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2021 明治安田生命J2リーグ 第15節  東京ヴェルディ vs ジュビロ磐田
2021.05.23(日)15:00 KICK OFF

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山口竜弥「勝利に結びつくプレーを見せる」

ゴール裏でのスピーチの言葉は「本心から出たもの」

──前節の北九州戦では78分から出場し、素晴らしい攻め上がりからヴェルディでの初アシストを記録しました。
スタートから出ても途中から出ても自分のやるべきことは変わらないと思っています。あの展開(残り10分で1−0)では「1点を守り切る」と考えるのが一般的かもしれませんが、自分の中では果敢に2点目を狙っていこうと思っていました。その強い思いが結果的に突破からのアシストにつながったんじゃないかと思います。

──これまでも短い出場時間の中で良いプレーを見せていましたが、クロスの精度についてはご自身でも課題に挙げていました。
何回突破しても、最後のところで味方に合わなかったらただの自己満足になってしまいますし、クロスがズレたところを相手に拾われてカウンターの起点にされてしまうということもあります。ちゃんと味方に合わせて初めて「良いプレー」と言えると思うので、その意味ではひとつ『良いプレー』を残せたのは自分にとって大きかったですね。

──北九州戦はチーム全体のパフォーマンスも90分を通して安定していました。
試合の序盤から、アグレッシブにゴールを目指していく、前から行くという姿勢がよく表れていたと思います。試合の入り方、後半の入り方についてはチームとしても課題にしていましたが、北九州戦では全員が集中してやれていましたし、それが2−0という結果に結びついた大きな要因だと思います。

──試合後にはゴール裏のファン・サポーターの前でスピーチしました。「もう少しだけ待ってもらえたら、上にいく」というコメントが印象的でした。
初めてのことで、まさか自分がやるとは思っていなかったので、もう完全にアドリブで話しました。ただ、あれは本心から出た言葉ですし、自分が言ったことに一切嘘はありません。チームとして日に日に良くなっているという実感はあるので、サポーターの方々と一緒に『強いヴェルディ』を作っていけると確信しています。

──スピーチ中にチームメイトにイジられる姿などを見ていると、チームの雰囲気の良さを感じます。加入から5か月が経過しましたがもうチームには馴染めましたか?
永井さんがいつも「俺たちはファミリーだ」と言っていますが、実際に家族のような関係性ができていると思います。仲間意識が強いですし、一人ひとりの関係が近いというか、良い距離感で関わり合えているように感じます。

──5月9日の甲府戦でヴェルディ加入後初めてスタメン出場を果たし、特に前半は攻撃面で光るプレーを見せていました。あの試合が個人としていいきっかけになったのでは?
スタートから出ても自分の持ち味を見せられる自信はありましたし、見せなくてはいけないという覚悟もありました。今年1年、今後のサッカーキャリアを懸けるぐらいの強い覚悟を持って臨んだ試合でもあります。結果として負けてしまいましたが、「やれる」という手応えはつかめましたし、課題も見つかって、すごくいい経験になりました。「あれがターニングポイントだった」と言えるかどうかは今後の自分次第ですが、ひとつの分岐点にはなったと思います。

──加入から5か月が経ちました。あらためてヴェルディのサッカーのどんな部分にやりがいを感じますか?
ヴェルディは味方同士の『共通認識』というのをすごく大事にしています。究極で言えば、相手を見なくてもそこにボールを出せば味方がいる、全部ノールックでつなげるぐらいのイメージ共有を目指しています。もちろん、共通認識というのはどのチームも意識しているものだと思いますが、ヴェルディに来てからは特にそこを意識するようになりました。当然やりがいを感じますし、まだ完成形ではないので、そこを高めていけばもっともっと上がっていくんじゃないか、最高のサッカーができるんじゃないかという期待感はありますね。

──一方で、理想が高いがゆえの難しさもあると思います。
自分たちのやりたいサッカーがそのまま勝ちにつながるかというと、現実は必ずしもそうではなくて、結果に結びつかないこともあります。なかなか結果がついてこない中で、応援してくれている方々に申し訳ない気持ちがあるので、見ている人に楽しんでもらうためにも、勝利を追求していきたいと思っています。

──山口選手の攻撃的な姿勢や前への推進力を見ていると、一列前のワイドストライカーの位置でもプレーできそうです。オプションとして可能性はありますか?
パターンシュートの練習などでは自分がワイドストライカーの位置に入ることもあります。突破してからのクロスというのが自分の特長ですし、監督やコーチも練習の中からその特長を生かせるような使い方をしてくれているので、どのポジションでも特に抵抗はないですし、自分の武器を生かせるポジションであればどこでもやります。

──すでにサポーターの間でも定着していますが、あらためて『オム』という愛称の由来について教えてください。
起源はさかのぼること10年くらい前ですね(笑)。中学生時代に所属していた『大豆戸FC』というクラブチームのコーチに呼ばれたのが最初です。「タツヤ」や「ヤマグチ」では語呂が悪かったのか、口のフィーリングが合わなかったのか……。当時の僕はイガグリ頭で、おむすびがコロコロ転がっていくようなプレースタイルだったので、「お前はオムだ!」ということになって。最初は少し抵抗があったんですけど、そう呼ばれているうちに自分の中でも気に入ってしまって(笑)。むしろ『オム』と呼ばれないとソワソワするくらいだったので、ガンバに加入した後も「もうオムで統一しよう」ということで、ずっと『オム』でやらせてもらっています。

──今節はホームに磐田を迎えます。上にいくためにも絶対に勝ちたい相手ですが、どんな試合にしたいですか?
攻撃ではチーム全体で流れるようにパスをつないで、相手に1回も触らせずにゴールまで行く。それぐらいの共通認識と強い意志を持って、ゴールで攻撃を完結させたいです。守備でもアグレッシブにどんどん相手をはめて、攻守に圧倒して勝ちたいですね。見ていて楽しくて、試合にも勝つという最高の形で終われたらと思います。

──前節の活躍と挨拶を受けて、オム選手への期待も高まっています。ファン・サポーターに自分のどんなプレーを見てほしいですか?
対人プレーには強いこだわりと自信を持っているので、局面、局面での1対1というのはぜひサポーターのみなさんに注目してほしいですね。サイドを突破してのクロス、それからミドルシュートも僕の武器なので、アシストやゴールといった勝利に結びつくプレーを見てほしいです。