株式会社アカツキ
ATHLETA
株式会社ミロク情報サービス
日本瓦斯株式会社
BRI
株式会社イーグランド
株式会社グッドコムアセット

MATCH試合情報

2016明治安田生命J2リーグ 第37節 - 北海道コンサドーレ札幌 vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

前節、勝ち点1差で迎えたモンテディオ山形との直接対決に敗れて順位を落としたヴェルディ。プレーオフ圏内の6位以上の道も断たれ、残る6試合でヴェルディとしての意地を見せ、来季に向けたスタートとして一つでも多くの勝ち点を積み上げることが求められる状況となった。仕切り直しで戦う今節は、敵地に乗り込んで首位の北海道コンサドーレ札幌との一戦。今シーズン未だホームで負けたことがないという難敵を相手に、支えてくれる人々に向けて自分たちの戦う姿勢を見せる絶好の機会を経た。重要な一戦を前に、キャプテンの井林章と中後雅喜が離脱。チームの中核を構成するセンターラインの大黒柱ふたりを欠く形となった。そこで冨樫監督がチョイスしたのは、井林の代わりに田村直也、中後の代わりに楠美圭史だった。そして、システムを4-4-2にして高木大輔をスタメンで起用し、キャプテンと副キャプテンが不在の中、クラブに対する並々ならぬ愛を持つ男の腕にキャプテンマークを託した。

 

キックオフ直後は、どちらかというとヴェルディが躍動感を持ってボールに関与し、高い位置でチームが連動して相手陣内で試合を進めた。しかし、フィニッシュまで持ち込めずに連係ミスからボールロストする機会が増えると、縦に早い札幌の速攻の前に徐々に陣形を押し下げられてしまう。特にアーリークロスをゴール前の都倉に当て続ける徹底したサイドアタック戦略の前に、チーム全体がバイタルエリアまで下がって対応するしかなく、セカンドボールへの対応も後手に回って主導権を握られた。9分には都倉にポスト直撃のシュートを打たれ、そのリフレクションのボールをゴール前で再び都倉に詰められてネットを揺らされるが、オフサイドの判定に助けられた。22分にはコーナーキックのショートコーナーから大きくファーサイドを狙うクロスで揺さぶられ、福森のヘディングシュートがポストに当たるピンチを瀬戸際でしのぐ。押し込まれていた印象は強いが、都倉を狙うボールに対しては、センタバックコンビが上手くマークを受け渡しながら身体を当てて自由を奪い、背後をとられても両サイドバックがしっかりと中に絞って入念ケアした。すると耐えに耐えたヴェルディにチャンスが訪れる。30分、都倉へのロングボールがオフサイドになり、安西幸輝が素早くリスタート。タッチライン際のハーフライン付近でボールを受けた高木善朗は、一度ルックアップして相手の背後のスペースへ緩めのパスを入れる。呼応した高木大がスペースへ走り込んでボールをペナルティエリア内に運ぶ。相手の最終ラインが完全に反応が遅れる隙にゴール前まで切り込むと、前に出てきたGKの脇を強烈なシュートで打ち抜いて若きキャプテンがチームに大きな先制点をもたらした。反撃姿勢を強める札幌は、なおもサイドからのクロスを都倉にあててゴール前に押し込んでくる。一歩も引かずに粘り強くボールをバイタルエリアから掃きだし続けるヴェルディ守備陣。前半終了間際には中央を割られて前にミドルシュートを打たれたが、これはゴールのわずか左へと逸れた。

 

ハーフタイムに冨樫監督が強調したのは、守備時のセカンドボールへの対応と都倉がシュートを打てなかった次の手に対する守備の約束事。そして、得点場面を例に挙げて、攻撃をシンプルに実践しやり切って終えることだった。

 

攻守のポイントを整理したチームは、攻勢を強めてくる相手を前に前半同様に粘り強くボールに対して足を出し続けた。再開直後の48分には、左サイドからの鋭いクロスを都倉に頭で合わされたが、最後までボールに反応して競り合ったため、強烈なシュートは枠のわずか上へと逸れた。ボール奪取地点が低いため、反撃は少数精鋭でカウンターを繰り出す形に限定された。それもバイタルエリアまではなかなかボールを入れられなかったが、前半同様に一瞬の隙を見逃さなかった。60分、ハーフラインを越えて相手陣内に入ってすぐ、高木善と右サイドMFにポジションを代えた高木大のパス交換でプレスバックしてくる相手の視線をボールに集めると。高木善が相手守備陣の背後をとってゴール右寄りの位置に入ったドウグラスを見逃さず、相手の頭を越える絶妙なアーリークロスを供給。相手DFの頭上を抜けたボールをコントロールしたドウグラスは相手GKのプレッシャーをものともせずにゴールへと流し込んで、勝利へと加速する追加点を挙げた。また守備でも勝利につながるビッグプレーが飛び出す。69分、左サイドからのクロスをファーサイドで構えた内村がワンタッチで合わせる。逆をとられた柴崎貴広は動けなかったが、ゴール左隅にボールが飛んでくるのを予見していたかのように安在和樹がゴールカバーに入り、身体を投げ出すような形でボールをかき出した。77分には不用意なファウルからゴール正面のフリーキックを与えて1点を失ったが、スタジアムの大声援を後押しにパワープレー気味に攻め込んでくる相手をことごとく撥ね返し続けた。

 

試合も終盤に突入すると、札幌もセカンドボールへの反応が鈍っていき、ヴェルディが拾ってカウンターでチャンスを作り出す。楠美に代わって入った二川孝広が左サイドでボールを収めて攻撃のリズムを作り出す。80分にはカウンターから高木大が右サイドを抜け出し、ニアでアランがDFをひきつけていると判断すると、グラウンダーのクロスでファーサイドを狙う。これに飛び込んでいた澤井直人がワンタッチ合わせたが枠を捉え切れなかった。アディショナルタイムに入ってからは、札幌もひたすらパワープレーを仕掛ける攻撃に終始。ヴェルディはウェズレイを投入してこれもことごとく撥ね返し、リードを保ったまま試合終了の笛を聞いた。

 

キャプテンという重責を背負いながらゴールという結果で応えてみせた高木大を筆頭に、ヴェルディらしいパスワークは鳴りを潜めながらも、泥臭く戦う姿勢と相手に隙を見せない高い集中力を見せることができた。5試合ぶりの勝利は、今シーズンホーム負けなしだった相手に土をつけたという事実も含めて、非常にインパクトの大きなものといえる。チームが戦いのベースに置いてきた粘り強さはピッチ上に戻ってきたということも印象強い。札幌に残したインパクトを次節からのホーム連戦で味スタに持ち込み、シーズン終盤を勝利の歓喜で彩りたい。

 

 

【試合後選手コメント:FW 18 高木大輔】

――得点の場面を振り返ってください。

「ディフェンスラインのウィークが裏のスペースだと分かっていましたし、ちょっとオフサイドかなと思ったのですが、副審が一番良い角度で見て入れくれたので。パッと顔を上げた時に角度がないのが分かったのですが、中に誰もいなかったので思い切り打とうと思ったのが良い結果につながりました。どこを抜けたのかは分かりませんでした。角度がなかったので、とにかく思い切り打とうというシュートでした」

――今日はキャプテンでした。今朝言われたんですか?

「ホテルでミーティングをした後に、皆が部屋を出る時に後ろから肩を叩かれて『キャプテンを頼むぞ。皆を盛り上げてくれ』と言われて、自分もそういうことをやることはキャプテンだからとかではなく、いつも自分がしていることをやることと、よりチームを前向きにさせる声を出すということを意識してやりました。最後は身体がボロボロになりながらでしたが、善朗も励ましてくれて、自分がキャプテンをした試合で勝てたことを嬉しく思います。でもそれも、今までキャプテンをしてくれたイバ君やチュウさんや南君が積み上げてきてくれたものが今ここにあるので、そういう面ではチーム全体としてまとまれた試合だと思います」

――勝った後は真っ先に冨樫監督のもとへ行きました。

「冨樫さんは、ベンチの皆と握手していて最初は気付いてくれず、土肥さんが先に気付いてくれて喜びを分かち合いました。終わった後に、しっかりと話ができました(笑)」

――ここ一番で大きな働きでしたね。

「いつ出てもいいような準備はしていましたし、そのチャンスがたまたまこうした首位のチームとの試合に出ただけで、日頃の練習を一生懸命に取り組んできて良かったと思いますし、いつかチャンスは来ると思っていたので、それがまさか急にスタメンでキャプテンまで付いてくるまでは予想していませんでしたが、結果を残す自信はありました」

――途中足を痛めていましたが。

「増川選手の足が入ったのですが、痛いなんて言っていられませんでしたし、できるところまで出し切ることだけを考えていました」

 

 

【試合後選手コメント:DF 6 安在和樹】

――まず何より、ゴールになっておかしくないボールを見事なカバーでクリアしました。

「何かきそうだという感覚があって、ゴールカバーに入ったら、本当にボールが来ました。自分の中で、ボールの軌道と状況を見て読んだ形です。実は、ボールが飛んでこないだけで、いつもちゃんとケアしてゴールカバー入っているんですよ(笑)。今日は、ついに来たな!という感じです」

――ヴェルディが決して調子が良くない中で、首位を相手に勝利したというのが大きいですね。

「大きいです。一人ひとりが戦って、気持ちを持ってプレーできたことですね」

――チャレンジ&カバーが徹底できていのは?

「今日に関してはそこも上手くいっていたし、一人ひとりが身体を張って、サッカーの大事なところがプレーで出せていたと感じています」

――追い込まれた結果として、そうなった?

「苦しい状況が続いていたので、皆そういう気持ちを打破したいと思っていて、そういう気持ちがプレーになったと感じています。順位も考えれば、現状の力量としては相手が上なので、チームとしてある程度の覚悟はできていました。その中でどう戦うかでした」

――試合終盤には、前に上がっていって、クロスから高木大輔選手にチャンスを作りました。

「センターバッグが3枚になったので、ようやく思い切って前に出られました。最後はマイボールにしたかったですが、ゴールキックにされてしまったのでまだまだですね」

――セットプレーでは都倉選手にマークになりました。粘り強さが買われた?

「僕も今日土肥さんに言われて、それは信頼を得ての判断だったのだと思うので、それに応えるべく絶対にやらせないという気持ちでマークについていました。センターバックを3枚にしてからもクロスがどんどん入ってきて都倉選手とやり合っていたので、競り勝ち切れてはいませんでしたが、身体を当てて自由にはさせていなかったと思います」

 

 

【試合後選手コメント:MF 28 楠美圭史】

――久しぶりの出場でしたが、スタメンを伝えられた時の気持ちは?

「練習からチュウさんが怪我でプレーできていなくて、自分もコンディションが上がってきている中で、もしかしたらあるかなというのは前の週から感じてはいました。常にいつでもいける準備はしてきましたが、いざスタメンと言われた時は、チームもこういう状況ですし、自分が入って良い方向に変えられたらと思って臨みました」

――ご自身のパフォーマンスの評価は?

「なかなかボールを持つ時間が少なくて守備ばかりで難しかったのですが、ボールを持った時に簡単なミスもありましたし、もっとチームとして守るために自分が声を出したりする必要はあったと思います。

――ただ、前半にも後半にも、楠美選手のインターセプトから反撃にチャンスにつながった場面もありました。

「あれは常に狙っていましたし、自分がインターセプトできるような守り方をすることは常に冨樫さんやスタッフにも言われていて、あれを試合の中で増やしていきたいですね」

――苦しい時間帯のチームコントロールのポイントは?

「正直、向こうがクロスだけという形だったので、でもセンターバックのタムさんと平君がしっかりと撥ね返してくれたので、自分はその後のセカンドボールを拾うところだったり、くさびが入ったところを潰そうと考えていました。チームとしてはしっかり我慢できたと思います」

――この勝利をどのように残る試合につなげたいですか?

「自分が出場して勝った試合は、今シーズンは今日が初めてだったので、本当に嬉しかったです。ただ、早く足をつってしまったので、今度はもっと長く出られるようにしたいですし、この勝利を良い方向に結び付けられるように練習でしっかりと生かしたいです」

――自分たちの立場をどう捉えて準備をしましたか?

「自分たちの今の立ち位置を素直に受け止めないといけないし、残留というのを目指す中で、首位のチームが相手でした。やはり色々なことを我慢しながらやらないといけないとは思っていたので、それを徹底して勝てたことがよかったと思います」

 

 

【試合後監督コメント:冨樫剛一監督】

――試合を振り返ってください。

「自分たちが置かれている立場と札幌さんが置かれている立場はまるっきり正反対だったと思いますが、自分たちは先週の山形戦の不甲斐ない敗戦から立ち返る試合にしようとトレーニングをしてきました。怪我人が少しいた中で、チャンスをもらった選手たちが、思い切って、覚悟を持って、責任を持ってピッチに立てるように全員で取り組んできた結果が今日のゲームだったかなと思います。ゲームの内容としては、なかなか自分たちの思うような時間は少なかったですし、前半の途中からある意味割り切った形の中で自分たちがシステムを変えて、札幌さんのストロングを迎え撃つような形にした。そして、少ないチャンスを生かすべく、前線の選手のモビリティに賭けたんですが、実際にそれが結果としてゴールにつながったというのは、ある意味札幌さんが思っているヴェルディではなかったから良い方に出たのかなとも思います。この1週間、スタッフも、会社のスタッフも、ある意味サポーターも良い仕事をしてくれて、このゲームを迎えさせてくれたので、結果を出すことができて本当に彼ら彼女らの頑張りに報いられたのかなと思います。ただ、まだ残り5試合も何も決まったゲームはないので、チームとして思い起こせたこともあると思うので、またチーム一丸となって連戦を強い気持ちを持って戦っていければと思います」

――怪我人が出た中で、久しぶりに出場した高木大輔選手に、どのタイミングでキャプテンを任せると決めたのかを教えてください。

「今日、スターティングメンバーを決めたのは軽食前の散歩に出かけるエレベーターの前でした。そして11人を決めた時に、誰に腕章を巻かせるかなと考えた時に、大輔の顔が出てきたこと。そして彼との長い付き合いの中で、クラブへの想いというものを背負っても自分を出せるというところも含めて彼にしました。最後は足もつっていたと思いますが、集中力高くこの一戦に臨んでくれたと思います」

続きを読む

試合一覧へ