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MATCH試合情報

2017 明治安田生命J2リーグ 第36節 - 東京ヴェルディ vs モンテディオ山形

マッチレポート

【試合展開】

4試合勝利がなかった9月から一転、仕切り直しの10月は、前節のFC町田ゼルビア戦に3-1で勝利して流れを引き戻した。プレーオフ圏内の争いもチームが絞られつつある中で、生き残るために絶対に負けられない一戦をものにして手に入れた自信は大きい。ホーム連戦となる今節は、その自信を支えに連勝のみが求められる一戦となった。メンバー構成は前節と変わらず、3-4-3の並びでキックオフを迎えた。

 

最初に決定機を迎えたのはヴェルディだった。左サイドを安西幸輝が突破し、ゴール前でマイナスのクロスを供給。相手GKが一度はじくと、こぼれ球はフリーのアランのもとへ。押し込むだけの状態で左足でワンタッチで合わせたが、ボールはゴールの上へと逸れた。流れは完全にヴェルディかと思われたが、ここからモンテディオ山形の前線からのハイプレスがはまってヴェルディを苦しませる。最終ラインから徹底してつなぐビルドアップは寸断され、中距離のパスもすべて回収されて重厚な攻撃を受ける時間が続く。完全に崩されずにすんでいたが、9分にはブレ球ミドルシュートでゴールを脅かされる。苦しい時間帯は30分近くまでひたすら続いたが、ここでロティーナ監督が動く。両サイドの選手をスイッチさせると、4-3-3へとシステムチェンジ。すると、これが功を奏してジワジワと押し返していく。そして37分、右FWへとポジションを代えていた安西が中央に切り込みながらシュートを放つと、相手GKがこぼしたボールをアランが詰めて、劣勢の中で先制点を手に入れる。システムを代えた効果は変わらず、その後もヴェルディがボールを保持する時間が増えていく。しかし、前半終了直前の43分にコーナーキックからニアで競った安西の頭にボールが当たってゴールイン。不運な形で追いつかれて前半を折り返した。

 

「失点の場面はどうしようもない形。前半のことは忘れよう。相手にリードされてもおかしくない展開で、先制もすることができた。大事のはここからの45分だ!」。そう選手たちに発破をかけたロティーナ監督。その期待通り、チームは前半の苦戦が嘘のように躍動した。前線からのプレス、中盤でのダイレクトプレー、スペースを突く速攻。何度となくアタッキングサードにボールを運びながら、53分にようやく山形の堅守をこじ開けた。右サイドの浅い位置でボールを受けた井林章は、ルックアップしてゴール前にアーリークロスを入れる。このボールにドウグラスが飛び込み、相手GKが飛び出したところを視界に捉えながら、先に頭でボールを叩いて無人のゴールに勝ち越し弾を流し込んだ。その後も攻守に連動したヴェルディが主導権を握り、幾度となくチャンスを作り出す。63分には、中盤で内田達也が相手ボールを奪ってドウグラスにつける。ボール奪取の勢いのままスペースへ飛び出した内田が相手を釣って作り出したスペースを、ドウグラスが斜めにドリブルしながら横断し、そのままペナルティエリアに侵入。相手GKの前でゴール左隅に豪快に流し込んで相手を突き放す追加点を奪った。その後も攻め手を緩めないヴェルディは、73分にもドウグラスがドリブルでペナルティエリアに侵入するチャンス。これは枠を捉え切れなかったが、終盤に入っても攻守に連動して山形を押し込んだ。アディショナルタイムも3分を経過した終了間際には、ゴール目前で頭で押し込まれるピンチを迎えたが、柴崎貴広が難しい体勢ながら鋭い反応でボールをかき出して追撃を許さず。2試合続けて3-1での勝利を得た。

 

ホーム連戦で連勝し、9月に積もらせた鬱憤を晴らしたヴェルディ。今度はアウェイでの連戦が待ち受けている。残り6試合。一つも負けられない状況は常に変わらない。先を見ずに、一つひとつ、目前の一戦での必勝を誓う。

 

 

【試合後選手コメント:FW 9 ドウグラス・ヴィエイラ選手】

――先制点を振り返ってください。

「いつも練習でやっている形なのでクロスに対して、しっかりと準備ができていて、それを決めることができて良かったです」

――個人技で奪った2点目を振り返ってください。

「ウッチーから素晴らしいボールが来てうまくターンすることができ、そこからうまくディフェンスをかわしてキーパーが出てきたところを冷静に決められて良かったです」

――ゴール直後にはベンチのチームメートと共に喜びを爆発させていましたね。

「チームの輪がすごく重要だと思いますし、自分たちが良い仕事ができたことはチームワークの表れだと思います。残りの試合もしっかりとしたチームワークで一丸となって戦っていきたいです」

――後半はサイドでの1対1で自信を持った仕掛けが印象的でした。

「前半は自分たちにとって難しい試合でした。ただ、監督が後半に向けてチームに様々なアドバイスや変更を指示してくれました。そのお陰で、後半は自分たちが上手く相手を押し込み、自分のところにもたくさんスペースが生まれて良いプレーができたと思います」

――後半は渡辺選手を筆頭に前から守備に行く形が強調されていましたが。

「前半に関してはその形が足りていなかったと思います。少し下がり過ぎて押し込まれてしまいましたが、後半は皓太や中盤の選手が前に出てくれたことで前線の選手もプレーし易かったです」

――後半は相手を背負うだけでなく、ショートカウンターなどご自身が前向きにプレーすることで多くの選択肢がありましたね。

「皓太やヨシが後半出てきてくれたことで、もう1つ前のスペースを自分が使うことができ、前を向いて仕掛けられるシーンが増えました。それはすごく良かったと思います」

――苦しい時間帯を耐えてそこから試合をひっくり返す強さが戻ってきましたね。

「非常にチームとしても成長していると思います。シーズン初めから現在に至るまで着実に力を付けてきていると思います。これを継続すると共に普段のトレーニングから個人、チームとして成長できるようにトライして、残り6試合すべてを勝てるように戦いたいです」

――残り6試合に向けた意気込みを聞かせてください。

「自分たちの目標に向かってホームゲームでもアウェイゲームでも今の良い形を続けていき、1試合1試合大切に戦っていきたいと思っています」

 

 

【試合後選手コメント:MF 10 高木善朗選手】

――試合を振り返ってください。

「相手の方がうまくいっている時間もありましたが、個人的にはそこを耐えられればいいと思っていました。その後、耐えて先制点を獲れたことは良かったですが、できれば1-0で前半折り返せれば良かったです」

――前半30分過ぎにサイドの選手のポジションを入れ替えた中、ウィングバックとウイングのユニットで入れ替えを行った狙いを教えてください。

「元々、距離感の近い選手を一緒に移動させました。サイドが変わってもやる形に変更はなかったですし、フォーメーションも少し変わったので、プレッシャーをかけ易くなり、そこから先制点が取れました」

――立ち上がりは佐藤優平選手を始め、相手の中盤の選手をなかなか捕まえきれませんでした。

「内側を締めながらやっていたので、ある程度外を使われてしまうことはしょうがないことでしたが、佐藤優平さんや相手のボランチの31番(安西海斗選手)にボールを持たれる時間が長く、少し苦しみましたが、あれはある程度想定していました。自分たちの時間が来た時にしっかりと点を奪えれば、という感覚でやっていました」

――後半はハーフタイムの修正で立ち上がりからアグレッシブにプレーできましたね。

「ハーフタイムに言われた修正を選手たちがしっかりと実行できましたし、前に勢いを持てたことで相手を押し込む時間が増えました」

――後半は中盤の存在感がかなり増しましたね。

「皓太であったり、僕、ウッチーのパス交換が増えて、そこから上手くリズムを作れたと思います」

――前節の町田戦に比べてリードした状況で上手く試合を落ち着けられた印象ですが。

「そこをどう上手くコントロールできるかが大事だと思っていましたし、2点差は一番危ないと思っていたので、個人としてはすぐに交代になりましたが、全体で上手く守れていたと思います」

 

 

【試合後選手コメント:DF 3 井林章選手】

――試合を振り返ってください。

「前半は特に大変でした。全体的にボールの獲りどころがなく、相手に押し込まれる状況がずっと続きました。システムが変わって相手の左からのパスの供給源が少し遮断できたことが大きかったです」

――攻撃の面でも立ち上がりはビルドアップで苦戦しましたが。

「相手が圧力をかけてきていたので、なかなか良い形で繋げず、個人で打開するシーンもあまりなかったです。本当に難しかったです」

――右サイドバックに移ってから最も意識した部分を教えてください。

「幸輝の位置を下げないようにしないと、相手の左の高木選手がどんどん上がってきてしまうので、自分はそこを抑えたいと思っていたので、後ろから幸輝のポジショニングに関してずっと指示を出していました」

――勝ち越しゴールの場面では嫌らしいスペースへのクロスでゴールをアシストしましたが。

「あれはキーパーのミスですね。僕の狙いどうこうというよりも、あれはキーパーがよく前に出てくれたという感じです。あのクロスはたまたまです。蹴る瞬間に少し前に出そうだなという感覚はあったので、スペースに出してキャッチされることだけを避けようと思ったら、それが良い形に繋がりました」

――後半はシュートを打たれたものの、コースの限定はできていた印象ですが。

「真ん中に人数をかけられていたので、押し込まれても一番危険な真ん中のエリアに人がいたので、それが結果的に失点を許さないことに繋がったと思います」

――試合終了間際には柴崎選手の2本のビッグセーブに救われた部分もありました。

「あそこはコミュニケーションの問題とかがあったと思うので、クロスや1対1の対応の部分でいかに数的優位を作って相手の優位な状況を作らせないかは、コミュニケーション次第なので、あそこは修正すべき点です」

――前半は1-1のイーブンで御の字という感覚でしたか?

「そうですね。先制点を獲れたのは本当にラッキーでしたし、1失点で収まったことが大きかったと思います」

――相手の時間帯に耐えて自分たちの時間にきっちりゴールを奪い切って勝ち切るという好循環が生まれていますね。

「勝つ時はいつもそういう感じなので、苦しい試合も耐えられれば自分たちの時間も来ますし、名古屋戦のように簡単に失点してしまうようだと試合にならないので、今後もこの形を続けていきたいです」

 

 

【試合後選手コメント:DF 2 安西幸輝選手】

――後半は短いパス交換からフィニッシュに絡む場面もありました。

「上手く距離感を保って上手く繋げました。何度かそういうシーンがあったので、それを決められるようにしていきたいです」

――ここ最近、好調を継続していますが。

「今は自信がありますし、同世代が活躍していると焦りもあります。今はヴェルディでJ1に上がることだけを考えてプレーオフに入れるように、やっていくしかないです。それに生え抜きの選手がしっかりと試合に出ていないとおかしいですし、その先頭に立てるように頑張っていきたいです」

――ゴールやアシストという数字にこだわっています。

「やっぱり数字を残せていると落ち着きますし、今日は獲れなかったですが、何シーンかアシストできる場面もあったので、とにかく切り替えて今後もう少し数字を残せるようにしたいです」

 

 

【試合後監督コメント: ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督】

――試合を振り返ってください。

「2つの異なる局面があった試合でした。最初の30分と60分。最初の30分は大きな問題がありました。プレスをかける時の問題、ボールを持つ時にも大きな問題がありました。相手に支配されました。その最初の30分で点を失わなかったことは大きな幸運でした。そこからシステムを変えてより拮抗した展開に持ち込み、最初のチャンスでゴールを獲ることができました。ただ、その後にアンラッキーな形で失点しました。それでも、同点でハーフタイムを迎えられたことは良かったと思います。後半はより良いプレーができました。相手がとても良いプレーをするチームということを差し置いても、彼らは内側からも外側からも良いプレーができる良いチームです。その相手に対して、前線の選手たちは効果的にディフェンスを行い、後ろの選手たちも集中力を保ってプレーすることができました。中盤もより存在感を増し、よりボールを持ってチャンスを作れました。とても良いチームに勝つことができて、とても満足しています」

――前半途中にサイドの選手のポジションを入れ替えるなど、システム変更の狙いを教えてください。

「まず相手にしっかりとプレッシャーをかけること。それによってボールを持つ時間が増えます。選手たちを助けたいという思いでした」

――試合途中の戦術変更を選手たちがきっちり機能させましたが、普段の非公開練習を通じてしっかりと戦術を落とし込めているという感覚でしょうか?

「そうです。毎日、自分たちの哲学に基づいたトレーニングを行っています。もちろん、システム、哲学、どのようにして攻撃をするか、どのように守備をするかという部分もトレーニングしています。このとても拮抗したリーグの中では、強いチームが勝つのではなく、良いプレーをしたチームが勝つと思います」

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