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MATCH試合情報

天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会 ラウンド16 - 東京ヴェルディ vs ジュビロ磐田

マッチレポート

 

監督コメント

城福 浩 監督

試合を振り返ってください。
改めて我々のクラブのコロナの事情で試合が延期となったことを、大会の関係者、ジュビロの関係者、サポーターの方々、メディアの方々を含めてお詫び申し上げます。本当にご迷惑をおかけしました。活動停止が6日間あり、我々としても今日の試合は難しい状況でしたが、こういうふうに試合をやらせていただけることへの感謝の気持ちを持ちながら、勝利への執念を見せることが、今回の措置に応えるということだというのを選手たちと共有していました。 選手は本当に魂を見せてくれたと思います。今日の平日の夜に来ていただいた我々の大事な大事なサポーターの方々と、最後に喜び合うことができて本当に良かったと思います。内容の振り返りというよりも、最後ああいう形で2分を耐え切れずに追いつかれた中で突き放すことができたのは、彼らの勝利に対する執念を見せてくれたという意味で本当にうれしく思います。大事なのは週末のJリーグだと思うので、しっかりとリカバーして良い準備をしたいと思います。

今日はゲームキャプテンを深澤選手に初めて任せた意図を聞かせてください。
通常であれば、副キャプテンの梶川であったり、ボニ(ンドカボニフェイス)あたりに任せますが、特に守備のところでラインの統率のところやセットプレーの守備のところで、リーダーがほしいと思っていました。練習を見ていてリーダーのような形で声をかけて、鼓舞する部分ももちろんそうですが、マークの確認やラインの確認をやってほしいと思っていました。特に、最終ラインの選手にそれが必要だと感じていたので、今日のメンバーを見たときに(深澤)大輝が一番ふさわしいというふうに判断しました。梶川にもその旨を伝えて、大輝にやらせたいという決断を今日しました。

延長戦以降、スクランブルの布陣でどうやってチャンスを作り出すイメージでしたか?
当たり前ですが、お互いにプレッシャーになかなか行けなくなった中、我々はプレッシャーに出られなくて自分たちのペナルティエリアに引くのが嫌だったので、オリジナルのポジションがどこであれ、とにかく前に走れる選手を置きたかった。そこでプレッシャーをかけてできるだけ相手のゴールに近いところでボールを取り返し、ゴールに近いところでサッカーをしたい。そこをブレさせることはしたくなかったので、ディフェンス(奈良輪)とアンカー(西谷)の選手を2トップに据えました。

新型コロナウイルスの影響で6日間の活動停止もあった中、この試合で勝利を得られた意味をどのように捉えていますか?
繰り返しになりますが、ご迷惑をかけたという部分があるので、試合ができることに対する感謝の気持ちをどう表現していくのかという部分は、選手たちがみんな理解していました。規制の中で部屋でしかトレーニングができない選手がいたり、一人で公園を走ることだけはいいとか、個別で全く状況が違いますし、回復具合も全く違うので、フィジカルコーチやトレーナーたちと、ZOOMで6日間ずっと個別に確認を行いながらアプローチしながら準備できたからこそ、3日間の全体トレーニングで今日の試合をやることができました。 通常であれば、120分戦う体力を準備するのはなかなか難しいことでしたが、ひとえにスタッフと選手が自粛の中でやれる範囲のことをやってくれたからこそ今日の結果があるのかなと思います。

貴重な決勝点を決めた奈良輪選手に対する評価を聞かせてください。
見ていただいて分かるように、おそらく彼はあの時間帯でスプリントの回数が間違いなく10回を超えていると思います。それぐらいチームのラインを下げさせないために二度追い、三度追いをやってくれ、相手陣でサッカーをすることに貢献してくれたからこそ、最後に彼のところにボールが来てあのシュートがあったと思います。本当に献身的な姿が報われたシーンだったと思います。

後半アディショナルタイムでの失点に関してどういった反省点がありますか?
もちろん、交代カードの部分でサイドバックの奈良輪を左のワイドストライカーに配置して、その時点で守備のモードになることはみんなが分かっていましたし、それは練習でもやったことがないですが、意図としては全員が分かっていたと思います。とにかくラインを下げさせないために前から追ってほしいと言っていたので、(西谷)亮も本当に献身的に追っかけてくれました。 これは本人にもすでに言っていることですが、あの失点は中にパスをして奪われたところから始まっていて、あと2分のところで外でサッカーをするのではなく、中に長いボールを入れた選手がいて、そこで奪われたところから点を入れられている。「ゲームクローズ、ボールの失い方を学べ」と、「勝って学べたのは良かったな」と言いました。その本人は「僕が戦犯でした」と自分で言っていました。ここではそれが誰かは言いませんが、こういうことで次に生かしながら進めていける、若い選手が学べたことは非常に良かったと思っています。

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選手コメント

DF 2深澤 大輝

今日は初めてゲームキャプテンとして臨みましたが、試合前の思いや試合を終えての率直な気持ちを聞かせてください。
試合前にキャプテンマークを巻いてほしいと監督から言われて、それはディフェンスラインの統率のところや声をかけてほしいと言われて試合に入りました。なかなかうまくいかないことも多かったですが、そこはうまく耐えようと、ディフェンスラインを中心に話していました。前半も押し込まれた中でカウンターから何度かチャンスはあり、チャンスをしっかり決めていこうと話していた中、PKで先制することができました。ただ、ああいった時間帯で押し込まれて点を取ってくるというのは、J1のチームだと感じましたし、そこは僕らがまだまだなところだと思います。ただ、コロナでの活動停止やケガ人もある中でも全員がチームのために走って戦った結果が、奈良輪さんのスーパーゴールにつながったのかなと思います。全員で戦った結果が勝利に結びついて本当に良かったと思います。

土壇場追いつかれて延長戦に入りましたが、どういった声掛けをピッチ内でしていましたか?
「やるしかないぞ」ということは話していましたし、自分たちは走れるチームだと思っていますし、今日に限っては若い選手が多く、途中から出たフレッシュな選手もいたので、そこは走り切って最後までやり切って戦うということを話していました。ゴール前のところでは全員が身体を張っていましたし、前に出ていくところも全員が走っていました。そういう一つひとつの積み重ねがああいったゴールにつながったと思います。 延長に向かうときには全員が気合が入っていましたし、すごく良い雰囲気でみんなが声をかけ合えていたので、そこは今のチームの強みだと思います。城福監督になってからは、やっぱりそのチームの一体感というのは、前にも増して強くなっていると思います。それがこの結果につながったと思います。

川崎フロンターレ戦に続くJ1のチーム相手の勝利になりました。
天皇杯に懸ける思いといいますか、ブラウブリッツ秋田に勝ってから、川崎とやれるとなったときに、J1のチームとやれることが僕自身とても楽しみでしたし、チームとしても戦うことでしか分からないこと、見ているだけでなく肌で感じないと分からないことが多いと思うので、そこでJ1の川崎さんと戦って勝つことで、チームが一つ上の段階に上がれたと思います。 その中でコロナの活動停止などもありましたが、日ごろからチャンスがなくても練習でみんなが頑張っていましたし、そういう選手たちが試合に出て活躍するというところは、今年のヴェルディの強みでもあると思います。全員が戦力として総力戦で戦い、今もコロナで離脱している人もいますが、そういうメンバーが戻ってきたときに、より良い競争ができればいいと思います。 J1に勝てたことは自信になりましたが、チームとしての戦い方をもう少し自分たちのサッカーをしなければいけないというか、したいと思う反面、我慢がすべきところで我慢はできているので、そこはポジティブに捉えつつ、自分たちの時間をもっと長くしていきたいと思います。

自分たちの準備で精いっぱいな部分もあったと思いますが、対磐田という部分ではどんなところを意識して臨みましたか?
準備期間が短い中、まずは自分たちのコンディションを上げるという部分を第一優先に、もちろん相手の分析として[3-5-2]なのか[3-4-2-1]なのか、相手が1トップか2トップかでポゼッションのやり方を変えようという話や、直近のFC東京戦では[4-4-2]でもやっていましたが、どうやってくるのかという部分はありました。ただ、それ以上にコンディションを取り戻すのに精いっぱいな部分はありました。 ただ、相手の出方を見てもっとサッカーをやらなければいけないと思っています。スカウティングではやっていたけど、試合ではうまくいかない。特に前半はビルドアップで行き詰まるところが多かったので、そこは準備期間が短いとはいえ、もっとチームとして浸透させながら試合に臨むか、試合中にもっと改善する力が必要だと考えています。

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MF 24 奈良輪 雄太

試合を終えての率直な思い、チームが天皇杯のタイトルに一歩近づいたという意味についてどう捉えていますか?
そんな大それたことではないと思いますが、90分で勝ちたいゲームだった中、あのような形で失点してしまい、非常にタフな状態でした。個人的にも普段やっているポジションではなかったですが、誰よりもフレッシュだったと思うので、攻守にとにかくアグレッシブにプレーすること。それでチームに貢献したいとずっと考えていました。それがたまたまゴールになっただけのことだと思っています。 個人としてもクラブとしてもここ数年はなかなかうまくいかない時間が長かったので、僕がこのクラブに来て5年目ですが、どの試合でも今日この瞬間にサッカー人生が終わっても後悔がないようにというテンションでサッカーをしてきたつもりで、今日はたまたまそれがこのようなゴールというプレゼントという形になったのかなと思っています。今日のようないい思いをするために多くの時間がかかりましたが、今日は良かったと思います。

決勝点の場面ではどんな思いでシュートを打ち、ゴール後の率直な思いを聞かせてください。
どちらかといえば、セカンドボールを拾う役割としてあの場所にいたので、ゴールを目的としたポジションではなかったです。ただ、ボールがこぼれた瞬間からシュートを打つということしか考えてなくて、周りからはパスしろと言われていたみたいですが、正直ゴールが決まるなんて自分を含め誰も思っていなかったと思います。さっきも言ったように自分の強い思い、90分、120分タフに戦ってきた思いが集まったことで、ああいったゴールになったと考えています。

昨シーズンから様々な苦しい思いをしてきた中、今日こういう形で貴重な仕事ができたというところは、ご自身の今後のサッカー人生にどのような意味を持ちそうですか?
お世辞にもこの先、長いサッカー人生とは思っていませんが、常にこの試合が最後というぐらいの気持ちでプレーしているので、ヴェルディに来て5年目になりますが、このような思いでプレーしているということを、若い選手が多いこのクラブでなかなか上に行くことができないこのクラブに対して、自分が言葉ではないこういうプレーで常に表現していることを、周りが少しでも感じ取ってくれて、それがクラブを少しでも良い方向に導ければと思ってやっています。そういう意味では今日少しだけ貢献できたのかなと思っています。

延長後半のキックオフを務めていましたが、これまで経験はありましたか?
キックオフを蹴ったことは一度もないと思います。(笑)

決勝点の場面ではシュートコースが見えていましたか?
ストライカーではないので狙い通りとは言えないですが、自分はこのクラブでこれまで何点か点を取っていますが、決めるときはああいうちょっと普段では考えられないようなシュートが決まっています。こういうことを言って記事になると恥ずかしいですが、打つ瞬間に入る気がします。今日はそんな感じでした。次同じことをやれと言われても絶対できないです。

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