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2022 明治安田生命J2リーグ 第19節  東京ヴェルディ vs 大宮アルディージャ
2022.05.28(土)18:00 KICK OFF

COLUMN

選手が明かすチームメイトの素顔『PLAYER INTRODUCTION』vol.9

緑の戦士たちによるリレー形式の“他己紹介”企画。プレーヤーとしての特長はもちろん、チームメイトだからこそ知っている選手の素顔に迫ります。第9回は石浦大雅選手がンドカ ボニフェイス選手を紹介!

取材=上岡真里江

竜士くんは“アメとムチ”が絶妙

杉本竜士くんが心を開く相手は少ないので、まぁ僕を指名するのは必然かなぁと思います。竜士くんと仲良くなったのは今年に入ってからですね。最初は見た目とかもあって、あまりみんなからイジられたりしていなかったのですが、僕がイジり始めたのが新鮮だったんだと思います。それで、練習前のリフティングなんかを一緒にやるようになって、たぶんそれをスタッフが見ていて、キャンプで同じ部屋になったことで一気に仲良くなりました。

質問とメッセージがあるんですね。質問は「好きな女の人のタイプは?」か。竜士くんが「おしゃれな人って言いそう」と言っていましたが、そこはもう絶対です! そのうえで、僕はミステリアスな人がいいですね。いろんな顔を持っている、じゃないけど、状況によって楽しみ方が違ったり、一緒にいて何か新しい発見があったり、そういう人がいいですね。年上、年下はあんまり気にしたことはありません。ただ、恋愛の場合はあんまりグイグイ来られるとなんか嫌ですね。ちなみに、竜士くんは「明るい人がタイプ」と言っていましたが、自分のことを分かってない! 竜士くんには絶対に“面倒見がいい人”が合うと思いますよ。

それと「これからも熱い部分をなくさず、たくさん良いプレーを見せてください」と「次イジったらぶっ飛ばす!」という竜士くんからのメッセージ。この“アメとムチ”が絶妙なんだよなぁ〜(笑)。ホントうまいですよねー。それにすごく褒め上手なんですよ。一緒にご飯を食べたりしている時も、すっごい褒めてくれます。でも、たまにめっちゃけなされる。どっちに転ぶかは日によってなんです。僕は常に“アメ”だけでいいんですけどね(笑)

チームメイトになったばかりの頃は怖かったですし、普段はあんまりやる気がないように見えてしまうタイプだとは思いますが、仲良くなっていくうちに、熱い男で、人が見ていないところですごくサッカーと向き合っている人で、しかも仲間思いで情に厚い。とても人情的な人だなと思うようになりました。

プレーヤーとしてもチームにとってすごくプラスになる。ゴールやアシストだけでなく、姿勢や声でもチームに前向きな影響を与えてくれる欠かせない選手です。たぶん僕もそっちのタイプなのですが、竜士くんとか僕とか、普段ちょっとやる気なく見えてしまう選手がああやって走ってくれると、チームとしても活気が出ますよね? 『背中で引っ張る』という姿は、僕も見習っていきたいなと思っています。

人としても、本当に助けになってくれました。自分のキャパというか、自分が思う自分の限界や、僕が知っている世界を広げてくれた人です。竜士くんはいろいろなチームに行って、名古屋グランパスや横浜F・マリノスなど強いチームでのプレー経験もあって、しかもヴェルディ育ち。サッカーIQが高くて、「あ、そういう考え方があったんだ」とか「そういうこともしたほうがいいんだ」みたいな、自分にないものをどんどん言ってくれるので、話していて本当に学びが多い。竜士くんとの会話は、9割ぐらいがサッカーの話ですね。

そうそう。竜士くんと言えば、面白い話があって。竜士くんって僕が“下げパン”をしていると、いつも「上げろよ」って言ってくるんですよ。でも以前、僕のお母さんに聞いたのですが、僕がジュニアの頃、ヴェルディグラウンドで僕の試合を見ていたら、竜士くんと南秀仁くん(現モンテディオ山形)が後ろを通ったので挨拶したことがあったらしいんですよ。そしたら、2人ともめちゃめちゃ“下げパン”をしていたと。なのに僕には注意するんですよね。まぁ、僕は聞かないですけど(笑)。ちなみに竜士くんにその話をしたら、「それは関係ねーよ」って言われました。

竜士くんに限らず、ヴェルディの選手はみんな返しが面白くて、イジりやすいですよ。先輩たちも(イジられることを)求めていると思うので、これからもどんどんイジっていきたいと思います。

ボニくんの豊かな表情と変顔に注目!

ということで、僕が今回紹介するのは、竜士くんと同じぐらい話しやすいンドカ ボニフェイス選手です。

特に去年は一緒にいることが多かったんですが、ボニくんとは会話のテンポが合うんですよね。竜士くんもですが、ボニくんも自分のリズムで動いてもあんまり気にならない感じ。例えば、空港などでボニくんと一緒にいる時はほぼ無言でも気まずくならない。もちろん、イジったり、騒いだりすることもありますが、無理に合わせなくていいのですごく居心地がいいんです。

年齢的にはボニくんのほうが7個ぐらい上なんですが、僕らの中で「人としての位で言うと、僕のほうが上だな」というイジりがあって(笑)。なので、普通だったら一番年下の僕がやること、例えば焼き肉に行って肉を焼くとか、練習道具の準備や片付けとかを、「ボニのほうが位は下だから、ボニやって」みたいな感じで、たまにやってもらったりしています。もちろん、「おい!」って突っ込んでくることもありますけど、ボニくんは“ドM”なので(笑)

サッカー面に関しては、ヴェルディのサッカーを理解しようとめっちゃ頑張っています。ここでもやっぱり僕のほうが位が上なので、僕から教えることのほうが多いかもしれないですね(笑)。特にヴェルディに来たばかりの頃はいろいろと聞かれました。最初は前監督のサッカーを理解するのが難しかったと思いますが、その中でもボニくんはすごく前向きにトレーニングに取り組んでいて、いろいろな人に聞いたりして、とにかく戦術を理解しようとしていました。もともと、タイプとしてはフィジカル面で頼りになる選手でしたが、全体練習後に居残りで基礎練習もめちゃくちゃしていたので、上からの言い方になってしまいますが、去年の1年間でサッカーIQも技術も、すごくレベルが上がったなと思います。チームメイトとして本当に頼りになりますし、後ろで守ってくれていると安心感があります。

僕からサポーターの皆さんに「ぜひ、ボニくんのここを見てほしい」という注目ポイントがあります。まずは、なんといっても『顔』! もうとにかく多種というか、表情のレパートリーが多い。しかも、感情が顔に出る人なので、見ていて絶えず面白いですね。ミスは良くないですが、正直ミスした後の表情は特に見てほしいです。先日の秋田戦をDAZNで見ていたのですが、最初はめっちゃ気合いが入っていて、すごく熱い顔をしていたのに、2回ぐらいミスが続いたあとに画面に抜かれたボニくんの顔を見て、思わず笑ってしまいました。とにかくボニは感情が顔に出るので、見ていたら面白いと思います。それと“顔”で言うと、変顔にも注目してほしいですね。この間も、「新しい顔を見つけた!」とか言って、自ら見せてきましたから(笑)。その顔も面白かったです。もうクラブ公式SNSにはアップされているのかな? そこはちょっと分からないですが、ボニ顔の新作、面白いのでぜひ見てみてください!

もう一つ、プレー面では相手にバレバレのターンを見てほしいです。紅白戦で対戦しても、「あ、ターンするな」というのがバレバレ。キックフェイントをしてターンをするのですが、そのフェイントがいつものキックモーションと違うんですよね。みんなそれを分かっているので、みんなからイジられています。と、ちょっとイジりすぎたので真面目に良い注目点も。それはヘディングです。このチームに足りなかったというか、ものすごく必要とされていた部分でもありますし、背の高い大きな選手が相手でも、ボニくんがいてくれれば怖くないというか、頼りになるので、ヘディングにもぜひ注目してほしいです。

そうそう。実はボニくんが加入してきて3日目ぐらいに、最初に「ご飯に連れて行ってくださいよ」と絡みに行ったのは僕なんですよ。で、「よし行こう!」という感じになったのに、結局まだ連れて行ってもらってないんですよね。“行く行く詐欺”がすごいんです! なので、ボニくんへのメッセージは「ご飯に連れて行ってください!」にします。佐藤優平さん(現全南ドラゴンズ)とかと一緒に行った焼肉屋さんにもう一度行きたいので、ぜひ近いうちにお願いします! それともう一つ、「早く車を変えて」と伝えてください。以前は大きな車に乗っていたのですが、今は1人乗ったら他の人が乗るスペースがないぐらい小さい車になったので、早くまた大きな車に変えてほしいです。

それと、質問かぁ…。じゃあ、「どうしてそんなに顔が長いんですか?」にします。とにかく顔が面白いので(笑)

最後に自分の話を少しだけ。今の状況は、自分にとって『下積み』の時期だと捉えています。周囲からもレベルアップを求められていると思いますが、その中で少しずつですが、自分でもつかめてきた感覚があります。よく「逆算しろ」と言われますが、僕はする必要はないという考えなんです。他の人がどうか分かりませんが、僕は自分のことについて考えるのが好きで、常にもっと上手い選手、もっと良い選手としての自分を探しているので、別に逆算する必要はないかなと思っていて。今を100パーセントでやればいいと思っています。

竜士くんも言っていたとおり、大きな夢、野望はありますが、その実現のためというよりは、今どうやったらヴェルディを勝たせる選手になれるか、もっと頼りがいのある選手になれるかを考えていて、そのための下積みだと思って日々取り組んでいます。こうやって、考えてないようで実は考えているタイプなので「不思議ちゃん」なんて言われちゃうんでしょうね。