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MATCH試合情報

2016 明治安田生命J2リーグ 第6節 - ファジアーノ岡山 vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

前節、ホームで迎えたダービー『東京クラシック』でFC町田ゼルビアにまったくいいところなく敗れ、内容の部分でもまったく期待に応えられなかったヴェルディ。切り替えて迎える今節は、3勝2分けで開幕から未だ負けなしの3位ファジアーノ岡山の本拠地に乗り込んでの戦いとなった。立て直しを図るヴェルディは、陣容を大きく変えた。高木大輔をスタメン起用してアランと2トップを組ませ、中盤はボックスからダイヤモンドにシフト。沖縄キャンプの初日に負傷してようやく戻ってきた中後雅喜をアンカーに起用し、右サイドMFに高木純平、左に高木善朗、トップ下に南秀仁を置いた。最終ラインも左サイドバックの安在和樹に代えて大木暁を配置し、フレッシュな形でこの一戦に臨んだ。

序盤はともに球際へのプレッシャーが早く、ボールが落ち着かなかったが、ヴェルディが徐々にボールを持ち始める。キーとなったのはダイヤモンド型に並んだ中盤の4選手。中後が長短織り交ぜたパスで中盤を組み立て、守備でも相手を一枚上回る対応でボールを奪い、簡単にクリアせずに大切にマイボールを扱う。両サイドMFの堂々とした局面の打開で縦方向にボールを運ぶと、南が前後左右に動き回って積極的にボールに関与し、各局面で数的優位を保って試合を進めていく。相手が割り切ってブロックを作る中、パスワークでブロックを切り崩し切れないと見るや、サイドバックの安西幸輝が果敢に仕掛けていき、ドリブルから積極的にミドルシュートを狙ったり、スペースに飛び出してサイド攻撃で変化を加えた。前半の絶好機は38分。右からのコーナーキックを中央で井林章が頭で合わせる。相手GKの好守に阻まれたが、流れの中からもセットプレーからもチャンスを創出した。

ハーフタイムに冨樫監督は、攻守のポイントを強調した。守備では、ロングボールを多用して押し返そうとしてくる相手に対して、後方のボールホルダーに対して、2トップが前半以上に早くチェイスしてファーストディフェンスをすること。攻撃では、これまでのパスワークに加えて、3人目の選手が逃げるような動きから攻撃に絡んでくること。連動性を意識して、相手の守備ブロックを崩す試みを目指した。

攻守両面のポイントを押さえ、チームは前半同様に試合を支配した。セカンドボールを拾い、中盤での優位性を保って、バイタルエリアに複数の選手が入ってきてフィニッシュを目指す。しかし、後半半ばに高木純が負傷交代したところから流れが変わってくる。セカンドボールへの反応が鈍くなり、守備が下がりながら対応する場面が増えてマークを捕まえ切れなくなる。ここから立て続けに相手に決定機を与え、サイドから崩されてきわどいシュートを放たれる。そして球際への寄せが遅れたところでセットプレーを与え、ゴールに向かって縦に入ってくるフリーキックから、密集でマークをブロックされて片山にフリーな状態から頭で合わされて失点した。ベンチはすぐに動く。高木純に代えたばかりの澤井直人を下げて北脇健慈を、アランに代えて平本一樹を投入する。この交代が功を奏した。出色の出来だったのは北脇。右サイドMFに入ると、縦への積極的な仕掛けと安西とのコンビネーションでバイタルエリアに侵入していく。ボールを奪われても、持ち前の球際への執念のアプローチで相手を圧する。そして迎えた89分、左サイドから大木、南のワンツーから大木がバイタルエリアの中央へ。ここはDFにつぶされたが、こぼれ球を拾った北脇が左足を強振。強烈なシュートはGKが懸命に伸ばした手よりも早くゴール右隅へ突き刺さった。

試合を支配しながらもなかなか決め切れずに相手に先手を許す嫌な展開だったが、北脇の“らしさ”が詰まった強烈なミドルシュートで勝ち点1を持ち帰ることができた。次節、ホームで迎えるV・ファーレン長崎との一戦が、この勝ち点1の価値を大きくするための序盤戦のキーポイントとなる。

 

【試合後選手コメント:MF 8 中後雅喜】

――試合を振り返ってください。

「勝てなくて残念ですけど、最後にああいう形で追いつけたので、プラスに考えたいと思います」

――他の選手と比べると怪我で出遅れた分ブランクがありましたが、プレーの感覚はいかがでした?

「まずチームに迷惑を掛けましたし、メディカルスタッフに支えてもらって感謝したいです。ようやく自分としてはシーズンがスタートできたので、5試合出られなかった分もこれからという気持ちがありましたし、勝利がチームとして必要ですし、それに貢献できるように思って頑張りましたけど、なかなか結果にはつながらずに残念です」

――試合のペースはヴェルディが握っていたように感じるが。

「前半はペースを握っていた部分もありましたけど、そこで得点を獲れなかったですし、後半は相手もウチの戦い方に慣れてきた部分もあったので少し修正してきました。そこで僕らが前半のような戦い方がしずらくなったというか、できるところもあったけど相手のプレッシャーを感じて上手くいかなくなったとか、そこで対応しきれずにちょっとしたミスをしたらいファウルをしたり、ゼットプレーから失点してしまって残念です。ただ、最後に健慈が点を決めてチームを盛り上げてくれたので、すごくよかったと思います」

――次節に向けて意気込みをお願いします。

「ホームで3試合戦って2勝1敗ということで、ホームで連敗は絶対にしてはいけないですし、チームとしても2試合勝てていないので、勝てるように良い準備をしていきたいと思います」

 

【試合後選手コメント:FW 29 北脇健慈】

――同点ゴールの場面を振り返ってください。

「自分が出る前は岡山の流れだったので、少しでもウチの流れにできればなと思っていました」

――前節に続いて途中からの出場でしたが、今日の試合はどのように見ていましたか?

「前節はシュートが打てなくて、自分が出てから失点してしまったので、自分の中ですごく反省していました。次に出た時にはしっかりシュートを打って結果を出そうという気持ちで試合に入りました」

――思い切りのいいシュートでした。

「ゴールは見ていなかったですが、自分の感覚ではあそこにあるなと分かっていたので、上手くゴールに入って良かったです」

――アウェイで勝ち点1を持って帰ることが大きいと思うが。

「本音を言えば、勝ち点3をとってサポーターの方たちと喜びを分かち合いたかったんですが、アウェイだったので最低でも勝ち点1をとれて良かったのかなと思います」

――次節に向けた意気込みをお願いします。

「前節の町田戦でホームで不甲斐ない試合をしてしまい、申し訳ない気持ちで一杯です。次のホームでの長崎戦で皆一丸となってサポーターの皆さんと戦いますので、一人でも多くの方にスタジアムに来ていただいて、一緒に戦いたいと思います」

 

【試合後選手コメント:DF 19 大木暁】

――今シーズン初出場ですが、感想を聞かせてください。

「初出場なんですが、今日はチームに迷惑をかけてばっかりで、負けなかったというのが唯一の救いです」

――左サイドバックはヴェルディでは初めてのポジションだったが。

「慣れないポジションではありますけど、慣れないなりに走ろうと思ったんですが、後半は走れなくてチームには迷惑を掛けました。ひとつ前のポジションが善朗で、善朗を簡単に使っていこうと思っていたんですがそれもできなくて自分としては不甲斐ない試合でした」」

――思った以上にスペースを期されていた?

「前半はやっぱり脇はスペースができていたので、そこを善朗と僕で上手く使っていこうと話していたんですが、前半は上手くいったんですが後半はちょっと相手のペースに呑まれてしまったのかなと」

――今日の1-1という結果をどう捉えていますか?

「前半のうちに点を獲れるチャンスはあったので、後半もあの流れでいこうとなったんですが、相手の勢いに呑まれてしまった。1点取れたのは健慈君に感謝です。引き分けでもポジティブに捉えていこうと思います」

――次節への意気込みをお願いします。

「次節は出られるか分かりませんが、また出られるかは分かりませんが、1日1日の練習を大事にして、また試合に出られるように頑張りたいです」

 

【試合後監督コメント:冨樫剛一監督】

――試合を振り返ってください。

「前節、自分たちがまったく戦うこともできずに敗れてしまったので、そこの修正をこの1週間してきました。選手たちは非常にモチベーション高く、また自分たちの大事にしているもの、ボール、ゴールというところで積極的にサッカーをしていってくれたと思います。前半、自分たちが支配している中、どうやってゴール前に入っていこうかということでハーフタイムに少し選手たちと修正して後半に臨んだんですが、少しアクシデントもあって選手交代を余儀なくされてちょっとリズムが悪い中で、リスタートから岡山の得意な形で失点しました。ただ、自分たちがずっと言っていたのは、90分間ある中で終盤に自分たちのチャンスが来るから粘り強くやっていこうという中で、選手たちも気持ちを切らさず、またリスタートに関しても中で修正し、それ以降のリスタートを我慢しながら自分たちのチャンスを待ちました。途中交代した北脇の積極的なシュートでゴールを獲れたことは、彼自身の努力もあるし、チームとして獲ったゴールだとも思います。この勝ち点1は、僕たちにとって非常に価値のあるゲームになる、ここから前を向いて戦っていくキーになるゲームになるのではないかなと感じています。遠く岡山までサポーターも来てくれて、1週間前節から色々と心配してくれていましたが、自分たちはここからしっかりと前を向いて残りのリーグを戦っていきたいと思います」

――高木純平選手が代わってから相手に決定機が続きましたが、これは単純に交代したからなのか、それとも同時に問題が引き起こされたのでしょうか?

「少しマークを見切れなくなってきてセカンドボールを前向きに取られる回数が増えてきてしまって、それで守備が後ろ向きになってきたのかな、と。なので、少しダイヤモンドの4-4-2からフラットな4-4-2に移行するところでファウルをしてしまってフリーキックを与えてしまったので、そこは自分の中で非常に悔やまれるところです」

 

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