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MATCH試合情報

2013 Jリーグ ディビジョン2 第10節 - 松本山雅FC vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

積雪のため順延となった10節の代替試合、松本山雅FCとの一戦。敵地松本に乗り込んだヴェルディは、ホームのサポーターがスタンドを埋め尽くす完全なアウェー状態の中で試合に臨んだ。

序盤こそ五分五分の展開でボールを簡単に失う場面も見られたが、守備陣が余裕を持って対応して相手の反撃をシャットアウト。徐々にボール支配を高めていき、セカンドボールをしっかりと拾って分厚い攻撃を仕掛けていく。ただし、割り切って引いて守りに入った相手を崩し切れずに苦しんだ。前半だけでも何度か決定的なチャンスを作ったが、松本山雅FCの強固な守備をこじ開けることができずに前半を折り返す。

後半に入って攻勢を強めていくヴェルディだが、ペナルティエリアまで戻ってスペースを消す松本山雅FCの“壁”を前にパスを回して様子を窺う時間が続いた。ミドルシュートを打つ隙間すら見えないほど相手選手がゴール前を固めたため、サイドを起点に攻め込んだが、有効なクロスを供給することができずに決定機を生み出せない。素早くパスをつないで相手をゆさぶってフィニッシュに持ち込むシーンもあったが、最後まで攻めあぐねてノーゴールに終わった。相手のカウンターを守備陣が身体を張って防ぎ続けていただけに、なんとかゴールを挙げたかったが、中3日で迎えるコンサドーレ札幌戦に向けた持越し課題となった。

 

 

 

【試合後選手コメント: FW 44 高原直泰選手】

――相手を崩し切れなかった要因は?

「最後のラストパスですかね。そこに今日の試合に限っての問題点があったし、何回か決定機は作ったけど、そこを決めきれていれば勝てた試合でした。ただ、その辺を反省しながら次の試合に生かせるように、あまり悲観しないでこの日程を乗り切って、次もアウェーなので、結果を残せるように準備したいですね」

――相手の戦い方は想定内だったのでしょうか?

「相手がまず引いて守るというのは分かっていたし、それによって守備ブロックの前のスペースが空くというのも分かっていました。その辺を上手く自分たちが使って、ボールがないところのコンビネーションで選手がスペースに出たり入ったりできていれば、たとえ相手に引かれていても穴は生まれたと思います。ボールを持っている周りの選手がスペースを作ってあげたりしないと、あれだけスペースがない中で相手を崩すのは難しいですね。もっと頭を働かせないといけないし、状況を読む力も必要です。まだチームとして完成しているわけではないので課題はまだ山ほどあって、それを一つひとつ今日みたいに経験して次に生かしていけるようにしたいですね。とにかく、ボールを持っている周りの選手だけが動いているようでは、引いた相手を打開することは難しいです。もっとチームとして、スペースを作ってそこを使う意識だったり、状況に合わせてプレーできるように選択肢を多めに用意できるようになる必要があります」

 

【試合後選手コメント: DF 23 井林章選手】

――今日の結果については?

「今の自分の立場を考えると、1試合1試合を全力でやることが大切だと思います。DFである以上、失点がないという結果が何よりも大事だと思います。そういう意味では、今日は失点がなかったという点は良かったと思います」

――後ろから見ていて、今日の展開は?

「僕が大きなことを言える立場にはないんですが、ボールの回し方がよくて、いい形でゴール前に運べていたんですが、最後に相手も身体を張ってきていました。決定機で決め切れなったのが、接戦をモノにできなかった要因だと思います。また練習からしっかりとチーム全体で合わせていきたいです。ウチの攻撃陣は相手にとって脅威だと思うので、さらに細かいところを突き詰めていきたいと思います」

――相手のサポーターの威圧感もあったのでは?

「観客席が近くて、いつも以上に声が通りづらいと感じました。ポジショニングや3人の連係が上手くできれば、もっといい形で攻撃につなげられたかもしれません」

――相手の圧力に負けずに冷静にボールをつなげていた?

「まだ自分のところからのフィードが一番つながっていなかったと思うし、周りからの要求も多いので、そこは改善しないといけない点です」

 

 

【試合後監督コメント:三浦泰年監督】

――今日の試合を振り返ってください。

「雪で延期になった、ある意味ボーナスポイントが取れるようなシチュエーションの試合で、勝ち点3を取るのか、0なのか、それとも1なのか、非常に重要な試合でした。アウェーの独特の雰囲気の中で、勝ち点1という結果を決してネガティブに捉えてはいけないと感じています。その理由は、札幌戦が中3日であるということです。試合としては、最後まで選手はアグレッシブになんとかゴールをこじ開けようとトライしてくれました。もちろん最後の精度は必要ですが、攻撃の人数を減らしてアンカーにもマークを厳しくつけるなど前半から5バックにして引いて守る相手に対して、思い切ってリスクを冒して攻めることができていました。特に最後の数分のところでは、カウンターを覚悟しながらも、普段はバイタルエリアではシュートで終われない選手も含めて、複数の選手が攻撃に関わっていたことを考えれば、彼らの頑張りを称えたいと思っています。選手も素早く切り替えていますし、次の札幌戦でより成長できているヴェルディのサッカーが見せられればいいなと思います。今日も戦うという部分よりもフットボールをするという意識がチームとして強かったですね。そういう意味では、こういう熱烈なサポーターを持って未来が楽しみなクラブを相手に、ヴェルディの選手がサッカーをできたことは、今後につながっていくと思います。さらに若い選手が出場機会を得ることができた。そういう意味では、我々にとって今日の試合はいい財産になると思っています」

――相手ゴールをこじ開けるには、今後何が必要になるでしょうか?

「山雅をホームに迎えてまた試合をするので言葉を選びますが、相手のウィークな部分にボールを入れられれば、もっと足を振り切れるシーンはあったのではないかと思います。そうした場面で、ベーシックに点がとれる方法を選択していたシーンは何度かありました。それを集団で突いていくという意識でいけば、シンプルに点が取れたのではないかと思います。こうした試合だと、山雅の関係者は『我々のペースだった』と思うかもしれませんが、ヴェルディにすれば決定機を何度も作った試合でした。その点、スコアレスで終わったことは、山雅にとっては良い結果だったのではないかと思います」

――井林のパフォーマンスは?

「彼にとって、中2日で試合の準備をしていく経験はプロとして初めてになる。そういう意味では、身体に痛い場所がないわけではないと思いますし、前節の疲労が完全に取れているわけではないはずです。自分自身がどういうパフォーマンスを出せるかという不安がないわけではない中で、集中して不安などないような、相手を恐れない強気なプレーをしていました。ただ、井林を見れば、まだ3試合は連戦でもプレーできるということです。5試合10試合と残りシーズンで同じパフォーマンスを出し続けることができるかどうかは、彼の姿勢やメンタルや最後のスキルの部分が関係してくると思います。ただ、この試合は彼にとってプロ3試合目で、1試合目や2試合目よりも、彼が成長している、何よりも一つひとつのプレーが積み重なっていく、と感じられる仕事をしてくれたと思います」

 

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