え切れなかったが、ルーキーが反撃の姿勢をプレーで示すと、周囲が引っ張られてチーム全体が前への圧力を強める。その2分後には、コーナーキックをアランが頭で合わせ、相手GKがこぼしたボールにドウグラスが詰めるが、ゴールからわずかに逸れた。そして55分、ようやくゴールをこじ開ける。右サイドからのクロスボールがファーサイドに流れると、これを左サイドバックに回っていた安西が拾う。右足に持ち替えて縦ではなく中央に切れ込みながら、安西がシュート性のクロスをゴール前に入れると、ドウグラスが頭で合わせてゴール右隅に流し込んで1点を返す。勢い付くヴェルディは、64分には、カルロスがペナルティエリア際のところで倒されてフリーキックを得ると、これをカルロス自身が直接狙う。壁に当たってコースが変わったが、相手GKが反応よく腕を伸ばしてゴールからかき出された。その後はややオープンな展開になりながらも、リスクを負って前に出たヴェルディが相手を押し込む展開に。なんとか同点ゴールを導きたかったが、試合は思惑とは反対の方向へ。76分、ペナルティエリア内で危険な位置で縦パスを通させると、小林のシュートを一度はブロックしたものの、リフレクションが不運にも小林の足元に戻り、フリーでゴールに流し込まれてリードを広げられる。心身ともにダメージを負いながら、なおも前に出たヴェルディだが、85分にはカウンター気味に豪快なミドルシュートを叩き込まれて万事休す。

 

過酷な4連戦は未勝利に終わり、残り8試合という終盤戦に突入することになった。幸いにも次節からはホームゲームが2試合続く。ホームアドバンテージを最大限に生かし、FC町田ゼルビア、モンテディオ山形とのホーム連戦で、プレーオフ圏内に戻るべく流れを取り戻したい。

 

 

【試合後選手コメント:MF 33 渡辺皓太】

――前半はプレスがはまらない厳しい展開でした。

「ボールを奪えなかったですけど、最後の部分は守れていたので、そこでセットプレーで2点とられたことで相手に余裕を与えてしまいました。セットプレーは本当に大事だと痛感しました。我慢できて、0-0で後半にいっていれば、まだ分からなかったと思います」

――後半に入って、ボールを持てるようになりました。その要因は?

「単純に相手が落ちて、中盤にスペースが空いて、自分も受けられるようになったことです。でも、最後のところですね。そこで相手のほうが上手かったです。ゴール前の最後の崩しは、相手は連動していて、僕たちはサイドで個人という場面が多かった。もう少し、近くでプレーできればよかったです」

――ここ8試合で改善すべき点は?

「上手くいっていない時に、後ろと前で全員が同じ考えを持てれば。今はいかないとか、前だけが行ってしまっても上手くいかないので。全員のビジョンを合わせていきたいです」

――次はプロ初ゴールを決めた相手です。

「苦手なイメージはありません。ここで連敗はできないですし、次勝てれば、まだその先に上がっていけると思うので」

――チーム全体の雰囲気は?

「頭を下げていませんし、修正点は多いですが、前向きに取り組んで調子を上げて行けると思います」

 

 

【試合後監督コメント:ミゲル アンヘル ロティーナ監督】

――試合を振り返ってください。

「前半は良くなかったです。しかもコーナーキックから2点決められてしまいました。今シーズン、コーナーキックから2点を決められたのは初めてです。後半はチャンスが作れて1-2にして、そこからチャンスを作れて同点にできるという感触もありました。リスクを冒して攻めたのですが、彼らが3点目を決めてそこで試合が終わりました。全体的に振り返ると、彼らが優位にプレーをして、勝利に値するプレーをしたと思います」

――前半は中のパスを通されて後手に回っていたが、プレスがきかなかった原因は?

「僕たちはまず前線からプレッシャーをかけにいくチームです。敵陣からプレスをかけにいきたかったのですが、それを名古屋が上回ったと思います。後半はよりフレッシュに前線からプレスをかけて、より前線からボールを奪うことができたと思います」

――2点あります。1点目は、警戒していたガブリエル選手の対策だったのか、安西選手と田村選手のスタートのポジションを決めたのか。9月の4試合で勝ち点1ということのダメージは?

「直也のポジションチェンジというのは、44番を止めるためではありません。カルロスが中に入ったところで幸輝が上がるという形を狙ってスタートしました。幸輝は少しミスが多かったので、ベンチに近いサイドでプレーしてもらって、少し修正しながらプレーさせようという狙いでした。後半はまた戻して、幸輝の前にカルロスを置いて、幸輝がスペースを使うというプランでした。連勝してこの難しい4連戦に入ることができて、その中でも千葉と横浜FCを相手にはとても良いプレーができたのですが、この4連戦が難しくなるというのは分かっていました。ただ、最後まで上を目指して戦うということに関しては、我々は誰も疑っていません」

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