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『YOUTHFUL DAYS』vol.2 小池純輝

プロの厳しい世界で戦う男たちにも若く夢を抱いた若葉の頃があった。緑の戦士たちのルーツを振り返る。

取材・文＝上岡真里江

気がつくと、“お受験”の船に乗っていた

2021シーズンの開幕戦。小池純輝は2ゴールを挙げ、FWとして最高のスタートを切った。2013年以来、二度目のヴェルディ加入を果たした2019年にはキャリア最多の16ゴールを記録。昨季も7ゴールと、30歳を超えてなお、得点力が増している印象が強い。

そんな彼の“点取り屋”としてのルーツはどこにあるのか。小池自身は、迷わず「中学の3年間」だと断言する。

サッカーを始めたのは小学1年生の時。東京都北区に住み、『カリオカクラブ』（現リオFC）に所属した。当時は「恥ずかしがり屋で、いろいろなことを表に出せないタイプ」だったという。「結構緊張とかしちゃって、試合前になると毎回お腹が痛くなって、トイレに行ってました（笑）」。SNSやYouTubeを活用して積極的に自己発信する今の小池からは、何とも想像し難い姿だ。それでも、サッカーは楽しく、純粋に大好きだった。

ところが、危うくサッカーの道から外れそうになったことがある。小学４年生の時だった。一番仲が良かったクラスの友だちが学習塾に入ったのに倣い、両親に懇願して同じ塾に通うことを許してもらった。だが、しばらくすると、その友だちから予想もしなかった質問を受ける。「志望校、どうする？」

実は通っていた塾は、中学受験の名門として知られる有名塾だった。それまで中学受験など一度も考えたことがなかったのに、気がつくと、“お受験”の船に乗り出港してしまっていた。次第に塾のほうが忙しくなって、サッカークラブを休むことが増えていく。「小４の時は、塾の比重が大きくて、ほとんどサッカーをしていないと言ってもいいぐらいでした」

しかし、これも運命なのだろう。5年生の夏休みに埼玉県へ引っ越すことになり、転校先ですぐに新しい友だちから少年団に誘われた。すると、秋には比企郡のトレセン、さらには埼玉県西部のトレセンと、瞬く間に選抜チームに選ばれていったのである。

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