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NEWSニュース

2019.10.04 クラブ

ONE FLAG 〜パートナー企業とともに創る新しい価値〜 第6回 中央高等学院と東京ヴェルディ

東京ヴェルディを様々な面で支えていただいている、パートナーの皆さま。それぞれに特別な想いを持って、クラブをスポンサードしていただいています。東京ヴェルディは、これまでの一般的なスポンサーという枠を超えて、クラブと企業が共に歩んでいくコミュニティのような未来を描きます。

 

『ONE FLAG 〜パートナー企業とともに創る新しい価値〜』と題して、ヴェルディファミリーの仲間同士で、様々な思いや未来について本音で語り合う本企画。

 

対談を通じて、お互いの思いを共有し、目線を合わせながら目指す未来を描いていきます。

 

第6回は2008年から10年以上という長い期間、ご支援いただいている中央高等学院様にご登場いただきました。日々のホームゲームへ生徒のボランティア活動、毎年のGREEN DAYの開催やそこでのキズナブースの運営など協業もおこなっています。

 

対談に参加していただいたのは、サッカーというスポーツに関わることで他には真似できない文武両道の実現をはかる中央高等学院 副学院長の斉藤 暁さん。(写真中央)子どもたちの真摯な活動に寄与したいという想いを持つ東京ヴェルディ パートナー営業部 鈴木雄大。(写真左)

 

ファシリテーターとして、東京ヴェルディの企画戦略パートナーである株式会社リトリガー八木原 泰斗(写真右)が、スポーツやサッカーと関わることと教育の関連性、GREEN DAYでの活動、そしてこれからの取り組みについて伺いました。

 

(以降敬称略)


 

スポーツに関わるという体験

 

八木原 クラブとパートナーが互いの価値を最大化させるための方法を考えたり、何か一緒にクラブを良くしていくキッカケになれば、と思いこの対談を行わせていただいています。今回は中央高等学院様にお話を伺わせていただきます。

 

さて、はじめにサポーターの方も、クラブのパートナーがどのようなことをしているのか知らないケースが多いので、まずは学校の紹介からお伺いしてもいいですか?

 

斉藤 分かりました、よろしくお願いします! ヴェルディさんとパートナーシップを結ばせていただいている『中央高等学院』は、通信制高校のサポートをする学校なんです。

 

私立の『中央国際高校』という学校法人が千葉の御宿にありまして、その通信制高校に通う生徒のレポートや勉強のサポートをするのが、『中央高等学院』です。中央高等学院は、吉祥寺や原宿、池袋や横浜などに校舎があって、好きな場所に所属しいつでも勉強できる形になっています。

 

八木原 ありがとうございます。では続いて、ヴェルディのパートナーになっていただいた経緯を教えていただいても良いですか?

 

斉藤 はい、一つ大きいのが通信制高校というものの立ち位置の変化なんです。戦後働いていても平等に教育が受けられるように、という考えのもと定時制や通信制高校がありました。ですが、今うちで預からせていただいている生徒の多くが、いわゆる不登校といわれる子たちです。

 

そういう毎日学校に通うことのできない子たちがしっかり高校卒業できるようにサポートするのが、中央高等学院です。そういう子どもたちの数はどんどん増えているんです。少子高齢化で子供の数は減っているのにですよ。

 

もちろん人によって違うのですが、中には小学3年生から不登校の子もいるわけです。そうなると単純に中3まで7年間の体験・経験・学習が抜け落ちてしまっている状態で、それを高校の3年間で取り戻させてあげなきゃいけない。

 

勉強はもちろんなんですけど、いわゆる部活動とか運動との関わりも重要です。学校には通えないけど、毎日5km走っています!っていう子ってなかなか居ないじゃないですか。

 

八木原 たしかに! 運動って余裕が無いと気持ちが向かわないかもしれないですね。

 

斉藤 そういう子たちに部活動で身体を動かせって言ってもなかなか難しい。そこでスポーツをするのではなく、スポーツに関わるだけでも充分に疑似体験になるんじゃないか、という風に考えたのがキッカケですね。

 

僕自身ずっとサッカーをしてきましたし、サッカーで人とどう関われて、どういう体験が生まれるのかというのはだいたい分かっていました。また、プロの試合が1試合行われるのにどれだけの大人が動いているのか、どういう職種の人が居るのか。そういった社会的な側面を知るという意味でもプロのクラブさんとパートナーシップを持ってやっていきたいなと。

 

そう考えていた際にヴェルディさんをご紹介いただきまして、名門ですし文武両道というところに繋げられる取り組みができれば、ということでパートナーシップがスタートしたという経緯になります。

 



ボランティアは貴重なキャリア教育の一環

 

八木原 なるほど、ありがとうございます!嬉しい話ですよね。 具体的な取り組みとしてボランティアスタッフの話をお聞きしたのですが、どのような取り組みなのでしょう?

 

斉藤 そうなんです。ホームゲームの際ボランティアスタッフとしてうちの生徒を派遣させていただいて、チケットもぎりやお客さんの案内などをインターンシップとして実施しています。参加しているのは、大体毎試合5~20人くらいで、人数はまばらなのが申し訳ないんですけど。

 

鈴木 いやいや、最近はほぼ毎試合募集スタッフの定員まで参加していただいています。

 

斉藤 最近は徐々に安定してきました。というのも、本当にサポーターの方々の優しさによるものなんですよね。どうしても最初は緊張して下を向いてしまう子たちに、サポーターの方から「ありがとう」って声をかけていただける。これが生徒たちにはとても大きいことで。

 

人に感謝されたり、必要とされたりという経験が少ない子たちが多いものですから、ボランティア1回がとても大きな出来事になるんです。「ありがとうプロジェクト」という呼び名で、サッカーという競技に関わることで元気をもらえるプロジェクトになっています。

 

八木原 それはとても良い話ですね!

 

斉藤 一方でインターンシップとして実施している意味ももちろんあって、大学生とか専門学校生が卒業間際にするような社会経験を高校生で出来るというのは非常に大きいです。プレイヤー以外にスポーツに関わる人が大勢居るんだ、ということを実感できますし、実際にそういう進路を選ぶ子も居るんですよ。

 

八木原 そういった活動に生徒さんが参加するキッカケってどんなことがあるのでしょうか?

 

斉藤 担任の先生からの声掛けなどもあると思いますが、年度の始めに親子一緒に参加していただく機会を設けているのも大きいかもしれません。親御さんにもスポーツをやるのではなく、関わって学ぶことがあるというのを理解していただく。

 

三年間こういったことを継続していきます、というのを親子そろってイメージしてもらえれば、後の活動にも積極的に考えて参加して頂けるようになっていきますね。

 

八木原 積極的といえばGREEN DAYという大きなイベントがあります。

 

 

斉藤 そうですね! スタジアム運営をサポートする形で、通常のボランティアよりも多くの人数で協力させていただいています。朝イチからスタジアムに入って、1,000人規模の生徒たちがスタジアム周辺やシートの清掃など様々な面でお手伝いするので、その規模感とか達成感というのは計り知れないですよね。

 

八木原 次回のGREEN DAYが10月5日の岡山戦ですが、ここに注目して欲しい!みたいなポイントはありますか?

 

斉藤 やっぱり心の準備ができていない子が大半なので、もしサポーターの方にお願いできるのであれば「がんばれ!」「ありがとう!」みたいなお声がけをいただけたら嬉しいですね。そうするとみんな素直ですから、更にサッカーであったりスタジアムであったりを好きになっていってくれるのかな。

 

鈴木 あとはキズナブースという取り組みもしていただいていて、生徒さんが作ったグッズを販売し、その収益の全額寄付を東日本大震災以降ずっと続けていただいているんです。

 

斉藤 震災がキッカケではあるのですが、子どもたちのキャリア教育の一環としてキズナブースは始めさせていただきました。子どもたちが商品の企画から制作、販売、そして寄付まで一貫して行うプロジェクトです。

 

社会ではプロジェクトの企画から携わって収益をどのようにあげるのか、って経営者レベルでしかできないことじゃないですか。それを高校生のうちに体験させてあげたかったんです。様々な方の協力ですごく貴重な経験ができていると思います。

 

また、そういった活動って何処の誰のためにしてるのか、実際目で見ることが大切なので、毎年バスで被災地に行ってボランティア活動もさせていただいています。大人になったとき、困っている人を助けられるようになってくれたら良いなと。

 

鈴木 毎年本当に力をいれていただいていて。今年はミサンガなんですけど、先生に教えてもらいながら全部手編みで作るんですよね。そういう想いが込められているというのは、来場いただく方々に是非知っていただけたらと思います。

 

 

協業によって抜本的な変化を生む

 

斉藤 こういった形で私立高校とクラブが一部ですけど、業務面で連携することってなかなか珍しいじゃないですか。だからこそ、もっとヴェルディさんには子どもたちを引っ張っていってもらいたいんです。そのために直接的な形でヴェルディさんに対して子どもたちの力を使っていって欲しいなと思っています。

 

例えば、子どもたちにサポーターを増やす活動を手伝ってもらうとかも良いと思うんです。子どもたちも結果が数字で見えるようなことって成功体験として残りやすいし、これぞまさにインターンですよ。ヴェルディさんさえGOを出してくれれば、数千人規模の営業マンが居るわけですから!

 

八木原 本当ですよね。サポーターが増えるということはヴェルディにとって良いことしかないわけですし。

 

斉藤 そもそもGREEN DAYには毎年2,000人くらいが参加しているわけですから、その全員サポーターにできるはずなんですよね。これは気持ちとかじゃなくて、具体的な施策ができていないからだと思うんです。

 

鈴木 これはぜひ考えたいですね! 現状として我々はホームタウン活動に課題や問題を抱えています。なかなか難しいんですよね、ホームタウン活動は商店街に行ったり、家を一軒一軒まわって顔を突き合わせて会話しなければいけないので。J2で1万人観客動員できないと、J1に行けても2-3万人なんて呼べないですから。

 

斉藤 それも営業マン数千人が居たら変わってくるんですよ。僕らも関わらせていただいて10年以上経って、J2で過ごして11年じゃないですか。そうするとサッカーをそれほど知らない子だったら、ヴェルディのことも当然知らないっていう状況になってるんですよね。

J2は露出が少ないですし、今の小学6年生なんて、生まれてからその間ずっとJ2だったクラブなんて知らないんですよ。

 

鈴木 そうですね。だからこそホームタウン活動で地道にヴェルディを応援してくださる方を増やしていかないと、将来のサポーターが絶対減ってきてしまうので。ここはなりふり構わずやっていかなければいけない部分だと感じています。

 

 

斉藤 せっかくお互いのためを思ってやっていることなので、少しずつ目に見えるような成果を積み上げていきたいですね。サポーターが増えてクラブが潤えば、補強費も増えてチームが強くなっていくわけですから。

 

八木原 共に歩んできたからこそ、こういう風に言っていただけるのはありがたいですね。

 

鈴木 本当にそうですね。集客頑張ってよ、とパートナーさんから言われることは多いですが一緒にやりましょうと言っていただけるのはなかなか無いんです。ありがとうプロジェクト以外のことでも協業していけたら嬉しいです。

 

八木原 それでいうと、他のパートナーさんとのコラボ企画みたいなことって可能性としてあったりしますか?

 

斉藤 やっぱり色々な業種からヴェルディというコンテンツに集まってきている、というイメージが強いのでそれを活かしてなにかしたいとは思ってます。単発的にイベントをするとか、そういうことではなくて本当にヴェルディに貢献できるような活動がしたいですね。

 

いわゆる日本の「スポンサーさん」っていう枠じゃなくて、海外のように一緒にサポーターを増やす活動をしたり、観客動員数を増やす施策を考えたり。ぜひ皆さんと話し合って、一緒にやっていきたいですよ。というかやらないといけない。

 

そういう形って日本ではなかなか見ないじゃないですか。だったら、やっぱり日本で最初にやるのはヴェルディでしょって思うわけですよ。ナンバーワンを走り続けてきたプライドを持ってね。

 

 

鈴木 そうですね、スピード感持ってやっていかないといけない段階に来てますね。

 

斉藤 やっぱり目の前のことに追われてしまって、抜本的に変化が起こせていないというのはあると思っていて。子どもたちの教育という観点から考えても、もっと子どもたちを熱狂させてくれるようなヴェルディになってほしいなと。

 

2014年まで東京ヴェルディに所属していた常盤聡選手は、実はうちの卒業生なんです。彼が大学進学した後に水戸、北九州を経由してヴェルディに移籍してきたときは感動的でした。そういう風に卒業生も巻き込んでいけると、より広がっていくかなと思います。

 

八木原 ヴェルディは業界に改革を起こせるクラブですし、クラブ全体で変化していくべきタイミングに来ていますよね。ぜひスピード感持って実行まで繋げていきましょう。今日は熱いお話ありがとうございました!

 

鈴木 ありがとうございました!

 

斉藤 ありがとうございました!

 

八木原 お二方、ありがとうございました!スポーツクラブが教育の一環を担い、子どもたちに変わるキッカケを提供できているというお話はとても嬉しく、刺さりました。

 

数千人規模の営業マンと共にタッグを組んで、ホームタウン活動やサポーター獲得を行えば、すごい未来が期待できそうです。

このような他クラブがやっていないことを1番最初にやるべきなのは、パイオニア精神を持ったヴェルディです。そういう部分も含めて、変化・進化を推進していきたいと思います。

 

 

ライター:渡邊志門 / 写真:石橋雅人