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MATCH試合情報

2014 Jリーグ ディビジョン2 第30節 - 東京ヴェルディ vs カマタマーレ讃岐

マッチレポート

【試合展開】

直接対決を迎えた。20位のヴェルディと21位のカマタマーレ讃岐との一戦。両者の勝ち点差は7。残留を争う順位にいる両者にとって、ともに勝利を譲れない一戦となった。勝ち点差を10に開かせたいヴェルディは、右手の骨折から復帰した佐藤優也をスタメンに起用し、警告累積による出場停止が明けた鈴木惇と澤井直人も戻ってきた。

昼過ぎから降り始めた雨は止まず、ピッチを雨が打ち付ける中でキックオフした試合は、技術力で勝るヴェルディがスリッピーなピッチコンディションをものともせずにボールをコントロールしてペースを握っていく。しかし、讃岐が自陣に閉じこもって守備を固めると、バイタルエリアのスペースを消されて攻め手を失ってしまう。杉本竜士が積極的に仕掛けてミドルシュートを打ったが、ゴール前に人を割いて守る讃岐の守備を崩し切ることができない。サイドを広く使った攻撃も、相手を引き出すには至らず、クロスボールはことごとく撥ね返された。相手はFW木島のカウンター狙いだが、クリアボールはことごくヴェルディが拾い、連続して攻撃の機会を創出していた。だが、ゴールをこじ開けることはできず、前半をスコアレスで折り返した。

攻め手を緩めず、落ち着いてゴールを狙い続けたいヴェルディだが、後半に入ると攻め切れないもどかしさから攻守のバランス感覚が崩れてくる。相手のカウンターに対して遅れて守備に回るようになり、センターバックが追走してギリギリでクリアする場面を作られる。それでもボール支配は変わらず、ほとんどの時間を相手陣内でボールを回して過ごした。足りないのはゴールだけ。その焦りからか、丁寧にプレーをしようとするあまり大胆なフィニッシュは減り、横につなぐ形が増えていった。そして、77分にカウンターから一瞬の隙を突かれ、高橋泰に抜け出されてゴールを奪われる。リードを奪って徹底して守備を固める相手に対して、ヴェルディは攻撃的なカードを次々と切ったが、どれも決定打にはならずにノーゴール。ホームの利を生かせず、直接対決で敗れて勝ち点4差に詰め寄られる結果となった。次節は、敵地に乗り込んで栃木SCと対戦する。

 

 

 

【試合後選手コメント:DF 34 安西 幸輝選手】

――今日の結果について率直な感想をお願いします。

「絶対落とせないゲームでした。相手が始めから9人のブロックを敷いて守ってくることは分かっていたのですが、攻めあぐねてしまいました。自分が出た時もブロックをこじ開けることは難しかったです」

――前半は比較的フィニッシュに持ち込めましたが、後半はなかなかフィニッシュの形を作り出せませんでしたね。

「自分が出る前から攻めあぐねていて、出る時は攻撃を活性化させてこいと言われていましたが、それができませんでした。やっぱり、自分で仕掛けていく選手が少なくて竜士君(杉本選手)がどんどんボールを受けに中盤へ下りてきて、そこから仕掛ける形が多くなってしまいました。自分もドリブルを得意とする選手なので、もっと積極的に仕掛けて、空いた味方にボールをつけていくプレーを意識してやりたかったです。ただ、ああいう時間に失点をしてしまい、終盤はパワープレーが多くなって自分たちの良さを出し切れなかった印象です」

――前節から今日の試合を迎えるにあたってメンタル的に意識したことはありましたか?

「ここ最近は自信を持ってプレーすることができているので、出たら結果を残してやろうという気持ちでプレーしています。サイドハーフかサイドバックのどちらでプレーするかは分かりませんが、与えられたポジションで結果を出そうということは意識しています」

――左サイドハーフでのプレーでしたが、一番意識した部分はどこでしょうか?

「足元で受けたり、裏を突く動きを意識していました。足元でボールを受けた場合には、どんどん相手に向かって行くドリブルをしていこうと思っていました。また、相手の右サイドバックがあまりスピードがなかったので、どんどん裏を取ろうと思っていたのですが、思った以上に相手が引いていたので、スペースがなくて上手くいきませんでした。今日はあまりボールを受ける回数が多くなかったのですが、積極的に仕掛ける姿勢は今後も続けて行きたいです。自分の自信にもなりますし、監督もそこを評価して使ってくれると思います」

――連敗脱出の懸かる次節の栃木戦に向けて意気込みをお願いします。

「今はチームが悪い状態にあるので、自分のストロングな部分をどんどん出してチームを活性化できるように、練習から頑張っていきたいです」

 

 

【試合後選手コメント:GK 1 佐藤 優也選手】

――今日の結果について率直な感想をお願いします。

「終始、自分たちがボールを握れる時間があった中で、相手の木島選手や途中から入った高橋選手を警戒しながら常にリスク管理をしていたのですが、本当に一瞬の隙でした」

――失点場面を振り返ってください。

「先程も言いましたが、リスク管理という部分や準備というところで一瞬の隙があれば、やられてしまうと思っていました。その通りにやられてしまった印象です。うまくこぼれ球が相手の足元に入って相手にとってもラッキーな得点だったと思いますが、1点の重みや一瞬の隙を感じさせられました」

――チームとしては前半からいくつかチャンスを作っていましたね。

「自分たちがボールを握れる時間が多く、そういう展開の試合をしていた中でどうやってゴールを獲りきるかという点やリスク管理について話しながらやっていました」

――磐田戦以来の復帰でしたが、ご自身のプレーを振り返ってください。

「このピッチに立つことは自分一人ではできなかったことですし、色んな人の助けを借りました。特に、リハビリの期間にトレーナーにお世話になりましたし、ドクターの存在や色んな人のサポートへの感謝の思いを持ちながらプレーしていましたが、勝てなくて申し訳ないです」

――ここ最近、難しい状況が続いていますが、今後に向けてどのように切り替えていきますか?

「良い意味で開き直ってやっていくしかないことは、みんなが思っていることだと思います。過去を変えることはできないので、未来を変えていけるように良い意味で開き直って、次の試合に向けて準備していきたいです」

 

 

【試合後選手コメント:MF 14 鈴木 惇選手】

――前半はヴェルディペースで進んだ中、こういう結果に終わりましたが、試合の感想をお願いします。

「試合全体や結果を考慮すると、自分たちが讃岐のペースにハマってしまったのかなと思っています。自分たちがボールを持ってフリーキックのチャンスなどもかなりありましたが、相手はそういうことを含めて我慢して、ああいうワンチャンスをきっちりモノにしてきました」

――前半は前線の選手に積極的に速いクサビを入れていた印象でしたが?

「外で回していても変化はしないですし、どこかで無理をしなければならないと考えていました。そういう縦のボールだけでなく、サイドへの大きな展開やミドルシュート、ドリブルなど、もっとバリエーションがあれば、相手の守備も混乱すると思ったのですが、そういう崩しには至らなかったです」

――残留を争う相手との対戦という状況が影響した部分はありますか?

「もちろん、直接対決という意識はありましたし、練習の中でも相手のモチベーションの話も出ていました。ただ、もう終わったことなので…。幸い、順位を引っくり返されたわけではないので、自力で残留するために次へと切り替えていきたいです」

――後半相手が2トップに変えて攻撃に出てきたことで、やりにくさはありましたか?

「正直、後半は相手のカウンターが最後まで終わり切る場面や、自分たちがファウルを取られてもおかしくない形が多かったです。その点で後ろのことが気になってしまった部分はあります。ボールの失い方も悪かったので……」

――ここ2試合無得点に終わっている要因について教えてください。

「もちろん、崩しの場面や最後の精度ということもありますが、崩しのバリエーションをもっと増やして行かなければ難しいです。今日で言えば、ミドルシュートだけでなく、サイドでもっと数的優位を作るなど、変化を付けられると思うので、何かひとつではなく、全てを改善したいです」

――次節の栃木戦に向けて意気込みをお願いします。

「まだ、細かい栃木のスカウティングはやっていないので、まずは今日出た自分たちの課題、崩しの部分や攻撃の終わり方を気を付けないと、今日みたいにカウンターからワンチャンスを決められてしまうので。もちろん、自分たちの課題だけでなく相手もあることなので、まして栃木は自分たちよりも上の順位にいるので、相手の良さを消すということも考えたいです。とにかく、これからの1週間でしっかりと準備したいです」

 

 

【試合後監督コメント:三浦泰年監督】

――試合を振り返ってください。

「順位を考えた時に、今日は決戦であったわけですから、やはりお互いに結果にこだわっていく中で、ホームというアドバンテージをしっかりと使って、前半に先手を奪うための準備をしてきました。しかし、なかなか引いて守る前半の讃岐を破るまでには至らなかったです。また、後半になると、どうしても自分たちが焦れたり、イライラしてくることが考えられる中で、しっかりとプレーする延長に得点がある、だからこそ慌ててはイケないというところを強調しました。ボールをもらいたがる選手のためにスペースを空ける選手が出てきたり、みんなが特にやりたがる、ないし自分がやらなければという意識を持っているが、守ることにかなりウエイトを持ってプレーする相手に対して、うまくいなすことや、うまくボールを動かすことが最終的にまだまだできませんでした。そういう状況の中で、相手の経験ある高橋選手にゴールを決められてしまいました。これからもっともっと自分たちができるサッカーの幅を広げなければならないですし、こうやって若い我々に対しても、自分たちが構築したサッカーをするのではなく、結果にこだわった戦い方をする相手、自分たちに合わせずに何とか勝機をうかがうような相手、またはそれ以外の相手など、どんな相手が来たとしても、それを打ち破るチームにしていかなければならないと思います。内容的に見て最悪の試合だったとは思いませんが、冒頭でも言ったように今日は勝ち点3を必ず取らなければならなかったわけですから、悔しさは非常に残りますし、この負けは大きいです」

――前半に関してはヴェルディが押し込んでいるように見えましたが、監督としては相手にうまく守られていた印象だったのでしょうか?

「映像をチェックして明らかにしていく必要はありますが、自分がハーフタイムにロッカールームに戻ってきた印象では、讃岐は前半を0-0で終えて御の字で、ここからが勝負だという気持ちで前半を折り返したという感じだったと思っています。我々はホームでもあるので、前半に強力にプレスをかけて高い位置でボールを奪って、何とかゴールをこじ開けるというのが、大事だと思っていました。結果、それができなかったので、後半はより前半のスタートよりも難しい展開になると思っていました」

――今日の敗戦の一番の要因はどこにあると考えていらっしゃいますか?

「最初に言ったように、自分たちが点を取らなければ勝てないわけですから、スコアレスの引き分け狙いで行ったわけではない中で、どうやってグループで点を取るかの訓練は必要なのかなと思います」

 

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