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MATCH試合情報

2018 明治安田生命J2リーグ 第20節 - 東京ヴェルディ vs 栃木SC

マッチレポート

result_w623.jpg【試合展開】

前節、京都サンガF.C.を相手に逆転勝利を挙げ、今シーズン初の連勝を果たしたヴェルディ。ホーム連戦となる今節は、栃木SCと3年ぶりの試合を迎えた。出場停止の田村直也の代わりに、前節後半から続いて井林章を右サイドバックに配置。平智広と畠中槙之輔がセンターバックのコンビを組んだ。また、U-19日本代表に招集されて不在の藤本寛也の代わりに、移籍後初スタメンとなる森俊介を右ウイングで起用した。

連勝中の勢いをつなげるために、序盤からフルスロットルでゴールに向かうヴェルディ。その姿勢が、序盤に思わぬ形で実を結んだ。3分、左サイドの深い位置まで奈良輪雄太が侵入してクロスボールを入れると、ペナルティエリア内ファーサイドで林陵平が頭でゴール前に落とす。このボールに渡辺皓太が飛び込むと相手GKがボールをこぼし、詰めていた佐藤優平がプッシュして立ち上がりにいきなり先制に成功する。5分には左サイドからのサイドチェンジに森が反応してゴール前に飛び込むが、相手DFがわずかに早く足を出してクリアした。それで得たコーナーキックを佐藤がゴール前に低い弾道で蹴り込むと、ニア、中央でクリアし切れなかったボールがファーサイドに流れ、相手DFとの駆け引きからマークをはがした平がヘディングで流し込んであっさりと追加点を挙げた。リード後もボールを保持し、リトリートする相手に対してバイタルエリアまで侵入してチャンスを創出。特に森の仕掛ける姿勢が際立ち、相手を背走させる。その積極性が31分に歓喜を呼ぶ。カウンター気味に攻め込むと、渡辺のパスを受けた森がゴールに向けてドリブルを開始する。相手は7人がペナルティエリア内に入り守備を固めていたが、その隙を縫って森がドリブルから左足でコースを突いたシュートをゴール左隅に流し込んで相手を突き放した。

思わぬ大差がついた前半だが、レノファ山口FC戦で2点をひっくり返された経験が、チームに途切れぬ集中力をもたらした。ハーフタイムに戦術的な指示を一通り終えたロティーナ監督は、「最後に、一番大事なことを伝える」と前置きし、「決してリラックスしないこと。前半のスコアは完全に忘れて、集中力を保って前半のパフォーマンスを続けるんだ」と熱っぽくまくしたて、チームの士気を高めて選手たちをピッチに送り出した。

指揮官が放った熱を帯びたチームは、立ち上がりから前に出た。52分には林陵が左サイドで粘ってからマイナスのクロスボールを入れると、飛び込んだ佐藤がワンタッチで強烈なシュートを放つが相手GKにセーブされる。直後には左サイドで奈良輪がクロスを入れると、ゴール前で相手に競り勝った林陵がコースを突いたヘディングシュートを放つが、これも相手GKに防がれた。この攻勢はチーム全体の好守の連動が大きなポイントになった。一次攻撃が終わっても、後方から中盤、最終ラインが連動して押し上がってセカンドボールを回収し、カウンタープレスからショートカウンターに打って出て相手を押し込んでいく。徐々に相手にボールを持たれる時間が増えて行ったが、自陣に押し込まれても連動した守備は集中力を欠かずに粘り強く対応し、4試合ぶりのクリーンシートで勝利を引き寄せた。

森の覚醒、4試合ぶりのクリーンシート、3連勝とチームとしての好循環に入ったヴェルディ。前半戦は残すところあと1試合と約30分。3連勝で満足できるほど、ヴェルディはリーグ戦の中で優位な立場にあるわけではない。慢心することなく、中3日で迎える約30分間のファジアーノ岡山戦、そして中2日で続く敵地でのカマタマーレ讃岐戦に、一戦必勝の姿勢で全力を賭して臨む。

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監督コメント

ミゲル アンヘル ロティーナ 監督

試合を振り返ってください。
最初の2点が大きく試合の流れを変えたと思います。ハーフタイムまではとても良いプレーができました。ボールを上手く動かして両サイドからゾーン3のエリアにたどり着くことができました。3点目も取れましたし、エリアに入ってチャンスを作ることができました。セカンドハーフは拮抗した展開でスタートしましたが、少しずつ相手が攻撃をする時間、こちらが守る時間が増えていきました。その中で良い守備ができました。エラーが少なく相手に前進させない守備ができたという印象です。

第10節の水戸戦以来となる無失点勝利でしたが、先ほど話したこと以外に無失点で抑えられた要因はありますか?
先ほども言いましたが、守備の場面で高い集中力を継続できたことやエラーが少なかったことが大きな要因だと思います。すべてのゴールは避けることができず、その中でゴールを許してしまうこともありますが、相手のプレーを難しくさせる、そういうプレーを続けられたことが良かったと思います。

藤本寛也選手が不在の中で森俊介選手を起用した理由と評価を聞かせてください。
シュンは良い試合をしたと思います。今日はゴール以外にも良いプレーをしていました。我々も満足しています。サイドで新たなオプションができました。シーズン序盤は我々のプレースタイルに順応するのに苦労していました。おそらく、今までプレーしてきたチームとやり方が異なっていたと思います。試合に出られない中でも高い意識でトレーニングを続け、その中で最近はトレーニングでも良いプレーをしていたので彼を選びました。

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選手コメント

MF 16佐藤 優平

先制点の場面は狙い通りという感じでしょうか?
あそこに一旦抜けてこぼれ球をサイドハーフか自分か、カジが狙うという意味でプラン通りでした。

前線の攻撃の流動性がだいぶ出てきていると思いますが。
結構、カジや皓太、自分を含めて流動的なポジション取りができています。ウッチーも含めて中盤では良いバランスができています。そのバランスによって攻撃が機能し、カウンターを受け辛くなっています。ここ最近、失点が増えていたのでそれが減っていくことは良いことです。

試合を通して守備面の強度が落ちなかったですね。
個人的に体力面はきつくなかったですが、チームとしてゼロで終わる試合がなかったので、ゼロで抑えたいというのはみんなの頭の中にありました。ゼロで終わることは大事ですし、今日はハードワークできるメンバーが多かったのでその影響もあります。最後まで集中を切らさないことが大事ですし、今後プレーオフや自動昇格争いでは得失点差で順位が変わってくるので、ゼロで抑えることは大事です。

3-0からの試合運びに関してはあの運び方で問題ないという感覚ですか?
無理して頑張って間を使われるよりかはカウンターをイメージして、リトリートの場面ではカウンターをイメージしてそこにパワーを使っていく形の守備でした。ただ、回され過ぎたところもあったので、相手がボールを下げた時にラインを上げるといった修正が必要です。自分たちも守備の時間が長くなるとスライドのズレとかも出てしまうので、スライドの速さや前で奪いに行く守備も必要です。3-0という心の余裕もありみんな油断したわけではないですが、得点に対してよりも失点に関する意識が強かったと思います。

ライン間で受けてからのダイレクトプレーがここ最近の試合で出せている印象ですが。
カジとウッチーがフリーで受けられるシーンが増えてきている影響が大きいです。これまでそういう場面はあまりなかったですが、今はそういうシーンが増えてきています。余裕をもって前に運べていることは非常に良いことだと思います。それがチームに安定感や落ち着きをもたらせています。そこは継続していくべきだと思いますが、今後相手のスカウティングが入ってくる中でどうなっていくかは楽しみな部分でもあります。

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MF 29森 俊介

今季初先発でしたが。
今まで一度もなかったですが、スタメンで出る時のことを考えて今まで練習してきたので、思ったよりも冷静にやれたと思います。

どういうプレーをしてほしいという指示を受けていましたか?
自分の特長はドリブルなのでそこを生かすようにと言われていました。

序盤から積極的に仕掛けた中、シュートのフィーリングがあまり良くなかったですが、そのチャレンジがプロ初ゴールに繋がったという印象ですか?
チャレンジしたからこそああやってシュートチャンスが何回も来ましたし、点を決めたところは最初に2本打っていたからこそのモノだったと思います。やっぱりチャレンジしていくことは大事だと思います。

ドリブルで抜き切る前にシュートを狙っていた印象ですが。
シュートコースがあれば、自分で抜き切るよりもシュートを狙うことで点のチャンスも上がってきます。また、高いボールよりもゴロでシュートを狙うことは意識していました。

初スタメンで目に見える結果を残したことは大きなアピールになると思いますが。
得点のところだけを見れば結果として残りますし、アピールになったとは思います。ただ、それ以外では後半にほとんどボールも受けられてなかったですし、守備の部分でもコミュニケーションが取れていない部分もあったので、そこは修正していきたいと思います。

天皇杯の富山戦に比べて立ち上がりから積極的に仕掛ける場面が目立ちましたが、天皇杯の教訓を生かせたという感じでしょうか?
天皇杯は途中出場だったので先発とは違う入り方になってしまいます。ただ、途中からよりも始めからの方が落ち着いてやれます。

ゴールパフォーマンスに関してはいかがでしたか?
考えていましたが忘れていました(笑)。ただ、優平君が指を指していたのでスタンドの上の方にいた(ベンチ外の)チームメートに手を振っていました。両親も見に来ていたと思いますが、場所が分からなかったので……(笑)

先日、李栄直選手が話していたようにこれまで出場機会の少ない選手の代表としてプレーする意識はありましたか?
そうですね。ヨンジ君がそういうコメントをしてくれたので、自分ももっと頑張らないといけないと思っていました。今日こうやって結果を残せたことは、いま試合に出られていない人にも結果を残せるチャンスがあるということを示せたと思いますし、それはチームにとっても良いことだと思います。

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DF 5平 智広

試合を振り返ってください。
今日は久しぶりに3点も入ったので良かったです。立ち上がりからみんなで前から行こうと話していたので、そこから点を取れたことは良かったと思います。

1カ月半ぶりのスタメン出場でしたが。
自分が出たらチームに貢献することを意識していたので、今日は点を取ることができて良かったです。早い時間帯に2点目が入ったのであれは大きかったと思います。ゴール前にいたので自分のところにこぼれてくればいいなという感じでポジションを取っていましたが、直接ボールが来たのでラッキーでした。

コーナーキックの場面で少しやり方に変化を付けていましたね。
ショートコーナーで相手が来れば普通に上げて、相手が来なければ数的優位を作れるので、相手の出方を見てチームとして対応しました。

リーグ戦4試合ぶりのクリーンシートでしたが。
後半は特に押し込まれる時間帯もありましたが、チームとして守備の意識を高く持ってやれたことが良かったと思います。

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FW 11林 陵平

先制点の起点になりましたね。
ああいうボールが来て、前節もインサイドハーフの皓太にペナルティエリアに潜り込むように入ってきてほしいと伝えていました。昨日では(ブラジル代表の)コウチーニョが入ってきたように、ああいう形で入ってくると相手も恐いので、その形がもろに開始3分のあの時間帯に出ました。ナラのボールも良かったですし、自分も競り勝って良い形で中にボールを入れられたのでそこは良かったと思います。

相手が4バックに変更して競り合いの強くないタイプのセンターバックもいましたが、そこを狙う意識がありましたか?
いや、そこはあまり意識していませんでした。自分たちのプレーモデルがヴェルディにはあってそれを忠実にこなせば、空いてくる場所がありましたし、それを前半の最初から出せた試合だと思います。

3-0という完璧な前半から後半は少し引き過ぎた印象もありましたが。
3-0というスコアや相手に回させている部分もありました。相手に恐さややられるという感覚も少なかったです。3-0というスコアの中である程度想定していた形でした。ただ、もう少し自分たちがボールを持った場面では自分以外引き過ぎてロングボールが増えてしまいました。相手の前からの圧力でロングボールという展開はしょうがない部分もありますが、そこでもう一度ボールを持って押し込めればいいですね。

中と外の使い分けもかなりできていますね。
今まではボールを回すだけの状況が多かったですが、最近は縦にボールも入ってきています。それがチームの攻撃を活性化させています。個人的には自分が収めることと同様にセンターバック2枚を引っ張ることで中盤のスペースが空くので、そこはポジショナルプレーで自分たちが良いポジションを取れば、周りも良い立ち位置を取れるというような意識をみんながトレーニングの中でやっていて、それが試合で出せている気がします。

ポジショナルプレーにおいて重要なダイレクトプレーがここ最近の試合で出せている印象ですが。
点が入ることによってチームに自信が出てきていますし、今はとにかくチームがやるべきことをやって結果が出ていることがチームにとって大きいと思います。

新しい選手が機能していることはプレーモデルの浸透が進んでいる証拠でしょうか?
今のワールドカップを見てもチームのやり方はどこも持っていますし、それがないとチームも崩れてしまいます。結果が出ない時期でもブレずにやっていくことが重要で、今の状況もブレずにやってきた結果だと思います。それは続けていきたいです。

シーズン折り返しを前に新加入選手が目に見える結果を出してきていることは総合力という部分で大きいですね。
間違いなくあります。今日は寛也がいない中でシュンが結果を残したことはチームの層が厚くなるということですし、これからどんどん暑くなっていく夏場に向けて選手層が厚くなることは大事です。それよりもこれを継続することが大事だと思います。

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