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2022.07.03

選手が明かすチームメイトの素顔『PLAYER INTRODUCTION』vol.12 橋本陸斗 ▶︎ 山口竜弥

緑の戦士たちによるリレー形式の“他己紹介”企画。プレーヤーとしての特長はもちろん、チームメイトだからこそ知っている選手の素顔に迫ります。第12回は橋本陸斗選手が山口竜弥選手を紹介!

取材=上岡真里江

公式戦でも慶人くんとのコンビネーションを出していきたい

前回の河村慶人くんの回を読みました。なんか慶人くんが勝手に俺の教育係になっていましたが、いやいやいや! 教育しているのは俺のほうですからね。何を言ってるのかな? って感じ(笑)。「もっとクロスに入ってこいよ!」とか、「点決めろよ〜!」とか、FWとして大事なことを俺が教えてあげている感じです。

まぁ、というのは冗談で、慶人くんには普通に良くしてもらっています。本人が言っていたように、練習場から帰るのに送ってもらったりすることも多いんです。先輩だけど気を遣わなくていいので、一緒にいて過ごしやすいんですよね。それに慶人くんは関西弁。俺、関西弁が好きなので、話していて面白いんですよ。なんか、こっちが冗談で言っていることでも、もう全部、何から何までツッコんでくるから、めちゃめちゃ疲れちゃう。ウソウソ(笑)。そういうところが素直ですごく好きなんです。

あと、とにかく熱い! 練習が終わって、車で一緒に帰っている時とかも、「おい陸斗〜、今日も頑張ったな! 明日も頑張ろうな!!」とか、「俺のあのシュート、良かったやろ?」とか言われるので、やたら元気になれます。本当に、元気がない日がないので、あの人にはあの熱さのままで行ってほしいですね。

そんな慶人くんから、「なぜ、そんなに尾崎豊が好きなの?」という質問がありました。「なんで?」かぁ。俺、尾崎豊とか長渕剛とか、そういう世代の人が好きで。尾崎豊は去年の12月ぐらいからめちゃくちゃハマったんですよね。

これはあくまでも俺の考え方ですが、日本って、学校でもそうですけど、「みんな同じ」「平等」みたいな教育になっていて。例えば、街を歩いていて、髪が真っ赤な人がいたら「何あの人? 大丈夫かな?」みたいな目で見られるじゃないですか。ちょっとでもみんなと違うと、その人はおかしいみたいな。学校とかでも、自分の考えを持ったり、はっきり言ったりする子は「おかしい」と批判されるようになってしまう。それが間違っているということを、彼は曲で伝えたんですよ。「自由でいい」「自由を求めよう」って。

だから、俺は尾崎豊がやったことをリスペクトしたい。そういう思いを心の底から歌っているから、歌詞もめちゃくちゃ入ってくるし。最近の曲はリズムがいいので最初はいいのですが、歌詞が全然心に響かないからずっと聴きたいとは思わない。オザキを好きな理由はそれですね。お世話になったコーチに勧められて聴いたのがきっかけですが、一瞬で「この人すげーな」と思いました。社会への反発的な歌詞も少なくないけど、俺はそれを反発とは捉えていなくて。むしろ、それが本来人間の目指す場所というか、自分の考えをしっかりと持つべきだということにつながっていくのかなと思っています。だから俺もサッカーを通じて、そういうことを自分から発信していきたいと思っています。

そのためには、もっともっと成長して試合に出なければいけない。そのためには慶人くんにも指摘された「感情のコントロール」も、大きな課題の一つだと思っています。でも、これでも最近はだいぶ良くなってきたんですよー(笑)。

それからメッセージとしてもらった「若手なりに全力で頑張って、一緒に成長して、強いチームを作っていこう」というのも、本当にごもっともです。世界的に見たら俺らはもう若くないけれど、今のチーム内では若い世代なので。その俺たちだからできることがあると思うので、それを求めながら成長していきたいです。

選手としての慶人くんは、あれだけ走ってくれるので見ていてすごく気持ちがいいですし、そこが彼の良さでもあると感じます。FWをやるからには結果にこだわらなければいけないので、一緒に出た試合でアシストとか少しでも協力できればと思っています。実際、俺はけっこう左サイドからクロスを上げるのですが、合っても合わなくても、絶対に入って来てくれるのが慶人くん。中に一人いてくれることで、「頑張って上げよう」という気にもなるし、「点を決めてくれるんじゃないか」と思うとすごく助かりますね。練習の中でも、2人で得点を取ったりしているので、公式戦でもそのコンビネーションを出していきたいです。

オムくんは惜しみなくアドバイスをくれる

さて、俺がぜひ紹介したいのは山口竜弥くん、オムくんです! オムくんはもう去年から、とにかく俺のサッカーの師匠です!

オムくんって、ああ見えてけっこう俺のことが好きなんですよ(笑)。なんか同じタイプというか、情に厚いところなどが似ているなと感じます。プロ1年目の去年は苦しかったんですが、もうめちゃくちゃアドバイスを求めました。それに対して、オムくんは全部返してくれた。今年も、例えば俺が試合のメンバーに入った時とかには、必ず何かいい言葉をかけてくれます。あの人はシンプルに俺のことが好きなんだと感じます(笑)

そうそう。ここで紹介するのにピッタリのエピソードがあります! オムくんの足の速さはサポーターの皆さんはもう知っていると思いますが、俺もユースの中では速かったんです。でも、去年プロに入って、俺より速い人がいっぱいいて衝撃を受けたんですよ。チーム内だとヤマくん(山下諒也・現横浜FC)とかオムくんがいて。それで、勝てないのがめちゃめちゃ悔しかったので、オムくんに「足が速くなりたいので、トレーニング方法を教えてください」って相談したんです。実はオムくんって、もともとは全然足が遅かったらしいんですよ。そこからあそこまで速くなったということは、トレーニングをしたということじゃないですか。なので、「教えてください」とお願いしたんです。そしたら「いいよ」と言ってくれて。で、そこから練習終わりにヴェルディのジャージを着たまま、2人で車に乗ってオムくんの実家がある綱島に連れて行ってもらったんです。そこには、まぁ〜すごい急な坂があるんですよ。そこで、オムくんが実際にやっていたという練習を一緒にやって、「こういうことをやったら足が速くなるよ」とメニューを教えてくれた。それがまた、めちゃめちゃキツいんですよ。「この人、ここで毎日やっていたんだ」と感心してしまいました。そのメニューの中から「重要だな」と思ったものを自分の中で考えて、家の近くの坂で毎日トレーニングをしていたら、それが積み重なり、今年はけっこうスピードが上がったんです! オムくんが惜しみなく俺にアドバイスをくれたこともすごくうれしいし、とにかく俺の師匠です!

あと、俺はドリブルが得意だったのですが、プロに上がってからはシンプルに相手が抜けなくて、そこについてもオムくんに聞きました。そこにもあの人なりのドリブルの理論がきちんとあって。ただ、これは実際にやりながら説明しないと、言葉で説明するのが難しいので、すみません。ここでは分かりやすく説明できないですけど、とにかくオムくんなりの理論がしっかりとあって、それを教えてもらいました。もちろん、ドリブルのやり方は人によって違うので、吸収しながら、自分なりにいろいろ練習の中で試していきました。一瞬にしてキュッと抜くにはやはりスピードも必要なので、そのためにもスピードをつけながらという感じで、ドリブルについてもすごく詳しくアドバイスしてくれて。そのおかげで、今年は相手を抜けるようになりましたし、実際に試合の中でも効果が見られているので、オムくんにはマジで感謝しています。

そんな感じなので、普段から一緒にいることが多いですね。ご飯とかにも連れていってもらいますし、いま言ったように、とにかくサッカーのことは常に聞いてます。オムくんは基本、ダラダラしてるけど、スイッチが入った時、やるべき時はめちゃめちゃやる人。重要な場面では必ずいい言葉をかけてくれるので、俺はすげー好きで、カッコいいなと思っています。ただ、どんな言葉をかけてくれているかは秘密です! そこはね、そんなベラベラしゃべっちゃうと、せっかくのオムくんのカッコ良さがなくなっちゃうので。こっそりやっているのがカッコいいと思うので、そこは俺とオムくんだけの秘密ですね。すみません(笑)

じゃあ、俺からオムくんへの質問です。「なんでそんなに俺のこと好きなんですか?」。まあ、たぶんあの人は照れ屋なので「好き」とは言わないと思いますけど(笑)、ぜひぜひ聞いておいてください。

最後に。オムくんはいま22歳ですが、ケガがちなので、これから長い時間、その才能を発揮し続けるためにも、私生活をしっかり頑張ってください!

■vol.13 山口竜弥 ▶︎ 井出遥也 はこちらから