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2019.05.22 クラブ

ONE FLAG 〜パートナー企業とともに創る新しい価値〜 第2回 スカイライトコンサルティング株式会社と東京ヴェルディ

東京ヴェルディを様々な面で支えていただいている、パートナーの皆さま。それぞれに特別な想いを持って、クラブをスポンサードしていただいています。これまでの一般的なスポンサーという枠を超えて、クラブと企業が共に歩んでいくコミュニティのような未来を描く東京ヴェルディ。

 

『ONE FLAG 〜パートナー企業とともに創る新しい価値〜』と題して、ヴェルディファミリーの仲間同士で、様々な思いや未来について本音で語り合う本企画。

対談を通じて、お互いの思いを共有し、目線を合わせながら目指す未来を描いていきます。

 

第2回はパートナー契約5シーズン目。東京ヴェルディだけでなく、日テレ・ベレーザも厚くご支援いただいているスカイライトコンサルティング株式会社様にご登場いただきました。

 

対談に参加していただいたのは、サッカーは好きだったが、仕事にすることは夢にも思わなかったというスカイライトコンサルティング株式会社代表取締役羽物俊樹さん。(写真中央)そしてスカイライトさんから派遣されている方をヴェルディの社員だと思っていたという東京ヴェルディパートナー営業部鈴木雄大。(写真右)

 

ファシリテーターとして、東京ヴェルディの企画戦略パートナーである株式会社リトリガー八木原泰斗(写真左)が、パートナーになるキッカケや効果、そして見据える未来について伺いました。

 

(以降敬称略)


 

すべては社員から届いた一通のメール

 

八木原 今日はよろしくお願いします! クラブとパートナーが、互いの価値を最大化させる新しい関係性をつくっていきたいと思っています。そのための施策として、 クラブとパートナーの対談企画を行なっていまして、今回は第2弾としてスカイライトコンサルティング様にお話を伺わせていただきます。

 

さて、はじめにサポーターの方も、クラブのパートナーがどのような会社なのか知らないケースが多いので、まずはそこからお伺いしてもいいですか?

 

羽物 弊社は経営コンサルティングを一番の生業にしています。経営には色々な要素が組み合わせっていますが、そのなかでも特にITの活用・業務の効率化などをメインターゲットとしている会社です。

 

あとは2000年の創業当初から、新しい事業や会社に投資をしていて、コンサルティングとベンチャー投資が大きな二本柱になっています。

 

八木原 ありがとうございます。ヴェルディのパートナーになっていただいたのは、どのような経緯だったのでしょうか?

 

羽物 僕がサッカー好きだからスポンサーになった、とよく勘違いされるんですよ。確かに中高サッカー部だし、大学社会人もそれなりにやっていました。息子の少年サッカーのコーチになり、息子が卒業してからも監督をしているくらいにサッカーは好きですけど、サッカーと仕事は別だし、さらに言えばヴェルディは好きでもなんでもなかったんです。

 

そんな中で、2014年2月にヴェルディのラウンドテーブルがあって、そこにうちの社員がいちサポーターとして参加しまして、「ヴェルディはグローバルでやっていく!」という話を聞いたらしいんですよね。その頃、ちょうど弊社内でもよくグローバル展開の話をしていて、何か一緒にできるんじゃないか!?という熱いメールが届いたんです。

 

八木原 受け取られた時、最初の印象はどうでしたか?

 

羽物 その時はいやちょっと待て!ですね(笑)。サッカーは好きだけど、ビジネスになるわけないと思っていたし、ヴェルディは潰れかけたチームだし、そんなところを支援して上手くいくのかと思いました。ただそれがキッカケになって、サッカー界について1年間かけてじっくり調べたんです。

 

そうしたらJリーグの市場が伸びているどころか、ちょっと落ちているということが分かったんですよ。逆に海外はものすごく伸びていて、そのギャップに聞こえは悪いですけどビジネスチャンスを感じました。

 

もう一つ、ヴェルディを調べてみると底を打ったのが明らかでした。一番厳しい状況はもう抜けて、ここから伸びていくポテンシャルしかないなと。それと、うちの会社としてもプロスポーツチームの中に入って一緒に仕事をさせてもらえば、知見も貯まるんじゃないかと。そんな経緯から資本業務提携を結んで一緒に伸ばしていくみたいな目線でやりたいなと思って、こちらから提案させていただきました。

 

鈴木 社員の一言から1年かけて調べて、ちゃんと形になったというのはなかなかすごいことですよね。

 

八木原 本当にそうですよね! 他の企業でもサッカー好きで、社長に直談判する人はいると思うんですけど、GOに至った大きなポイントはどこだったのでしょう? 

 

羽物 元々、うちの会社は社員がやりたいと言ったことをちゃんと汲んでいこうという土壌があります。もちろん単にやりたいだけではダメで、それをやることでいろいろ良いことがあるだろうと認められて、はじめてGOが出る形です。

 

言い出した社員にとても情熱があって、これを自分の仕事としたいという熱意があったのも大きいですね。思い起こしてみると彼は新卒でうちの会社に入ったんですけど、入社面接の時もそんなことを言っていたんですよ。当時、うちの会社でスポーツビジネスなんて、可能性のカケラもなかったんですけどね(笑)。

 

あとスポーツというものは、ビジネス的に冷静に見ても絶対になくならないなと。AIやロボットなど世の中が変わっても、スポーツは必ず残るなと感じたということがありますね。人間が自ら身体を動かす行為ですし、そこに喜びとか興奮とかの感情がある。やるだけじゃなくて、見たり応援したりしてもそれがあるというのは、すごい可能性だと思ったんです。

 



八木原 確かに、そこにはロジックを超えた無限の可能性がありますよね。 契約の形として資本業務提携、いわゆるただのパートナーにならなかった理由を教えていただけますか?

 

羽物 弊社はBtoBのコンサル会社なので、単に名前を売っても意味がないんですよね。だからスポンサーもやりますけど、出資をして長期間コミットするので一緒にやらせてください、という想いで出資させてもらいました。

 

あとはヴェルディに人を入れたかったんです。言い出した社員も入りたいと言っていましたし、中に入って今何をやっていて、どういう風に動いているのかを知る。それを一緒にやることに意味があるんじゃないかと考えました。

 

ただこちらの持ち出しばかりだと一方的になってしまうので、ヴェルディの事業を担当させてもらって、その事業が伸びたらその分利益をシェアしましょうということにして、本当に仲間としてやっていくというスキームを描きました。

 

 

ヴェルディで得た知見から広がるビジネス

 

八木原 ジョインしてみて、何か成果やそれに繋がったことはありましたか??

 

羽物 始めた当初から思っていて、最近もやっぱりそうだと思ったことは、僕らがプロスポーツに対して知見を持つということがすごくポイントだなということです。その知見をヴェルディじゃない他のお客さんに提供できるなどの広がりがあるんですよね。

 

実際に一社二社そういう会社も出てきたので、そこまでトータルで考えてビジネスとして成立しているような状況です。

 

八木原 ヴェルディから得た価値が、本業に活用できているということですよね。

 

羽物 そうですね。オリンピックが来年に控える中で、スポーツでアクティベーションしたいという日本のクライアントさんが多いんですよ。ただ、お金もやることも決まったけど、何をどうすれば良いのか分からないっていう企業さんも多いようです…。

 

そうなった時に、「そういえばスカイライトさん、ヴェルディさんと一緒にやってますよね」という流れができたので、そこに対してコンサルティングをさせていただいています。

 

プラスでより大きな取り組みとして、新しい事業を開始できたということもあります。例えば、富士通さんでスポーツ映像解析のサービスをプロ野球向けに提供しているという事業がありまして、その技術を他の競技やアマチュアにも展開していきたい。でも、大きい会社さんなのでなかなかスピード感が出ない。という課題を人伝えに聞きました。

 

そこで富士通さんから会社分割の形で新しくRUN.EDGE株式会社という会社に切り出して、弊社が出資して、今後はベンチャー企業として成長させていこうとしている取り組みがあります。

 

八木原 先日は元ブラジル代表のエジミウソンさんとブラジルで、サッカーアカデミーを設立するというリリースも出されていました。

 

羽物 これも、最初に話を聞いた時は「うちがブラジルで…?」と思いました(笑)。経緯としては、先ほどの映像解析の事業の話をエジミウソンさんとしていて、そうしたら彼の方からブラジルで選手の教育・育成をやりたいという話が出てきたんです。話していくうちに彼の熱意が伝わってきましたし、ブラジルでのサッカー選手育成の課題なども分かったので、一緒にやりましょう!となりました。

 

元々を辿れば全てヴェルディを支援したところから始まっています!もっと言うと一通のメールから、ですかね。

 

八木原 点と点が繋がって線に、そして面になっている感じが、すごく良いですね!!

 

羽物 元々はプロスポーツのノウハウが貯まって、その関係で他の仕事に繋がれば良いかなくらいに思っていたので、正直予想外です。あとはヴェルディのパートナーになる、という話が世に出た時に色々な方から「ヴェルディを再建してくれ!優勝させてくれ!」という声をいただいて。

 

もちろん僕が直接的に優勝させることはできませんけど、そういった意味で色々な方とリレーションが深まったり、新しくコミュニケーションが始まったりということもありましたね。


 

八木原 ヴェルディのパートナーになると、そういう声を聞くことは多いですよね!私もそう言われる機会があって、まずは今できることから貢献していこう!と身が引き締まりました! 鈴木さんもスカイライトさんから来ている方と、コミュニケーションする機会はあると思うんですけど、どうですか?

 

鈴木 僕が入社したタイミングとスカイライトさんの取り組みが始まったのが、同じタイミングなんです。なので、スカイライトさんから派遣されている方はヴェルディのスタッフだと思ってたんですよ(笑)。

 

僕は営業で、スカイライトさんに入っていただいている部署は別なので、直接同じ仕事をしているわけではないのですが、コンサルティングの経験やノウハウを活かして、今までの取り組みを良くしていたり、新しい取り組みを始めていたり、そういう話を活発にしているのは聞きますね。

 

八木原 中に入って、協働していくスタイルはスカイライトさんが大事にされていることですよね。

 

羽物 そうなんですよ。スカイライトのコンサルティングスタイルは、お客様の近くで一緒にやる併走型なんです。先生型で外からっていうよりは、一緒に課題解決していきましょうというスタイルなので、クライアントの社員と間違えられるというのはよくある話なんです。

 

八木原 クラブ側としても、そこまでコミットしてくれると心を開きやすいですよね。

 

鈴木 なので今は、何偽りなくヴェルディの人として仕事させていただいてますね。弊社代表の羽生も頻繁にコミュニケーションを取っていますし、隠すことはないという感じです!


 

公共財としてのヴェルディの価値を創る

 

八木原 ここまではポジティブで良い面を聞かせていただいたんですが、ヴェルディ側へのリクエストとか改善してほしいポイントとかってあったりしますか?

 

羽物 基本的に良いことが多いのですが、集客という面ではまだやれることが多いと考えています。やっぱり味の素スタジアムに毎試合1万人は呼びたいですよね。今、大体5-6,000人ですから、それを倍にしたい。

 

チームとしてもっとお客さんに来ていただき、お客さんに良いものを見てもらって、リピートしてもらうということに尽きるのかなと思います。当然そのためには、変えなければいけないことや先行投資しなければいけないこともありますし、そこはチャレンジしてほしいですね。それと並行してJ1に上がって、2-3万人呼べるところまで行くのがまずは目標じゃないでしょうか。

 

あとは女子ですね。ベレーザは日本だけじゃなくて、世界でもトップに入るようなチームじゃないですか。これだけ良い素材が揃っているのだから、ビジネス的にも成功させてほしいなと思っています。なでしこリーグのプロ化も検討されているというのは聞いていますけど、日テレ・ベレーザが先導してやっていくような動きにしてほしいなと。

 

八木原 日テレ・ベレーザの話が出ましたが、長谷川選手、清水選手がプロ契約をするにあたって、クラブへの支援を強化された件についても伺って良いでしょうか?

 

羽物 もちろんです。今話したように、日テレ・ベレーザというチームも、選手も、とてもすごいという現状があるにもかかわらず、大卒でプロになれないのはもったいないなと思っていました。日本だけじゃなく、世界で色々なチャレンジをする機会がある彼女たちの後押しをして、彼女たちが活躍した暁には、マネジメント側にも何かしらの成功が生まれるような取り組みを始めるべきだと以前から考えていて、この考えはヴェルディ側とも合致していました。

 

具体的には、女子サッカー選手のプロ化を進める東京ヴェルディを金銭面でサポートし、また日テレ・ベレーザとプロ契約をした長谷川選手、清水選手とスカイライトで、別途業務協力契約を締結いたしました。

 

これには、スカイライトの採用イベントで登壇してもらったり、会社のキックオフイベントに来てもらったりなど、選手のオフのタイミングを利用して、アスリートの媒体価値を弊社が活用することで、スカイライトにも貢献していただくような活動を想定しています。

 

八木原 こういう活動を通じて、女子サッカー界の現状も変えていきたいですね! こんな事例は他のクラブとか企業にはないですよね?

 

鈴木 ないと思います。もちろん個人のアスリートにスポンサーが付く、という形はありますし、日テレ・ベレーザに特別な想いを持たれて、日テレ・ベレーザを厚くご支援くださるパートナー企業様はいらっしゃいますが、今回のような形は聞かないですね。今回は長谷川と清水が大学を卒業するタイミングで、ちょうどスカイライトさんともお話をしていたので、タイミングがバッチリでした。なでしこリーグ全体にも波及していくと良いなと思います。

 

日本というより、世界的に見ても女子サッカーは男子ほど大きなお金が動くことはなく、ビジネス的にもこれからという状況ですので、今回のような形から広がり、徐々にビジネス面でも、男子サッカーに追いついていけると良いなと思います。

 

八木原 女子サッカー界にしっかりとお金が入ってくるような仕組みにしていきたいですね。それに近しい話で言いますと、ホームゲームの際、勝利した場合に、スカイライトさんの協賛で勝利チーム賞を行い、選手にお金が落ちる仕組みを作られたと聞いたのですが、いかがでしょう?

 

羽物 はい。弊社は2016年にベレーザのサポートを始めたのですが、最初は練習着の袖にロゴを出させていただきました。実は、そのお金の一部は勝利給や出場給などそういった形で回りまわって選手に入っているものだと思っていました。

 

でも、実際のところ交通費などは支給されるけど、勝利給という制度はないという話を聞きました。そのため、勝ったらわずかでも選手に渡るようにしてあげたいと考え、ヴェルディさんと相談し、一人頭で割ると数千円なんですけど勝利チーム賞を貰えるという取り組みを始めました。結構好評みたいで、最初はリーグ戦だけだったんですけど、カップ戦にも広げて。今年3年目ですかね。

 

 

八木原 女子チームの場合、Jリーグと違ってサッカーでお金をもらっているわけではないという現状を知らない人も多そうですね。

 

鈴木 プロとアマの違いはどうしてもありますね。そういう中でスカイライトさんには女子のサッカー環境改善に一役買っていただいて、選手にお金が落ちるようなスキームを考えていただきました。

 

羽物 ベレーザはものすごく強いので、ものすごく勝つんですよ。勝利チーム賞の授与の時は写真を撮ってSNSに投稿しているんですけど、ほぼ毎週ですからね。実はあそこが一番露出していますから、コスパが良いんですよ(笑)。やってみて改めてその事実に気づきましたね。

 

八木原 確かにそうですね!勝つことで露出も増えますし、選手たちにも賞金が渡るので、良いサイクルで回っていますね。最後に、これからヴェルディとチャレンジしていきたいことについて、教えてください。

 

羽物 昨年、羽生さんとお話した際に、ヴェルディというのは音楽とか将棋とか、スポーツに限らなくて良い、というお話を聞いて、目からウロコでした。人が集まって楽しみながら成長していくのがヴェルディの基本なんだというお話で、改めてヴェルディの価値を認識しましたね。

 

ヴェルディに関わる全ての人にとって公共財のような役割を果たせる、そんなポテンシャルを持っているのがヴェルディだと思います。試合に勝った負けただけではなくて、そんな未来の価値を一緒に創造していきたいなと考えております。

 

八木原 公共財とはパワーワードですね! もちろん強いチームであるに超したことはないですが、世間に対してヴェルディだからこそできる価値を提供していきたいですね。


 

羽物 そうですね。あとはパートナーを考えている方々に向けて、本音で伝えると「金だけ出して終わりと思うな」ってことですね(笑)。お金を出すというのは、それを使って広める権利を得たというだけであって、その権利を上手に活かして、自分たちの企業価値もヴェルディの価値も、お互いに高まるアクティビティをしないと意味が無いと思います。

 

お金を出しました、で終わりじゃなくてどうやって社員とか、お客様、株主も含めて価値を提供できるのかということを考えていった方が、最終的にお金以上のリターンが返ってくるんですね。これはやってみて初めて分かったことなので、伝えていきたいですね!

 

八木原 社内でもそういった認識は意思疎通されてますもんね。

 

羽物 ヴェルディのパートナーになる時にも、ただお金を出すんじゃなくて、スポーツ市場の知見を得てこれから伸びていくところを享受しようという話をしました。お金も出しながら、人も送りながら汗をかいてやりましょう、という提案だったので反対意見もなかったです。もちろん急にお金だけ出したい!では、社内すら通らなかったと思いますよ。

 

八木原 弊社も企画戦略パートナーという形で、お金を出すだけではなく、今回の対談のようなアクティベーションをやらせていただいて、市場をスケールさせることにとどまらず、良いサッカーの文化とかスポーツの文化を作っていきたいと思っていたので、今日は本当に共感の嵐でした。ありがとうございました!

 

鈴木 ありがとうございました!

 

羽物 ありがとうございました!

 

八木原 お二方、ありがとうございました!羽物さんからはヴェルディの持つポテンシャルから組織のあり方まで、興味深いお話を聞かせていただきました。

 

こういったパートナーと共に価値を創造していく仕組みが、ぜひ他のクラブにも広がり、業界全体がスケールしていくと良いなぁと考えています。 どんどん真似してください!笑


 

ライター:渡邊志門 / 写真:石橋雅人

 

 

 

 

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