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MATCH試合情報

2020 明治安田生命J2リーグ 第4節 - 大宮アルディージャ vs 東京ヴェルディ

マッチレポート

【試合展開】

有観客に移行して最初の試合は、敵地に乗り込んで大宮アルディージャと対戦した。ビジターチームのサポーターが入場できないルールのもと、オレンジ一色の完全アウェイの中、連戦のスタートに臨んだ。ヴェルディのスタメンの大きな変化はGK。中断期間が明けた直後に負傷離脱していたマテウスが復帰し、移籍加入後初出場を果たした。高橋祥平が出場停止の最終ラインは、若狭大志と平智広が中央でコンビを組み、右サイドアタッカーに奈良輪雄太、左サイドアタッカーには福村貴幸を起用。前線では左ワイドストライカーに小池純輝を置いた。

 

堅牢な守備を誇る相手に対して、先制を許さないことがこの一戦の鉄則だった。そして、どんな局面でも相手のがっちりと固めた守備ブロックを崩すトレーニングを積んできた。しかし、鉄則はあっという間に崩れた。試合が始まったばかりの1分。実際にはストップウォッチが40秒ほどを刻んだところだった。右サイドからゴール前に鋭いグラウンダーのクロスを入れられると、ゴール前で処理できず、ファーサイドに流れたボールを渡部にワンタッチでゴールに流し込まれて、もっとも避けたかった先制を許す。その後は、予想通りに相手が守備ブロックを形成し、ヴェルディがボールを動かしながら相手陣内で攻め手を探る展開になった。前線でも無闇に飛び込まず、割り切って自陣のスペースを埋める相手に対して、ヴェルディは個々の距離感がいつもより長く、ビルドアップでミスが出て、カウンターで反撃を食い止めてはまた奪い返される悪循環に陥る。7分には左サイドでスピード感のあるパスワークからゴール前でシュートを放つも相手GKにブロックされる。18分には変化をつけようと佐藤優平が豪快にミドルシュートを放ったが、これは惜しくもゴール右上へと逸れる。その後は、やや停滞した中でビルドアップのミスから反撃を食らい、40分、45分とミドルシュートでピンチを招く。これはマテウスのファインセーブなどもあって凌ぎ、1点のビハインドで試合を折り返した。

 

ボールを持ちながらも積極性に欠けた前半を改善するために、ヴェルディはハーフタイムに小池と井上潮音に代えて井出遥也と藤田譲瑠チマを投入する。ボールを動かすことに終始した前半の停滞感を打破するように、後半序盤にキャプテンが仕掛ける。49分、右サイドでボールを持った藤本寛也が山下を囮にカットインして左足を強振。思い通りのインパクトでコースも突いたかと思われたが、やや相手GKの正面ではじき出された。前半以上に割り切った相手に対して、ヴェルディは交代カードを切りながら攻撃の活性化を図り、ボールを広く動かして大宮の守備の隙を狙うが、フィニッシュ手前でバイタルエリアに有効なボールが入らない。この日最大のチャンスは、終盤に訪れた。82分、狭いエリアを通して中央からパスを通すと、ペナルティエリア内深い位置のゴール右手前で山下がスペースに入り込んで相手を背負いながら足元に受ける。そこに飛び込んできた奈良輪にボールを落とすと、勢いを持った奈良輪がワンタッチで右足を振り抜くが、シュートは相手守備網にブロックされて枠を捉え切れない。佐藤、井出、端戸が個人技でテンポを変えてスペースを作ろうとするが、最後まで危険なエリアにチャンスにつながるボールが入らずにタイムアップを迎えた。

 

ボール保持は相変わらず時間も長く、90分のほとんどの時間を相手陣内で過ごした。立ち上がりの失点によるダメージを最後まで引きずった形だが、チームとして試合を支配した先、勝ち点3を奪うための決定的な場面も筋道は見えている。もっと危険なエリアへボールを運ぶために、ミドルシュートなど相手を揺さぶる選択肢も増やし、今季初めてホームにサポーターを迎える次節でなんとしても今季初勝利を挙げたい。

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監督コメント

永井 秀樹 監督

試合を振り返ってください。
試合の入りのところで非常に悔しいと言いますか、もったいない失点をしてしまったところが、まず一番悔やまれるところです。ゲーム展開に関して前半は少し距離感のところに問題がありました。後半に関しては選手が本当に良くやってくれて7割は成功したのかなと思います。ただ、やはり大宮さんの堅い5-4のブロックのところを崩し切れなかったことは非常に悔しいところです。選手たちは本当に良くやってくれたと思いますし、また次ホームで戦えるので、甲府戦に向けて良い準備をしていきたいと思います。

試合前に大宮の守備を崩すイメージを持っていたと思いますが、実際のピッチでのプレーとの乖離を感じた部分はどこにあったでしょうか。
色々ありますが、最後の我々が言う、相手の2番、4番のところをうまく引き出せなかったところが非常に大きいと思います。そして、本当にライン間を閉じられた状況の中でミドルシュートや、逆のポストゾーンのところはもう少し有効的に攻めてほしかったという悔しさはあります。

ゴールキーパーのポジションで柴崎選手からマテウス選手に変更した意図を聞かせてください。
彼は我々の素晴らしいゴールキーパーですし、やっとコンディションと言いますか、やっと怪我が回復しましたので、今日はマテウスに仕事をしてもらいました。良くやってくれたと思います。

ボールを持ちながらも崩し切れないという課題が出る試合展開になりましたが、今後に向けた改善点を聞かせてください。
あれだけブロックを敷かれてしまうと、なかなか崩すことは難しいです。そこはミドルシュートや、ミドルシュートでもう一度相手を引き出す。そして、外からの崩しであったり、ニアゾーンのポケットのところをいかに自分たちが取っていけるかというところだと思います。

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選手コメント

MF 8藤本 寛也

スペースを消してきた相手に対して、どのような攻略の仕方を意図していましたか。
立ち上がりに先制されてしまって、やっぱり先制点をあれだけ早い時間帯で取られてしまうと、向こうもより一層スペースを埋めてくる守備をしてきました。もちろん、0-0のスコアであれば相手の守備のやり方も違ったかとは思いますが、ああなった時に攻撃で違うアプローチや、もう少しゴール前に迫る積極的なアクションが必要だったかなと思います。あとは全体的にポジショニングであったりのところで、もう少し前に全体的に一人ひとりが前目の立ち位置を取ったり、ボールを失うことを恐がらずにボールをもう少し前に運ぶことができたかなと思っています。

後半立ち上がりにドリブルからフィニッシュまで持ち込んだご自身のプレーはひとつの打開策でしたか。
もちろん、ああやって前を向いた状況をもう少し試合の中で作ることが大事かなと思いました。ただ、ああいうシーンはチャンスになっていたので、前向きの攻撃ができればという感じです。周りの選手も動いてくれますし、自分がプレーするスペースも広がるので、ドリブルでの侵入やワンツーは必要です。今日は前線の選手たちがもう少し前向きにプレーする必要があったと思います。

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MF 24奈良輪 雄太

ワイドストライカーとサイドアタッカーの連係に関してランニングのタイミングなど全体的に噛み合う回数が少なかった印象ですが。
個人的にはいつもサイドで組む選手の特長を生かしてあげたいと思ってプレーしています。山下に関してはできるだけワイドに張らせてプレーさせた方が、気持ちよくプレーできると思っていたので、あまり自分が高い位置を取らずに空いたスペースを埋める場面は少なかったと思います。前半はそれを少し意識し過ぎた部分があり、攻撃が停滞してしまった感じもありました。後半に関しては少しそれが改善できたと思いますが、90分を通してもっとやれたのかなと思います。

前半にご自身が放ったミドルシュートは意図的に狙ったプレーでしょうか。
自分たちが相手よりもボールを保持できるということはここまでの試合で証明できていると思います。ただ、ボールは持ちながらもシュート数は相手よりも下回る試合が多いので、可能性があるところでシュートを打たないといけないという部分はありますが、常にシュートを狙う意識というところを、この試合では特に高くもってやっていました。あのシュートはそのひとつだったかなと思います。

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