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MATCH試合情報

2016 明治安田生命J2リーグ 第9節 - 東京ヴェルディ vs 水戸ホーリーホック

マッチレポート

【試合展開】

前節、後半に追いついて3試合連続でドローと、勝利にこそ届かないものの粘り強く勝ち点を積んできたヴェルディ。3節以来の勝利を得たいチームは、前節と同じメンバー編成で、システムを4-4-2から4-2-3-1に変えて水戸ホーリーホックとのホームゲームに臨んだ。

結論から言うと、試合の流れはFC町田ゼルビアとの一戦とほぼ同じだった。水戸は起点となるFWにロングボールを蹴り込んでこぼれ球を狙うシンプルな戦い方を徹底。守備ではヴェルディの最終ラインへのプレスとボランチへのパスコースを切ってGKまで戻させ、GKに長めのクリアをさせて、それを撥ね返してセカンドボールを拾って攻撃を作る。ヴェルディはこの単調な流れを変えることができず、柴崎貴広からのフィードをことごとく拾われて、自分たちの意図する流れに持ち込めない。14分にはカウンターからサイドを突破され、ファーサイドでフリーでシュートを打たれる。これは柴崎がセーブしてことなきをえたが、36分にゴールをこじ開けられる。最終ラインの背後にボールがこぼれると、柴崎が相手のFWの足元に飛び込んで触ったボールが後方にこぼれ、これを相手に拾われて押し込まれて失点。反撃に出る姿勢はあるものの、チームとして攻撃の組み立てをどうするのかハッキリとしないまま前半を折り返した。

チームの覚醒を期して、冨樫監督は強い口調で選手のプレーに対する姿勢に変化を求めた。ここ数試合は前後半で別の表情を見せていただけに、今日もここから巻き返しに出たかった。しかし、その出端を挫かれる。仕切り直した直後こそボールを保持して前への圧力を強めていくが、60分にコーナーキックから失点。反撃に出たいがブロックを固める相手に対して攻め手を見出せず、ボールをつなぎながらも細かいミスが続き、また個々の距離感も上手くつかめない。相手のプレッシャーを避けようと後方でボールを動かしているところでミスからボールロストし、そのままショートカウンターで3失点目。怪我人も相次ぎ、途中交代で投入されたアランが膝を負傷して交代する不運もあって、攻撃のテンポもつかめずに時間だけが過ぎていった。終盤に入っても煮え切らない展開に変化はなく、0-3というスコアで敗れた。

ホームでの敗戦、しかも複数失点で受けたショックは計り知れない。ここからどのように立ち上がり、どのように前を向き、どのように勝ち点を獲り返していくのか。チームとしての方向性を再度共有して、ゴールデンウィークの連戦で立ち直るきっかけをつかみたい。

 

【試合後選手コメント:MF 8 中後雅喜選手】

――試合を振り返ってください。

「今日は完敗でした。入りから相手に狙い通りの戦いをさせてしまったので、そこがよくなかったと思います。前半のあの時間に無失点で耐え切れればよかったですが、あの時間帯に決められた部分がもったいなかったです。後半に関しても気持ちを入れ直して、いつものような形になってきた中で、セットプレーからやられてしまったので、残念でした」

――セカンドボールが拾えない展開の試合が続いていますが。

「ちょっとロングボールを多用してくるチームが多いですし、前線に高さのある選手も多いので、その中で拾えていない状況が多いです。井林もタム(田村)も頑張ってくれていますし、僕とか(高木)純平が良い位置を取ってやろうとしていますが、なかなか拾えていないです。もっとコンパクトにして、予測や読みを利かせていかなければならないですね」

――キーパーからのビルドアップの部分で苦戦していますが。

「キックの精度の問題もありますが、もちろんウチの前線に対して、相手のセンターバックはどのチームもヘディングが強いので、工夫は必要です。前半に関しては田村と井林、シバ(柴崎)も含めて、ゴールキックをどうするのか、という部分でズレを感じていました。それは話をしましたが、全員が考えていることを1つにして、受けるなら受ける、蹴るなら蹴る、ということをハッキリさせなければならないですね」

――厳しい戦いが続く中で一番の改善点は何でしょうか?

「全て変えなければいけないと思いますが、結果が出ていないのが明確なので、これから色々と話があるかもしれませんが、僕たちとしては今までやってきたことを大きく変えず、続けていくことも大事ですし、その精度と質や運動量、コンビネーションを上げていく必要があります。だから、改めて何かを変えるということではなく、しっかりと今までやってきたことをやっていきたいです。今日の敗戦もありますし、次から連戦なので、頭を切り替えてしっかりとコンディションを整えて、次に向かっていきたいです」

 

 

【試合後選手コメント:MF 30 高木純平選手】

――試合を振り返ってください。

「入りから相手の熱の方が上回っていたと思います。入りが失敗したなという印象です」

――試合前のスカウティングで相手が前からプレッシャーに来ることは予想できたと思いますが、実際対峙した感覚はいかがでしたか?

「前からのプレッシャーは速かったですが、それでもイケるかなという感じもありました。ただ、そういう相手の熱にやられたのかなと思います」

――町田戦の敗戦後にこういった相手に対して、どう戦うのかという部分をチーム全体で話し合ったと思いますが、今日の苦戦の原因は何処にあると考えていますか?

「そこが不透明だったと思います。チームとして、それでも回すのか。そうなった時に一旦押し込むのか、時間が落ち着くまで。そこが不透明だったと思います」

――互いにロングボールが増えてセカンドボールを拾えるか、という展開のゲームでしたが。

「まずは向こうに逸らされるのが多くて、自分たちが撥ね返すことができなかったことで、セカンドボールを拾えなかったというよりも、拾わせてもらえなかった要因の1つだと思います。そこで弾くのか、逸らされて次の選手に走られてキープされると、前にいる選手は何もできなくて、戻るしかないので、そこはひとつ潰しにガツンと行ってほしかったと思います。あまりに負けるシーンが多かったです」

――前半から厳しい展開を強いられた中、ハーフタイムにはどういった話し合いをしたのでしょうか?

「前向きにやるしかなかったですし、1点ビハインドでこの前も追いつくことができたので、まだ45分間ありましたし、後半の入りは悪くなかったと思います。ボールも繋げていましたが、2点目を食らってから崩れてしまいました。コーナーキックでしたが、少しもったいなかったです。あそこは辛抱したかったという感じです」

――セットプレーの守備はここ数年の課題ですが。

「あとは個々の我慢強さだと思いますし、マンツーマンで付く選手の責任だと思うので、そういった責任をどれだけ持てるか、相手に絶対にやらせないという思いでやれるか、それに尽きると思います」

――2失点目から崩れてしまった印象ですが。

「ぐだぐだと行ってしまいました。それでも、やらなくちゃいけないですし、“じゃあ、止めます”とはできないので、何とかそこでもがいてもがいて、次に繋がる何かを見つけたかったです。今日のように何となく終わってしまったという試合は、もやもやずっとするというか、家に帰ってももやもやするのが、こういった試合では続くので、もちろん反省する部分は反省して、しっかりと次に前向きにやっていかないとダメですね」

――ボールを持った時に周囲の動きの量が少なかった印象でしたが。

「僕はシンプルにプレーしたかったので、ただ前の選手にボールを付けて、それを追い越す。もう一回出して、もう一回動くことをやりたかったです。ただ、今日は僕が前にかかろうとする際に、横に出して自分で前を向いてドリブルで仕掛けようとした時に、パスが出て来なかったです。せっかく、前にかかろうという部分で“南”と声をかけて横にちょっとボールを出してくれればという場面でボールが来なかったです。そういう意識の共有をもっと練習の中から確認すべきでした」

――次の試合に向けた明確な改善点はそういった意識の共有の部分でしょうか?

「それしかないですね。“お前はどうしたいのか”、“俺はこうしたい”という意見をぶつけ合って、まだ間に合うと思うんです。別にまだ取り返せる時間はあるので、だからこそチームとして固まっていない部分があるので、それをしっかりと固められるように、もっともっと話し合っていかなければならないと思います」

 

 

【試合後選手コメント:DF 5 平智広選手】

――厳しい状況での投入でしたが、意識した部分を教えてください。

「2失点していてあと1失点したらゲームが終わってしまうという気持ちで入りました。入った際のチームの雰囲気もよくなかったですし、決定的な3点目が入った後も、全然良い方向に向かなかったので、今日の敗戦からすぐに切り替えて次に繋げるしかないと思います」

――初めてのセンターバックでのプレーでしたが、ベンチから戦況を窺っていたなかで、意識した部分を教えてください。

「しっかりと後ろから繋ぐことを意識して、相手も点差があって全然前から来ていない状況でスムーズに後ろから繋げたと思います。ただ、相手の高い選手に競り負けてピンチを招く部分もあったので、そういう部分は改善していきたいです」

――次からの連戦に向けてチームとしてどのように切り替えていくことが必要ですか?

「来週の練習から皆が真剣に取り組まないと、この流れを変えられないと思うので、まずは次の試合に向けてまた1週間チーム全体で準備して頑張っていきたいです」

 

 

【試合後監督コメント: 冨樫剛一監督】

――試合を振り返ってください。

「前半のスピードの上がらなさや積極性のなさ、そういうところで前半ボールをキーパーが蹴ってそのセカンドボールを相手に拾われる悪循環の中、前線と最終ラインが間延びしたところを一発でやられてしまいました。後半自分たちが戦っていくうえで、準備の速さ、ボールの動かし方、選手交代を含めて、さあここからという時に、2点目がすごく重くのしかかってしまったと思います。そういう戦術的な部分よりも、水戸の方が危機感があって、走って、戦ってというところで上回られてしまったのが、一番の敗因だと思います。ここから連戦になっていく中で、準備の時間も少ないですが、トレーニングの中でしっかりとフレッシュに戦える選手を選んでゲームに出して、皆さんの応援できるような戦い方を次のゲームに表わせるようにしていきたいです」

――スピードの上がらなさが顕著だった前半に平本選手に盛んに指示を出していましたが、どんな指示を出していたのでしょうか?

「今日平本はトップ下のところに入っているので、前線と中盤のラインが空き過ぎないように、自分たちのチャンスはほとんどがセカンドボールを拾った時にギャップで受けて前にドリブルを仕掛けた形だったので、そういうところは平本、南、(高木)善朗が相手の脅威になると思ったので、平本の仕事量を増やすようにと伝えました」

――悪循環に陥った中で監督から選手たちに伝えたことは何だったのでしょうか?

「自分たちがゴール方向に向かう力強さだったりというところで、守備も攻撃もある時は良い動きができているので、前半は特にキーパーがボールを持った時に背中を向けていることが多かったので、しっかりとボールを見て前を見てやっていこうという話はしていきたいと思います」

――以前からのヴェルディらしい中盤でのパスワークがほとんど見られませんでしたが、その原因は何だとお考えですか?

「やっぱり、運動量というか、出入りというか、(ボールを)受けに来て受けられない時に、次の選手がまた出てくるとか、次の選手のためのスペースを空ける動きなどがすごく少ないのが、理由だと思います。その辺りはトレーニングで改善できるものだと思っています。時間はないですが、トレーニングの中で表わしていきたいです。今日は相手のプレッシャーがキツいという中で、本来であれば、それでもボールを付けていこう。マークされてもそこにボールを預けることによって、変化を起こしたり、そこのランニングで変化を起こしていこうというところでミーティングをしてきましたが、なかなかそういう形が表れず、全員が足元ないし、大きく蹴ってスタートしようというところで、少しチグハグなところがあったと思います」

 

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