MATCH試合情報
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試合を振り返ってください。
まずはじめにファン・サポーターに感謝したいと思います。ファン・サポーターも前節の浦和レッズ戦のあのスタジアムの空気を感じて、いろいろとどう今日を臨もうかというのを考えてくれたのかなと思わせてくれるほど今日は声量が大きかったですし、日程のディスアドバンテージを一緒に戦おうと、背中を押そうという、そういう空気を感じました。彼らと一緒に喜び合えてよかったなと思います。
ゲームは相手のボランチが一枚下りて4枚で後ろを回してきたことで、少し掴みづらかったのですが、ラインをしっかり高く保つこと、ずれながら最後のところで体を寄せることがしっかりできていました。もちろんセットプレーが横浜FCさんのストロングなので、セットプレーでちょっと危ない場面はありました。セットプレーでは決定的なところまでは行かないまでも、少し危ない場面がありましたが、流れのなかでは20分、25分ぐらいまでそこまで危ないシーンは作らせなかったです。それがあったからこそ、自分たちの時間をしっかり手繰り寄せて1点目を取れたと思います。最終ラインも中盤も急造のなかで、よくお互いのよさを出しながら辛抱強く、我慢するところは我慢して耐えたことで、最後に追加点が取れたと思います。それがずっとここのところメンバーにも入れなかった熊取谷一星が取ったことは、このチームにとって非常に大きなことだなと思っています。
前節からスタメン6人を入れ替えたなか、深澤大輝選手を今季初めて起用しました。抜擢の理由とパフォーマンスについて聞かせてください。
深澤大輝は去年もクローザーとして出てきて、何度か悔しい思いをしていましたし、J1のピッチに立って結果を出すという思いは、彼だけじゃないですけど非常に強かったと思います。怪我で出遅れたなかで、それが治ってもベンチメンバーに入れる時と入れない時があり、ベンチメンバーに入っても試合に出られないという状況が続いた。そのなかでも、残り組というかメンバー外の練習であったり、2日前、3日前というのは、まだメンバーがはっきりしないなかで、エクストラをやっているなかでも、彼は常に高いレベルを示していました。もちろん、彼のなかで課題はありつつも、グループとして力を出すという意味においては、今回こうなった瞬間に、僕は深澤大輝しかいないなと思いました。もちろん相手の個のフィジカル的なものは非常に強烈ですが、我々はグループで守ると。グループの最大値を出すのであれば、ひょっとしたら深澤大輝はこのチームのなかでも1、2を争うような選手であることをずっと示し続けていたので、今回出られないメンバーが決まった時から、もう彼しかないというふうに思っていたので、本当に期待に応えてくれたと思いますし、彼の期する思いというのはチーム全員に伝播したんじゃないかなと思います。
前線の染野唯月選手が得点を取った意味と評価を聞かせてください。
我々はご承知の通り、外国籍の選手というのはゴールキーパーのマテウスしかおらず、他のJ1のクラブと比べて、誰かにボールを預けておけば、チャンスが作れるというメンバー構成ではないです。ではいかにしてJ1を戦っていくかとなった時に、チーム一体となって全員で前線から守備をする。チーム一体となって全員で攻撃をするということを貫かない限り、誰かに頼ったサッカーをしたら、おそらくJ1にはいられないです。それはもう火を見るより明らかで、それをみんなが深く理解しながら、ただストライカーというのは点を取りたいですし、点を取るためにエネルギーを貯めたいのがストライカーなので、かなり葛藤があったはずです。ただ、自分のやり方は曲げないし、このクラブがJ1に居続けたいならば、そこを妥協してはいけないので、そのなかで得点を取るにはどうしたらいいかというのを、ずっとコンディションを上げていくことを含めて葛藤し続けた彼が、彼らしいヘディングで点を取ったということは、本当に喜ばしいです。守備からスタートして攻撃もやり続けていればボールが来るんだということを実感してくれたとしたら、またこのチームのコンセプトにそってプレーする後押しになったのではないかなと思います。何よりも齋藤功佑が染野の特徴を理解して、早めにクラスを上げた。逆サイドには翁長聖が詰めていたので、相手のウイングバックは染野についていいのか、翁長についたほうがいいのかわからない状態になったので、染野がフリーでヘディングできたというのは、周りの選手のそういうハードワークのおかげだと思うので、こういうことは続けていきたいと思っています。
後半の早いタイミングで松橋優安選手に代えて川﨑修平選手を投入した狙いを聞かせてください。
誰の利き足を切るのか、それは切ればいいだけではなくて、もちろん他の選手への圧力を繰り返しながら、キッカーとして特別なものを持っている選手たちの利き足を切るというのは、もうギリギリのところのアプローチです。それをやり続けたからこそ、筋肉の痙攣が早めに起きたということだと思うので、そういうことが起きたら早く知らせろということは、これはプロフェッショナルな判断だと思うので、彼ら自身が攣りそうだとか、もう少ししたら危ないというのは、我々に伝わるようになっていたので、おそらくはあれ以上やったら松橋優安は足が攣って担架で運ばれるような状況になったのかなというふうに思います。
DF 2深澤 大輝
試合を振り返ってください。
本当に今日やらなくていつやるんだという気持ちで入りました。昨年であったり今年であったり、怪我のところもあったりというところで悔しい思いをしてきたなかで、やっぱりピッチに立てる喜びや感謝を90分間、前面に出そうと思っていました。今日の一番の仕事は無失点に抑えることが特に大事だったと思うので、そこは本当にホッとしている気持ちです。
ライン統率やコーチング、リーダーシップと持ち味を遺憾なく発揮しました。
自分の特徴はリーダーシップであったり、声を出して味方を動かすところであったりで、真ん中だとよりやりやすいというか、統率しやすい感じはキャンプや練習試合でやっていて思っていました。ラインコントローのところも少しルキアン選手のところとか、鈴木武蔵選手のところはちょっと怖くなって下がる部分もありましたが、いいラインを保っていたと思いますし、そこがたぶん今日の無失点の要因のひとつでもあるなと思います。ゴール前に近づければルキアン選手や武蔵選手の高さというのはあるので、そこをさせないようにというのは意識していました。
ルキアン選手との空中戦で一番意識した点はどのあたりでしたか?
くっつきすぎるとトラップして収められてというところもあるので、くっつきすぎないようにして、先に飛んだりしたらあまり競れないという情報は入っていたので、そこは駆け引きをしながらでしたが、強さはあるなと思いましたし、クロスのところも入り方は巧いなと思いましたけど、人を抑えておけば、点を取られない。ファウルにならないように先に捕まえておくところは、今日うまくできたかなと思います。
櫻川ソロモン選手の投入後は左ウイングバックに移る形になりました。
前に立たれた時の何もできない感じというのは、ソロモン選手の方がより感じました。でもそこは別に自分が奪いに行って入れ替わってもよくないので、冷静に対応できたかなというふうに思います。ウミ(鈴木海音選手)が入ってきてからウミは戦っていましたし、全員でクリーンシートに抑えられたというのは大きかったです。
今日の試合で出番が訪れそうというのはどのタイミングで感じていましたか?
伝えられたのは前日のゲームのボードを見てでしたが、(谷口)栄斗が退場したり、(千田)海人くんが怪我をした浦和戦の後に、もしかしたらあるかもしれないというふうに心のなかでは準備をしていました。次の日の練習はメンバーに入れなかった選手と試合に出られなかった選手の練習でしたが、そこでもすごくいい練習ができていました。前日練習でもヒジくん(翁長聖選手)であったり、(齋藤)功佑くんであったり、(宮原)和也くんであったりがすごくいい雰囲気で、11対11のゲーム形式のトレーニングも少しやったり、セットプレーのところもすごく声を出して、全員でいい雰囲気を作れたというのがよかったかなと思います。
厳しい日程のなかで総力戦で掴んだ勝利という部分で単なる1勝以上の価値があるように思われますが?
今日でよりいいチームになったなと思いますし、クマ(熊取谷一星選手)が点を取ったり、テツ(稲見哲行選手)であったり、(松橋)優安や自分といった普段試合にスタメンでは出られていない選手が悔しい思いを持って練習していますし、クマとかウミのメンバー外になる悔しい気持ちもわかりますし、そこは試合に出る選手が責任を持って試合に出られない選手の分も覚悟を持って戦うというところは、普段の仁志さん(森下仁志コーチ)のエクストラからつながっていることだと思います。全部つながっているなと改めて感じました。
突然の出番でしっかりと結果を出すという部分で普段から意識されている後輩たちに背中で示すという部分を見せられた試合になったという印象です。
ありきたりになりますが、普段の練習や努力というか、毎日の積み重ねは嘘をつかないじゃないですが、そういう言葉を今日は証明してやろうというふうに思っていました。みんなも試合前から(山本)丈偉も(川村)楽人も普段メンバーに入っていない選手もすごく声をかけてくれましたし、そういった選手の分もやってやろうというふうに思っていました。本当にヴェルディは、やっぱりいいチームだなと思いました。
MF 17稲見 哲行
試合を振り返ってください。
まずは前半、とりあえずゼロで抑えて帰ってこようというのは自分も意識していましたし、全員が意識していたので、そこは自分の守備の部分というか、本当に前半で出し切るぐらいの勢いで意識して臨みました。
相手の攻め方を含めて前半の守備の感触はいかがでしたか?
外で回させているというイメージは自分たちのなかでもありましたし、最終的には相手のフォワードのところに蹴ってくるシーンがすごく多かったので、そこで焦れずにスライドして、最後に蹴ってきた時にセカンドボールを拾うというのは、全員の意識を統一できていたので、そこが前半のゼロにつながったと思います。そこを耐え忍んだらチャンスが巡ってきたので、前半は想像以上というか、0-0でもよかったですが、1点取って帰ってこられたというのはすごくよかったです。
役割的にはディフェンスラインの高さもあってセカンドボールを意識する形でしたか?
相手のストロングでもありますし、J1で相手もそれを強みにやっている選手たちがいるので、そこを収めた後のボランチの戻りはすごく自分も意識していました。自分がファーストに行って大きくなったボールは(森田)晃樹も狙ってくれるので、そこはすごくやりやすかったです。
ボールを持った際にはシンプルなプレーを心掛けていた印象です。
久しぶりのボランチでもあったので、まずは首を振るということはすごく意識していましたし、周りの選手につけるというか、晃樹や(齋藤)功佑くんだったり、もちろん自分もそこをやっていかないといけないですけど、チャンスメイクが得意な選手に渡すこと。とりあえず今日はセカンドを拾ってからすぐにつけるということは意識しました。
急造の布陣という部分でコミュニケーションは意識した部分でしょうか?
今日はポジティブな声が本当に多くて、失点をしなかったら大丈夫という考えは全員にあったので、0-0でOKというスタンスでコミュニケーションは取れていたので、そこは相手にやられても、最後はゴール前で守り切れば大丈夫という声かけは全員でできていました。
試合前から準備はできていると話されていたなかで、しっかりとその言葉通りのプレーとなりました。
本当にずっと準備し続けてきたものを、今日はある程度出せたと思います。ここで満足せずに、もちろん課題もたくさんあった試合ではあるので、そこは修正しつつも、試合に出て反省をできる幸せというのはかみしめながら、これからも常に日々の練習からやっていきたいなと思っています。
後半は押し込まれる時間もありましたが、どんな意識でやっていましたか?
前半からもそうですけど本当にスライドだったり、最後のマークだったりというのを本当にサボらずにやれば、しのげるしチャンスが来るということは全員がわかっていたので、それがクマ(熊取谷一星選手)の得点につながりました。全員が本当にあれだけ粘って染野も前半に2度追い、3度追いだったりという守備で広いスペースを守っていたからこそ、ボールが来たというのも監督がおっしゃっていたので、本当に全員で耐えると、自分たちの時間が来ると思って信じてできていたので、それが得点につながった部分かなと思います。
総力戦で勝ち切ったという部分ではチームがこだわる日常からの取り組みを証明できた試合に感じられます。
本当に普段きつい練習やメンバー外の練習だったり、試合に出ても出場時間が少ない選手たちの本当にきつい練習だったりというのが、どこにつながるのか。本当に細部に宿るということはすごく自信につながりました。もっともっと質の部分だったり、新しい課題に直面できるのもすごくポジティブなことなので、継続していきたいなと思います。
後輩の熊取谷一星選手の初ゴールはうれしくも悔しい部分ですか?
自分もまだJ1でゴールは取れていないので、そこはクマに負けていられないなというのは思います。みんな日頃からポジティブに練習できているので、チャンスは必ず来るというのはみんなわかっていますし、自分もJ2時代にそういう思いをしてきたので、そこは後輩たちに伝えられることだと思って練習からも伝えてきました。それを実践していた選手たちがこうやって結果を出すというのは、すごくチームとしての価値もありますし、それぞれが本当にいい経験をできているなと思います。
試合終盤のウイングバックでのプレーも含めてタフな試合になりました。
どこで出るかわからないという部分はありますが、そこは自分の武器でもあるので、もっともっとその部分も突き詰めていければなと思います。
今日は勝利に貢献したなか、改めてポジション奪取への思いを聞かせてください。
本当にゼロで抑えることによって、このチームの強みというか、ストロングが活きると思っているので、そのための自分の強みをどれだけ活かせるかというか、本当に攻撃面でストロングがある選手たちの強みを活かすために、自分が守備の部分でどれだけ貢献できるかというのはチームを助け得るパワーになると思うので、そこは自分の特徴をもっともっとチームのために出していきたいです。
FW 25熊取谷 一星
プロ初ゴールを振り返ってください。
森田選手からいいボールが入ったので、ファーストタッチで相手の逆を取るというふうに考えて、うまくファーストタッチ、セカンドタッチができたので、いいコースを狙えたと思います。
左足は以前からレパートリーにありましたか?
あの角度でいうと、右足よりも左足の方がちょっと力が抜けていい感じにいくので、左の方が入るかなというふうに思っていました。
ゴールセレブレーションでは高ぶりを感じました。
あまりちょっと覚えてないですけど、うれしかったです。
難しい時期を経て久々に得たチャンスで結果を残しました。
ガンバ大阪戦以降初めてのベンチ入りでした。それまで長かったですが、一日一日いろいろな思いをしながら積み上げてこられたので、それが今日の結果だと思います。今日結果を出したからといって次が保証されているわけではないので、引き続きやっていきたいなというふうに思います。
1点リードでの投入時にどういった指示がありましたか?
まずは戦うところ。守備のところをまずやるというふうに言われました。
守備のタスクに加えて、自分の持ち味を出すという部分での課題をクリアしました。
守備は絶対なんですが、自分の武器を忘れてはいけないという話を、本当に今週も森下(仁志)コーチから受けていて、そこで一回自分で考えられたことが大きかったです。
時間的にコーナーフラッグの方に向かってボールをキープする選択肢もあったなかでのゴールでした。
あまりコーナーフラッグに持っていくという頭がなかったので、足を触れたことが一番大きかったです。
チームとしては厳しい状況で久々にチャンスを得た選手がしっかりと仕事をして勝利するといういい形で終われました。
通常練習が終わった後のエクストラ練習があって、それを仁志さんが見てくれているのですが、その積み重ねだなというふうに感じているので、これからも積み上げていきたいなと思います。