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MATCH試合情報

2014 Jリーグ ディビジョン2 第27節 - 東京ヴェルディ vs 水戸ホーリーホック

マッチレポート

【試合展開】

後半戦で幸先の良いスタートを切ったヴェルディだが、ファジアーノ岡山と大分トリニータとのアウェイ2連戦は、内容の部分で手応えを得ながらも悔しい連敗となった。良い流れを取り戻したいホーム連戦の初戦は、味の素フィールド西が丘に水戸ホーリーホックを迎えた。前節、試合中に左眼窩底骨折を負って途中交代した井林章に代わって、田村直也をセンターバックで起用。右サイドバックには安西幸輝が入った。

序盤から自分たちのリズムとテンポで試合を進めたいヴェルディだが、鈴木隆行にボールを集めて高い位置で圧力を強める相手に対して、押し込まれる展開となった。2分には田村のバックパスのミスを拾われたが、ポストに助けられた。13分にはバイタルエリアで波状攻撃を食らったが、ボールに必死に食らいついてゴールを割らせない。34分には鈴木のヘディングシュートがポストに当たる幸運に助けられた。攻撃に転じると、帰陣の早い相手に対してリズミカルなパスワークが影をひそめ、パスコースを探して個々がボールを持つ時間が長くなる。結果的にはボールを保持しながらバイタルエリアまでは侵入できたが、攻撃に時間が掛かった分、中央を固められて、サイドに揺さぶっても攻撃の糸口をつかめずにボールロストする場面が目立った。

攻撃のテンポを取り戻すために、ハーフタイムには早い球離れでリズムとテンポを取り戻してボールを動かす指示が出た。この修正が早い時間帯に実を結ぶ。序盤から前線へ圧力を強めて相手を自陣に貼り付かせると、47分、杉本竜士が左サイドをドリブルで突破してクロスボールを供給する。ニアに飛びこんだ澤井直人がスルーしたボールがGKにあたり、撥ね返ったボールを澤井が豪快につめて先制点を決めた。澤井にとってのプロ初ゴールが、劣勢を跳ね除ける大きな1点となった。その後も勢いに乗って攻め続けるヴェルディ。常盤、杉本、南がバイタルエリアで決定的なチャンスを立て続けに迎えるが、どれも追加点につながらない。62分には右サイドに抜けた澤井のクロスが、ファーでフリーになっていた杉本にピタリと合う。しかし、狙いを定めた杉本のヘディングシュートはGKの好セーブに阻まれた。すると、試合の流れは徐々に水戸へ。リードを追うチームの勢いにやや押され気味に展開が続くと、あと一歩で失点という危険な場面を作り出された。この状況に耐えるため、井林章、楠美圭史というカードを切って守備を引き締めた。終盤には、高い位置でボールを動かす老獪さも発揮し、押し込まれる展開をなんとか押し返して、アディショナルタイムは相手陣内で理想的な試合の進め方を見せ、勝ち点3を手に入れた。

 

 

 

【試合後選手コメント:GK 31 キローラン菜入選手】

――今日の結果について率直な感想をお願いします

「前回、前々回の試合では続けて負けてしまったのが自分の中で残っていて、チーム自身もそうですが、自分のパフォーマンスに納得できていませんでした。今日は“絶対に取り戻すぞ”という気持ちでプレーしていたので、本当にうれしかったです」

――今日は勝利に加え無失点での勝利でしたが手応えはいかがですか?

「この前の試合で井林選手が骨折してしまい、スタートからプレーすることができませんでしたが、そのぶんチームでカバーしようという気持ちが働いた結果、集中力が高まって“ゼロ”で試合を終えることができたのではないかと思っています」

――立ち上がりの好セーブによって良いリズムでプレーできていた印象ですが?

「前半の立ち上がりのプレーは大事なので、僕自身前半を“ゼロ”で終えられれば、イケると思っていました。何度か良いセーブをしたことで、僕自身もチームも良いリズムでプレーできた気がします」

――今日は井林選手に代わって田村選手がセンターバックでプレーしましたが、声のかけ方やポジショニングなどで工夫したことはありましたか?

「一番最初のプレーは僕とタムさん(田村)の連係ミスからポスト直撃という場面がありましたが、僕も田村さんもお互いに信頼しているので、特別多く声をかけることはしませんでした。いつも通り、やれた気がします」

――後半の押し込まれた時間の対応についてはいかがでしたか?

「水戸はファーサイドを狙ってそこから折り返したり、マイナスのボールを入れてくるのは分かっていたので、そこは試合前からボランチの選手にしっかりとプレスバックするように声をかけていました。また、逆サイドの選手がしっかりと絞って簡単にシュートを打たせないようにしていたので、ピンチもありましたが、そういったプレーが無失点につながった気がします」

――前節に続いて前線にフィジカルに優れたターゲットマンのいる相手でしたが、その対応について意識した部分を教えてください。

「鈴木隆行選手は経験もあって背負うプレーもうまいので、ポイントはその周りのところだと思っていました。実際、その形から何度かやられましたが、両サイドバックの絞りとセンターバックの連係がうまくいって、しっかりとカバーすることができました。だから、そんなに多く決定機を作られなかったという印象です」

――ここ最近の連続出場の中でご自身の得た部分と課題となる部分について教えてください。

「簡単に失点してしまうと、チームとして勢いが削がれてしまうので、自分の責任の大きさを感じています。前回は3失点、その前は2失点をしてしまったので、今日は絶対に取り返そうという思いでプレーしていました。そういう意味では、今日無失点で勝てたことは自分にとって大きな収穫となりました」

――次節の横浜FC戦に向けて意気込みをお願いします

「次は(キム・)ジョンピルが出場停止で出られないので、またチームが一丸となって彼の不在をカバーしていきたいです。また、次もホームで戦えるので、そのアドバンテージを生かしながら戦っていきたいです。相手は好調なチームですが、そこまでネガティブに捉えず、攻撃陣も今日得点を取ってくれたので、次も“ゼロ”で抑えられれば、必ず勝てると思います」

 

 

【試合後選手コメント:MF 23 田村 直也選手】

――今日の結果について率直な感想を聞かせてください。

「前回の京都戦も西が丘で勝利した良いイメージがあったので、今日も勝利してここでのリーグ戦を連勝という形で終えられて良かったと思います」

――立ち上がりにミスが出るなど難しい入りとなりましたが、そこからの修正について聞かせてください。

「最初にそういうシーンがあって、もちろん自分の中で切り替えて“今日はセンターバックでプレーしている”ということをより強く確認できました。その後のプレーに関しては良かったと思います。次節もジョンピルが出場停止で出られないと思うので、そういう部分も含めて良い練習になりました。危ない部分もかなりありましたし、修正点も出ましたが、運も味方に付けたようなゲームができました。今日は勝ち点3というのが絶対にほしかったですし、自分としても前回の反省もあったので、“何がなんでも”という思いでボールに食らいついて行きました。澤井もゴールを決めてくれて、誰が出てもゴールを奪えるチームになってきていると思います」

――先制後はかなり押し込まれる時間が続きましたが、その中で意識した部分を教えてください。

「最後はゴール前にボールが飛んでくるので、そこであとは感覚的にどこにボールが来るのかという部分をよく勉強することができました。こういう勝ちゲームで、そういう勉強ができたことは、今後の自分のサッカー人生にとって大きな財産となりました。1人のサッカー選手として成長できたのは、とても良かったと思います。チームのことで言えば、バイタルエリアへのマイナスのボールに対して、誰が反応するのかという部分は大きな修正点です」

――水戸は前節の大分と似たような戦い方をするチームでしたが、前節からの反省はどういうところで生かされましたか?

「前線からプレスに行っても相手が蹴ってくるので、どうしても最終ラインと中盤が引いてしまうので、プレスに行った前線の選手の動きが無駄になってしまいます。今日も多少そういう場面はありましたが、後半から修正することができて(杉本)竜士や常盤が良いプレスをかけてウチのサイドハーフが相手のサイドバックからボールを奪うシーンを何度も作れました。その面では前節からうまく修正できたと思います」

――相手の鈴木隆行選手が安在選手との体格差によるミスマッチを突く形が多かった印象ですが?

「鈴木選手が真ん中にいるのを嫌がってサイドに流れて起点になるプレーが多かったです。ただ、自分たちはそこまで食い付かず、サイドバックに任せてセンターバックはもう1人の吉田選手や途中から入ってきた三島選手のケアを最優先にしていました。だから、サイドバックに無理にファウルで止めるなと、声をかけていましたが、うまく対応できたと思います」

――次節の横浜FC戦に向けて意気込みをお願いします

「次は好調の横浜FC戦で久々に味スタでもプレーできるので、もう一度お客さんに帰って来てもらいたいですし、連敗したぶん、今日の勝利は大きいので、次につなげていきたいです。また、多くのサポーターの方々の目の前で勝利を届けたいと思います」

 

 

【試合後選手コメント:MF 22 澤井 直人選手】

――ゴールシーンを振り返ってください。

「(杉本)竜士君がドリブルで仕掛けた時に自分のところにボールが来ると分かっていたので、信じてゴール前に走りました。一度は止められましたが、すぐに詰められて良かったです。ボールが跳ね返ってくることは自分の中でわかっていたこともありましたし、常日頃からこぼれ球を意識していたので、何とか決められて良かったです」

――ゴールシーンで天井を狙ってシュートを打った意図について聞かせてください。

「あそこはシュートコースがなかったので、上ぐらいしか狙うところがありませんでした。ファーもニアも切られていたので、股の間か上かという二択だったので、確率の高い上を狙いました。GKというのは、上の部分は反応しにくい部分なので、それを踏まえて狙いました」

――今日の決勝点はご自身のプロ初ゴールでしたが?

「そうですね。小学4年生からこのクラブに育ててもらってきた中、こういう勝利につながる恩返しができて良かったと思います。まだまだチームは下の順位にいますが、すぐに切り替えて次のゲームに集中していきたいです」

――ゴールセレブレーションについて。

「反省しています(苦笑)。 本当は私生活からサッカーのことまで永井さんにお世話になりっぱなしなので、得点を決めたら一番に永井さんのところに駆け寄るという約束をしていたのですが、無我夢中で忘れてしまいました……。ベンチを見ることなくただ喜んでしまいました。次にゴールを取ったときは必ず約束を果たしたいです」

――初ゴールを決めたことで精神的にも楽になったのではないでしょうか?

「そうですね。ゴールを決められていなかったので、自分の中でも悔しい思いがありました。ずっと、ゴールを取りたいと言ってきましたし、やっと決められてホッとしています」

――ルーキーイヤーでゴールできたことについてはどのように感じていますか?

「世界を見てもこの年代で活躍している選手は何人もいますし、この年代は若いと言われていますが、世界では当たり前にやっているので、自分はまだまだかなと思っています」

――今日は右サイドハーフ、ボランチ、FWと色んなポジションでプレーしましたね。

「そうですね。ここ最近、試合の途中からボランチをやる機会も多いですね。今のサッカーでは、ひとつのポジションしかできない選手はダメなので、自分が色んなポジションでプレーできれば、幅も広がると思いますし、より意識してやっています」

――今シーズンここまでで感じたご自身の変化について聞かせてください。

「監督から常に“ハードワークをしろ”ということは言われてきたので、ずっと前期はベンチ外の苦しい時期が続いていましたが、常に100%でプレーすることは自分自身で心がけています。出られない時期の感覚はユース時代には味わうことがなかったので、そういうことを経験できたのは大きいと思います」

――サポーターの方々に向けてメッセージをお願いします。

「いつも応援ありがとうございます。チームがこういう苦しい中でもこれだけ多くの方が応援に来て頂けていることは、選手たちにとって大きな励みになっています。今後も応援をよろしくお願いします」

 

 

【試合後選手コメント:FW 33 杉本 竜士選手】

――今日のご自身の出来はいかがでしたか?

「後半のチャンスで決めていれば、もっとチームが楽に戦うことができましたし、ミドルシュートの精度を上げていかないとダメです。前半も全然良くなかったですし、もっと精度を上げていかなければならないですね」

――得意のドリブルで相手の脅威となる場面もたくさんありましたが?

「ドリブルに関しては何度か良い運び方ができたと思っています。でも、FWとして出場している以上、得点を奪うためのドリブルでなければダメです。今後は得点を奪うためのカラクリを研究して練習から集中してやっていきたいです」

――前半は難しい展開を強いられましたが、その要因について教えてください。

「後ろから蹴ってくる形で鈴木隆行選手のような収まりの良い選手がいるチームとの対戦では、FWが前からボールを奪いに行ってもすぐに蹴られてしまうので、どうしてもセカンドボールを拾えない展開になってしまいます。試合が終わった後にタムさんとも話したのですが、磐田や京都との試合では前からボールを奪いに行く形がハマりましたが、今日のような相手と戦うときにどうするのかを考えていきたいです。前半に前からハメて自分たちの流れの中で1点、2点を取ってペースを握るというのが、僕たちの戦い方だと思っています。そういったことも含めて次の試合では前半から飛ばしていけるように頑張りたいです」

――三浦監督が今日のポイントとして攻撃の終わらせ方を挙げていましたが、その部分についてはいかがでしょうか?

「みんな意識してやっていたと思います。ボールの取られ方だったり、ボールを奪われた後、極端なことを言えば、ファウルで止めて相手の攻撃を終わらせるなど、やり切るという部分では前の試合よりも良かったと思います。取られ方が悪くなく良い形で攻撃を終えて、きっちりセットした形で守るぶんには自分たちが点を取られない自信があるので、そういう部分を追求していきたいです」

 

 

【試合後監督コメント:三浦泰年監督】

――試合を振り返ってください。

「終わってみれば、次に向けて自分たちがこの試合をどう受け止めていくのか、それを考える中で、運とツキもあったと思います。ただ、そういったものは、彼らがしっかりとした姿勢で日々取り組んできたこと、または努力の数だけ生まれてくると私は信じています。やっていることが少しずつ結果につながっていく。そういう現象が何試合かきているなと思っております。ただ、やっていることというのは、後半戦から変えていっているわけではなく、アグレッシブにコレクティブに。今日で言えば、立ち上がり、相手がどういう形で出てくるのか、なかなか掴み辛かった中で、失点をしなかったこと。失点しないで折り返すことによって、前半でも自分たちの攻撃の時間を少しずつ 作る中で、相手の攻撃にある程度対応して行くことができました。後半、少しボールの動かし方をスピーディにするという中で、立ち上がりに得点できたのは大きいと思います。課題としては、追加点を取るチャンスがある中で、または相手のペナルティエリア付近にしっかり侵入できる攻撃が増えているわけですから、もうひとつ追加点を取って勝ち切るということです。そういうサッカーがやりたいなと思っております。その中でも、何度か相手に決定的な場面を作られている。そこをしっかりした守備で作らせない。やはり追求して行くことは、選手とともに完璧を求めていくべきなんじゃないかな、と思っております。それでも、勝ち点3を上乗せできることによって、彼らがそういうことを前向きに取り組んでいけると思いますので、そういう意味では、この西が丘の雰囲気に、モチベーション高く試合をやって、良い形でここをあとにできるのは非常に大きいと思います。そし て、選手に自信を与えることもできますし、信じて進むことができるんじゃないかなと信じております」

――プロ初ゴールを決めたことに加え、3つのポジションをこなした澤井選手に対する評価をお聞かせください。

「短い時間の中で役割を果たせる選手だということは、キャンプやトレーニングマッチ、メンバー外のトレーニングの中からコーチを含めて確認をできています。選手によっては難しい仕事だと受け止めることもありますが、彼はそれを自分のチャンスにしてきました。そういうポジションを移すという難しい状況の中で、彼の得点で勝利するという形を作った。そういった部分は彼のひとつの能力だと思いますし、ナイスプレーだったと思います」

――今日の試合会場となった味の素フィールド西が丘の印象について聞かせてください。

「こうやって数試合ここで行うことで、難しい試合を我々らしさが出る形で勝利する試合が何度かありました。そう考えると、そういう雰囲気を作ったのが、会場でありサポーターでもあり、周りを支えてくれるスポンサーを含め、関わる人たちだと思います。ですが、我々は味の素スタジアムというホームグラウンドを持っており、そのスタジアムで同じ雰囲気を作り出すことが、我々のクラブの宿命だと考えています。たとえ、場所が変わっても自分たちの行うサッカーが人々の心を揺さぶるようなものにすることで、会場が少し大きくなっても同じような現象が生まれてくればいいなと思っています。今の状況で次の試合でいきなり雰囲気が変わるということは思いませんが、積み重ねていくことで、いつも来てくれた人が感動するようなサッカーをやっていきたいです。それはチームが勝ち続けることでそうなるのか、またはサポーターや周りの人たちがそういう雰囲気を作って行くのかはわかりませんが、共に我々は東京ヴェルディをそういうクラブにしていきたいと思います。正直なところ、素晴らしいピッチコンディションを保ってくれていますし、サポーターにとっては非常に良いサイズのスタジアムでありますし、そういうものを加味すると、今日のような良い雰囲気の要因になっているのではないかと感じています。こういう試合でも勝ちと負け、引き分けでは大きく違ってきますし、同じ内容で同じような試合をここでやったことがあります。それはこの前の天皇杯(北九州戦)です。非常に良いサッカーをやっても結果が出なければ、ここに流れる雰囲気は変わってくると思います。そういう意味ではチームが結果を残し続けることで、サポーターとスタジアムの雰囲気を変える要素となると思いますので、これからも努力していきたいです」

――後半の立ち上がりに勝負を仕掛けるつもりだったのでしょうか?

「正直、後半の立ち上がりに勝負をかけるという指示は出していません。ただ、攻撃をよりスピーディにするため、こういうボールの動かし方をしようという指示は出しました。それを彼らが立ち上がりからやりました。それが得点につながったと思いますし、1点取ってから攻め込まれる時間が少し長かったですが、井林を入れることで、また我々の時間になった中での攻撃もうまく相手のスペースを見つけることができていました。水戸は非常に守備の堅いチームで、4-4の守備ブロックを作ってスペースを与えない守備をしてきます。そういう意味では非常にうまく攻めていたと思います」

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