日本瓦斯株式会社
株式会社ミロク情報サービス
株式会社H&K
ATHLETA
ゼビオグループ

NEWSニュース

2024.05.24 ベレーザ

Beleza Match Preview #22

Match Preview
『ここから強いベレーザを取り戻す』

今季の最終節を迎えることになる。

 

前節はジェフユナイテッド市原・千葉レディースとの対戦。試合はキックオフ直後にシュートを打たれたものの、5分には藤野あおばのクロスに神谷千菜が頭で合わせポスト直撃。7分には藤野のパスを受けた土方麻椰が切り返しからシュート。さらに21分には菅野奏音のスルーパスを神谷がヒールで落とし、藤野がシュートを放つがGKのファインセーブ。ベレーザのペースが続き、点が入るのも時間の問題だという流れだった。それが27分、ベレーザの右サイドでボールを持たれてしまうと、鴨川実歩がカットインから強烈なシュート。これが決まり、先制点を奪われてしまった。

 

それでも、後半は一気に巻き返しをはかる。46分、菅野のサイドチェンジから北村菜々美がワンタッチでゴール前に放り込む。これを山本柚月が上手く流し込んで同点に追いつく。さらに試合は一方的な展開になり、87分には藤野がドリブル突破でボックス内に侵入したところを倒されてPK獲得。これを木下桃香がGKの逆を突いて決めて逆転。最後まで気を緩めることなく後半は相手のシュートをゼロに抑えて試合を締めた。

 

「ここ数試合、最後まで戦い抜いて勝ち取ったゲームばかりでしたし、上手さだけではない、強いベレーザというものを少しだけ表現できたかなと思っています」

 

松田岳夫監督が試合後のセレモニーで話したように、試合の終盤、80分以降に勝負を決める重要なゴールが決まったのは、この試合で5試合目。それがシーズンの後半戦に集中している。

 

「リーグ戦の最後の試合は今シーズンで一番良いゲームにしたい」

 

と指揮官が話すように最後は全員が笑顔で終えられる試合を目指す。その相手は三菱重工浦和レッズレディース。浦和は5月10日にAFC Women’s Club Championship 2023 – Invitational Tournament決勝で仁川現代製鉄レッドエンジェルズを2-1で下しアジアのタイトルを手にし、またすでに今季のWEリーグを制している現時点で最強のチームと言えるだろう。

 

浦和の前節はINAC神戸レオネッサ戦。試合は序盤から清家貴子を中心とした浦和がI神戸のゴールを何度も脅かす展開が続くと、29分にはFKの流れから島田芽依の折り返しを角田楓佳が押し込んで浦和が先制。後半は田中美南にクロスバー直撃のシュートを打たれるなど危ない時間帯もあったが、逆に74分に清家がこぼれ球をオーバーヘッド気味のシュートを放ちネットを揺らす。清家の得点ランクを独走する今季18点目が追加点となり、2位のI神戸をさらに突き放す快勝で最終節に臨むことになった。

 

第21節終了時点でベレーザは3位と変わらないが、I神戸との勝点差はわずか1に迫っている。つまりI神戸の結果次第で、2位浮上の可能性がある。I神戸の勝利でその望みは絶たれるが、引き分けであればベレーザの勝利、またI神戸が敗れるとベレーザは引き分け以上で逆転することができる。ただ、こうした計算にどれだけの意味があるだろうか。

 

目の前の相手を倒す。そこに力を入れてきたここ数試合と同様、浦和から勝点3を奪うことに注力し、その上で吉報を待つこと。村松智子が前節の試合後、ファン・サポーターに誓った「強いベレーザを全員で取り戻します」という言葉。それはこの試合から始まる。

(写真 松田杏子)