試合を振り返ってください。
ファン・サポーターに悔しい思いをさせました。我々も非常に残念ですし、彼らに残念な思いをさせたということも非常に残念です。試合に関してはプレッシャーに行くべきところと、相手を惑わせるところのメリハリをつけて、奪ってからのカウンターと奪ってからもっとマイボールの時間を長くしたかったです。そういうプランで入ったのですが、悪くはなかったという言葉は使いたくないです。相手のペナルティエリアへの侵入に押されて最初のチャンスでやられた。もちろん我々の前線の間の閉め方とかそういう問題はあるにせよ、我々は基本的に最終ラインを3枚でやっていて、あのエリアになれば5枚で対応するはずが、簡単にクロスオーバーで割られてクロスで点を取られる。2点目も5枚いるなかで非常にイージーな失点だったので、自分たちの甘さを痛感させられたなというふうに思います。前線と中盤、ディフェンダーも各々に足りないものがありますが、各々にタフさが足りないというふうに思いました。前がすべてを守り切れないのであれば、後ろが守ってやるという気概がなければいけないですし、その気概を受けて前も最後のゴール前のところ、あるいはその前のチャンスメイクのところで責任を持った判断をもっとしていかなくてはいけないなというふうに思います。自分たちで焦れて簡単にクロスを入れるのではなくて、後半の最初に少しそういうシーンを見せられたと思いますが、相手が焦れるようなボールの動かし方と、ゴール前に入っていく迫力というのは、このチームがもっともっと備えていかなければいけない問題かなと思っています。

前半はルヴァンカップの対戦を踏まえてプレスの工夫が見受けられました。一方で失点後は自分たちの左サイドの対応で難しさが出ていた印象です。
あの時間で体力が尽きたとは言いたくないです。ただ、柏さんがエネルギッシュにさらに動きを増したというよりは、我々が落ちたのは事実だと思います。それはひょっとしたらメンタルの部分もあったかもしれないですし、1失点したことで我慢する時と、今度は前から行かなくてはいけない時が出てくるので、そこの迷いというか、そこの共有というのができなかったのかなと思います。それは見直してみないとわかりませんが、返す返すも我々がボールを持った時にバックパスを選んでしまう。へそを見れない。簡単にクロスを上げてしまう。もちろん呼び込んでいればクロスを上げていいのですが、呼び込んでいないのにクロスを上げてしまうというような少し弱気なところは、それが弱気と言うのか、自分たちで焦れてしまったというのかはわかりませが、修正可能なところと時間がかかってもクオリティを上げていかなくてはいけないところというのは、しっかり切り分けてアプローチしたいと思います。

1失点目の直後に平川怜選手を呼び寄せていましたが、どういった指示をされていましたか？
やっていることは悪くないのと、もう1個は簡単にクロスを上げるなと。クロスを上げるなというよりも、もっとボールを持って持って、持ち上げるぐらいのメンタルでやれと。簡単に相手にボールを手放すなということを共有させたと記憶しています。

6月に柏と公式戦3試合を戦うなかでメンバーを入れ替えました。その入れ替えの意図と連戦ゆえの難しさを聞かせてください。
もちろん（メンバー入れ替えの）意図はありましたが、最終的にそれがうまくいったかどうかというのは、自分の責任のもとで変えました。ただ、前線のところのエネルギッシュさをどう出していくか。それは攻守においてですが、いまの我々が抱えている課題なので、いろいろな発想の転換を図りながら最も攻撃の時にストロングが出るような配置であったり、いま伸び盛りの若い選手をここで鍛えないと、このチームはなかなか補強できないので、そこはあえてリスクを冒して新しい選手が新しい競争力を生み出してもらうように送り出しました。

悪くない流れのなかでイージーな失点が生まれた要因はどの辺りにありましたか？
この場ですべてを解説できるわけではないですが、ボールホルダーにプレッシャーをかけられなければ絞らないといけない。外回しさせようとか、ラインを上げれば相手が可変してきても、そこのクサビに対してボランチかセンターバックがプレッシャーに行けるとか、それが全部連動しての守備。その守備を保つためにも我々がボールを失わずに、攻撃でエネルギーをかけることによって研ぎ澄まされた守備ができるというのがセットです。その心のバランスが少し崩れたのと、繰り返しになりますが、前線が全部いい守備ができなくても後ろが守ってやる、というメンタリティがないといけないですし、守るのだからこそ前が点取れよと、それぐらい踏ん張ってくれよというお互いの厳しい水準のなかでプレーし合うというところが、このチームはもう少しアプローチしないといけないかなというふうに思います。悪くなかったとか、あのシーンは全体の責任だなとか、チーム全体で反省しようというところなどはありますが、ディフェンダーのプロフェッショナルなのだったら、それをやっぱり見せなくてはいけないですし、前の選手としてプロになっているのであれば、それ見せないといけない。もちろん中盤もしかりです。1失点で顔が曇ったりうなだれてしまっているメンタルというのは、まだまだ自分のアプローチのつたなさがあるのだなというふうに思いました。

この暑さのなかでいまのスタイルを貫く難しさはあると思いますが、その部分に対する考えを聞かせてください。
一番大事なことは競争だと思います。自分たちがプレーをしている間にパフォーマンスを見せなければ取って代わられる選手がいて、もちろん私の指導者のつたなさがあることは認めますが、誰を出そうかと、誰かを出したらこの選手が先発で出せないと、頭を悩ませるようなチームにならないと、それは冬であろうが夏であろうが乗り切れないと思います。今日の柏は6月のウインドーで獲得した3選手がピッチに立っている。非常に危機感があります。クラブとして危機感を持たないといけないですし、現場はもちろん僕の全責任のもとで危機感を持っています。競争力をいかに上げるか、もうそれに尽きます。湿度や気温を含め、僕は基本的にやっているサッカーというよりも、なぜ自分が出れないんだというぐらい歯ぎしりをしながらベンチでいるような選手に全員がならない限り、なかなかシーズンを乗り切ることは難しいと思いますし、それを目指したいと思います。